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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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12.槍術

『リーネっ!』


「あっ、はい!」


興奮していろいろと妄想していたら呼ばているのに気がつきました。


『次は槍だね』


さっき弓術を試したので次は槍術を試すことになります。

しかし、私がやってたのは薙刀なので槍術が出来るかはわかりません。


「はい、そうです。でも、私が出来るのは薙刀なんですが・・・」


『薙刀って、確かグレイブみたいな先端部が刃になった槍だったよね?』


「グレイブは分かりませんが形状はそうです」


『うん、リーネは身長もあるしハルバードって手もあるかな』


私がそう答えるとロカはなにか納得したように言いますが、ハルバードなんて初めて聞きました。

さっきのグレイブもそうですが、槍の名前を言われても聞いたことがないのでハルバードと言われてもどんな槍か想像出来ません。


「ハルバードですか?凄く強そうな名前ですが?」


『ハルバードは簡単に言えば槍に斧と鉤爪を付け足したような武器よ』


(槍に斧と鉤爪ってどういうこと?)


ロカの説明ではハルバードの形状が想像出来ません。


「随分欲張った武器ですね」


とにかくロカの説明を聞いて思ったのはそんな感想でした。


『槍として突くだけじゃなく、斧で薙払ったり、鉤爪で引っ掛けたりと、1本でいろいろ出来るから薙刀の技術も生かせるはず。ちょっと重いけど今の身体ならなんとかなるでしょう』


ハルバードはいろいろと出来る武器みたいで、薙刀の技術も使えるようなのでロカの言うとおりにしておきます。


「じゃあ、それでお願いします」


『ハルバードを探してくるからちょっと待ってて』


「はい」


(ハルバードか~斧と槍と鉤爪って・・・どんなだろ?)


私がいろんな形のハルバードを想像しながら待っていると、ロカが戻ってきましたが表情が優れません。

またなにか問題があったのかと内心でヒヤヒヤしながらロカの言葉を待ちます。


『ごめん、リーネ、ハルバードはこれしか無かった』


ロカはそう言ってハルバードを渡してきたので、私は安堵しながらその武器を受け取りました。

それは長さが2メートルほどの槍の穂先の下に小さな斧状の刃物が付き、斧の反対側に幅広の短い両刃が付いた武器でした。


『一応確認してみたけど長さはおよそ最短の2メートルで、槍の穂先と斧の部分は標準的だけど、鉤爪は引っ掛けるよりはひき切る事を想定して短い両刃にしたものらしいの』


「そもそもハルバードなんて使った事が無いのでこれで大丈夫です」


ロカは申し訳なさそうに説明してくれましたが、ハルバードなんて初めて使うのでどんな形状でも問題ありません。


『まあ逆に考えれば薙刀と同じように振り回せるからいいかもしれないよ』


ロカが言うように、渡されたハルバードの長さは薙刀と同じぐらいだし、穂先の形状は違うけど感覚的には薙刀と同じ感じで使えそうです。


「そんなに重く感じませんね。これが軽いのか、この身体の筋力があるからなのかは分かりませんけど」


『両方じゃないかな?これで薙刀と同じように振れる?』


どうやらこのハルバードは軽いようですが、新しい身体も筋力があるから軽く感じるみたいです。


「持った感じだと大丈夫そうですんで少し振ってみます」


そう答えると、中学生時代の薙刀部を思い出すようにハルバードを振ってみます。

しばらく部活を思いだしながら型を振っていると、意外と形になっていくのがわかります。


(あ~当時は動きの意味が分からなかった部分も今ならなんとなく分かるわ。剣を受け流したりしてる動きとか当時は分からなかったもん)


『へぇ~結構実戦的な動きが多いよ。突く動きは無いけど、剣を受け流したり、足を払ったりと長物の動きはしっかりしてるし。突く動きを覚えればそれなりに形になりそう』


薙刀の型を見たロカは薙刀の動きをそれなりに評価しているようでした。


『じゃあ、あとは突く動きだけど、ハルバードだと穂先が重いから変幻自在な突きとかは出来ないし、戦乙女の槍の件もあるから普通に短槍で練習するかな』


いろんな突きの動きはハルバードで練習するのが難しいのはわかりますが、そこで戦乙女の槍が出てくる理由がわかりません。

確か戦乙女の槍って魔法だったと思うのですが、同じ名前の槍とかがあるんでしょうか?


