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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第二章 戦乙女として
107/113

107.妹1

ディアが亡くなったその日、テラ様に呼ばれました。


ここ最近、テラ様に呼ばれるようなことは無かったのですが、このタイミングで呼ばれたことを考えると、聖女のディアが亡くなったことが関係しているのかもしれません。


とにかく神界に来るようにとのことなので神界に移動しました。


************


『リーネお姉様!』


神界に移動すると、誰かが左手から私のことを呼びつつ抱きついて来ました。

びっくりして抱きついてきた者を見ると、そこには16歳の見た目をしたディアがいました。


「ディア!?」


一瞬、ディアがいる理由がわかりませんでしたが、よくよく考えるとディアは聖女として世界の安定に貢献しています。

そんなディアをそのまま輪廻転生させるはずがありませんし、ディアが女神様の眷属となることを女神様達は望まれているのでしょう。


私が驚いてそんなことを考えていると、ディアは嬉しそうに言います。


『さあ、リーネお姉様、約束を守っていただきますよ!』


そう言ったディアは見たことがないくらいの笑顔です。

ディアの態度を見ていると、おそらく生前に女神様の眷属となる神託を授かっていたのでしょう。

そして、私の本当の妹となるべく、私から約束というかたちで言質を取ったのでしょう。

ディアの行動に呆れてしまう部分もありますが、その行動を嬉しく思っていることも事実です。


「落ち着いて、ディア。まずはテラ様のお話を聞いてからよ」


ディアにそう言ってからテラ様を見ると、テラ様は笑顔で私達を見ておられました。


『もうわかっていると思いますが、ディアンヌさんには女神の眷属となっていただくことになりました』


やはりディアは女神様の眷属となることが決まっていたようですが、少し気になることもあるので私が呼ばれた理由と合わせて確認したいと思います。


「テラ様、ディアを女神様の眷属とするので関係のある私を呼ばれたのでしょうか?」


『そうです。リーネはディアンヌさんの戦乙女召喚に応じていましたし、個人的な関係もあったでしょう。ですからディアンヌさんの眷属化に立ち会ってもらうことにしました』


私が呼ばれた理由はだいたい予想とおりですが、もう1点は検討がつきません。


「私が呼ばれた理由はわかりましたが、1つ確認したいことがございます」


私がそう言うとテラ様は不思議そうに首を傾げられます。


『なにか気になることでもありますか?』


テラ様にそう返していただいたので、疑問に思っていることを質問します。


「ディアの見た目が16歳なのはどうしてでしょうか?」


そう、ディアは今日、56歳で亡くなったので、神界にいるディアの見た目が16歳になっていることが不思議でした。

私がそう質問するとテラ様はなんでもないように言われます。


『ディアンヌさんの見た目は本人の希望を反映させています』


テラ様の返答を聞いてディアを見ると、ディアは嬉しそうに答えます。


『リーネお姉様の妹にしていただくのに見た目が56歳だと変でしょう?だからリーネお姉様にお会いした時の見た目にしてもらいました』


どうやら私が思っていた以上に女神様の眷属となれる者には自由な選択が出来るようです。

まあ、今は身体があるわけではありませんし、見た目はすぐに変えれるということなのでしょうけど。


そんなディアの言葉を聞いてテラ様が言われます。


『ふふ、リーネは約束をしっかり守らないといけませんね』


テラ様が凄く楽しそうにそう言われたので、おそらくディアと約束をした一部始終を見ておられたのでしょう。

まあ、ディアとの約束はちゃんと守るつもりですし、少し恥ずかしいぐらいで問題はありません。


「もちろん約束はしっかり守りますが、ディアを私の妹とするにはどうすればいいのでしょうか?」


ディアを私の妹にすることに異論はありませんが、私はあくまでもテラ様の眷属というだけなので、ディアを私の妹にする方法はテラ様に教えていただかないとわかりません。

私がそう聞くとテラ様は説明してくださります。


『方法は2つあります。1つはディアンヌさんを私の眷属とし、リーネとの繋がりをつけること。もう1つはリーネがディアンヌさんを眷属とすることです』


(えっ?)


テラ様はなぜ2つの方法を説明されたのでしょう。

いや、確かに私はディアを妹にする方法を尋ねましたが、そもそも私が眷属を持つ必要はないと思いますし、2つ目は説明する必要はないと思います。


「えっと?ディアはテラ様の眷属にされるということですね?」


一応確認しておくつもりでそう尋ねると、テラ様は笑顔で言われます。


『まだそうとは決まっていませんしリーネの眷属にしてもいいのですよ?』


(いやいやいや!)