「戦乙女の槍って魔法ですよね?」


『戦乙女の槍は魔法扱いだけど複合技よ。専用の短槍に聖属性を付与して時空庫から射出する攻撃よ。攻撃後はまた時空庫に収納される。簡単に言えば何度でも出来る投げ槍』


なんか凄い説明をされたような気がしますが、とりあえず戦乙女の槍は複合技らしいです。


「へぇ~複合技なんてあるんですか」


『とりあえずハルバードを一回ストレージにしまって【戦乙女の短槍】・・・これに換装して』


ロカはそう言って穂先の部分がハデな長さが1.2mほどの短槍を取り出しました。

私もその短槍を見ながら換装で短槍を取り出します。


「これも【戦乙女の弓】と同じように個人専用なんですか?」


『そう。戦乙女の装備は基本的に身体に紐付けされてて個人専用よ』


この【戦乙女の短槍】も【戦乙女の弓】と同じように私専用になってるみたいです。

私専用になってるなら投げっぱなしでも取られたりする心配はありません。


「じゃあ投げて戻ってこなくても問題無いですね」


『問題は大ありよ。槍が戻って来なかったら魔法の戦乙女の槍が撃てないのよ』


「あっそうか」


そういえば、さっきの説明で戦乙女の槍には【戦乙女の短槍】を使うみたいなことを言ってたような気がします。


『今から私が突きの動きをするから、リーネも続いてやってみて』


とにかく、この短槍を使って今から突きの動きを練習するようです。


「わかりました」


それからロカに教えてもらい突きの練習をします。

【戦乙女の短槍】はかなり軽く、突きの動きを練習していても負担にはなりませんが、突く動き自体が初めての経験なので無駄に力が入ってしまいます。

しばらく突きの練習をして、手の握力が弱ってきた頃にようやく今日の訓練が終わる事になりました。


『はい、続きは明日以降にするから今日はこれで終了するよ。この後は個人部屋の案内があるからもう少し付き合う事にはなるけど』


今日の訓練はこれで終わりと聞いてホッとしました。


「はぁ~疲れた~早くお風呂入ってご飯を食べて寝たい」


なんやかんやあって心身ともに疲れてるので早く休みたいです。


『リーネ、気が早過ぎるよ。それと個人部屋はどこにする?特に希望が無いなら私が決めるけど?』


もう休むことしか考えられないので部屋とかどこでもいいです。


「どこでも問題無いんで決めちゃて構いません」


『じゃあ私の左隣りが空いてるからそこに決定ね。しばらくは一緒に行動するから近い方が便利でしょ?』


「はい、それで大丈夫です」


『今日は汗もかいてるし移動する前に身体を洗浄しておいた方がいいね。身体を清潔にするイメージでクリーンよ』


(ん?とりあえず汗を拭くみたいな感じ?)


ロカの説明が簡潔過ぎてわかり難いですがクリーンって魔法を使うってことでしょうか?


「はい、えっと・・・」


(身体を清潔にするイメージ・・・お風呂しか思い浮かばないや・・・とりあえずクリーン!)


とりあえず身体をきれいにするイメージでクリーンを発動すると、かいていた汗がなくなり、汗で湿っていた衣装も乾きました。


(あっ、なんか汗がひいてるし服も乾いてる・・・お風呂のイメージで服が乾いてるのは謎だ)


『ちゃんと出来てるね、じゃあ移動するよ』


そう言ってロカは歩き出しました。


「えぇ~歩くの~?」


これから歩いて移動したらせっかくきれいにしたのにまた汗をかいてしまうし、もう休むことで頭がいっぱいなので歩きたくないです。


『同じ天界なんだから空間跳躍で移動したりしないよ。それに場所も分からないでしょ?』


しかし、世の中そんなに甘くは無いようです。


「わかりました・・・」

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