私の眷属にしてもいいと言われても意味がわかりません。

ディアは女神様の眷属になるために神界にいるはずですし、女神でもなんでもない私が眷属にするのは違うでしょう。


「女神でもない私がディアを眷属にするのは間違っていると思います」


私がそう反論すると、テラ様は少し困ったように言われます。


『そうは言いますが、ディアンヌさんの信仰対象はリーネなのですよ?眷属となるならば信仰対象の眷属になりたいと思いませんか?』


(あ~そういえば・・・)


テラ様に言われて気がつきましたが、確かにディアは私のことを信仰していると言っていました。


(でも、女神でもない私の眷属にするのはやっぱり違うと思う・・・)


テラ様の言われたことは理解出来ますが、やはり『女神様の眷属』というところはしっかりしておいたほうがいいと思うのです。

本当ならば誰の眷属になりたいかをディアに確認するのでしょうが、十中八九私の眷属と言いそうなので聞くに聞けませんし、とにかく『女神様の眷属』にするということで納得してもらうしかありません。


「テラ様の言われたことは理解出来ますが、女神様の眷属にするということはしっかり守るべきだと思います」


テラ様にそう答えるとテラ様は悩ましげに言われます。


『確かに女神の眷属とするならば現在のリーネでは問題がありますね。リーネが女神になってくれれば手っ取り早いのですが・・・』


(テラ様!本音を漏らさでください!)


テラ様は以前は建前上では私のことを女神にしないと言いつつも既成事実が出来るように誘導されていたのですが、いつの頃からかはわかりませんが私を女神にしたいことをごまかされなくなりました。

しかも私に女神となるようなことは話されず、他者が居る時に『リーネが女神になってくれるといいのですけど・・・』という感じで外堀を埋めてこられるのです。

今のもディアに聞かせるつもりで言われたのでしょう。


テラ様の言葉を聞いてそんなことを考えているとディアが恐る恐るテラ様に質問します。


『あ、あの!リーネお姉様は恋愛の女神様ではないのですか!?』


(あっ・・・)


今の質問でわかりましたが、ディアは私のことを本当に恋愛の女神様だと思っていたようです。

確かに私はディアの婚儀で祝福するために降臨しましたが、ディアは私が戦乙女であることを知っていましたし、本気で私のことを恋愛の女神様と思っているとは思いませんでした。


そう質問したディアに対してテラ様は一部を強調しつつ説明されます。


『【残念ながら】リーネは【まだ】女神ではありません。能力的には女神と成りえるのですが、いろいろと事情がありまして、【最低でも数100年は女神になってもらえないのです】』


(ちょっと!テラ様!?)


今のテラ様の説明だと私が女神になることを拒否しているように聞こえますが、私に直接女神となるような話はされていませんし拒否したこともありません。

とはいえ仮に女神になるように言われても、とても受け入れられないのですが。


テラ様の説明を聞いたディアはどうやら怒ったようで、プルプルしながら私に詰め寄って来ました。


『リーネお姉様!どうして女神になられないのですか!』


テラ様の説明を聞いていてこうなることは想像出来ましたが、ディアになんと返事をしたらいいか悩んでしまいます。

なんと返事をするかを悩んでいて、ふと、テラ様のほうを見るとサッと視線を外されました。


(あ~もう!)


テラ様は私が女神にならない事情をちゃんと説明されませんでしたが、ディアが女神様の眷属になることは決まっていますし、ディアに詳しい説明をしても問題はないので私のことをすべて教えてしまいましょう。

私のことすべて教えたら、ディアも私が女神にならない理由をある程度は納得してくれるのではないでしょうか。


私はディアを妹にするのはやぶさかではありませんし、妹にするならば私のことを知っておいて欲しいという想いもあります。

しかし、今は私の妹になりたいと思っているディアが、私のことを知った後、どう判断するかはわかりませんが、まずは私のことを教えるために1度天界に戻る許可を取りましょう。


「テラ様、ディアに詳しい説明をしたいので少しだけ天界に戻ってもいいでしょうか?」


『わかりました。ディアンヌさんの眷属化は特に急ぐわけでもありませんし今日は2人で話をしてもらってかまいません』


テラ様の許可をいただいたので天界に戻ってディアに詳しい説明しましょう。


「ありがとうございます、テラ様。では失礼します」


テラ様にそう挨拶をすると、怒りがおさまらない様子のディアに言い聞かせます。


「ディア、今から私のことを話してあげるから今は抑えて」


『リーネお姉様、ちゃんと納得させてもらえますよね?』


ディアは少し声を抑えてそう聞いてきますが、私のことを教えたからといってディアが納得出来る保障はありません。


「ディアが納得出来るかは保障出来ないけど、テラ様に許可をいただいたから今日はいろんな話をしましょう」


私がそう答えると、ディアはさっきまで怒っていたのが嘘のように笑顔になって私の腕に掴まってきます。


『知りたかったリーネお姉様のことを聞くには今日だけでは足りないと思いますがよろしくお願いします!』


(いやいや、まだお昼にもなってないのよ?)


私のことをディアに話すのにそこまで時間はかからないと思っていたので、ディアがどれだけ私のことを聞くつもりなのかが凄く不安になりますが、とりあえず天界の個人部屋に移動することにしました。

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