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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第二章 戦乙女として
104/113

104.相談

能力の覚醒のことをテラ様に確認しに神界へ来ると、女神になるための訓練をしているロカがいました。

ロカは女神になる訓練が本格的になってからはほとんど神界にいるので久しく会っていません。

前にロカに会ったのはアティと一緒に食事をした時で、それ以来会っていませんでした。


「ロカ、久しぶりね」


『久しぶり、リーネ。私になんか用事あったけ?』


私がわざわざ神界にやって来て声をかけたから、ロカに用事があって神界まで来たと思ったようです。


「ちょっとテラ様に相談したいことがあったの」


テラ様に相談したいと言うとロカは不思議そうな顔をしました。


『テラ様に直接相談しないとダメなこと?一応私が聞いても大丈夫?』


そういえばロカは女神になるための訓練で能力を覚醒させているでしょうし、テラ様に聞く前にロカにも聞いてもらったほうがいいのかもしれません。

しかし、ロカは訓練であまり時間がないと言っていたのに私が相談しても大丈夫でしょうか?


「言えないわけじゃないけど、ロカは女神になるための訓練で忙しいでしょ?」


私がそう聞くと、ロカはなんでもないように言います。


『常に訓練ってわけじゃないから少しぐらい大丈夫よ、それで相談ってなに?』


ロカがそう言ってくれたのでひとまずロカに相談してみることにしました。


「えっと、今日、訓練場で魔法の集束の練習をしていたんだけど、その時・・・」


『ちょっと待って!』


私が説明し始めるとロカに話を止められました。


『なんでリーネが魔法の集束を練習してるわけ?』


(えっ?そこからなの?)


どうやら私が魔法の集束を練習していた理由から説明しないといけないようです。

仕方がないので、アティと一緒にテラ様のライトニングを見せてもらい、私にも出来るかなと思って練習し始めたことを説明しました。


私が魔法の集束の練習をし始めたことを説明するとロカは呆れたような表情になりました。


『しばらく会ってなかったけど、リーネはあいかわらずね。テラ様の魔法を見ても自分も出来るかなって普通は思わないよ』


ロカはそう言いますが、その普通が私にはわからなかったのです。


「だって、格好いいと思ってしまったのよ。そう思ったら練習するしかないでしょ?」


『いやいや、その考えがわからないんだけど?テラ様の魔法は凄いで終わらない?』


どうして『テラ様の魔法は凄い』で終わるのかがわかりません。

自分が出来ない凄いことを見たら、自分も出来るようになりたいって思うのが普通だと思うのですが、ロカはそう思わないようです。

もしかしたらロカは魔法が苦手だから自分も出来るって考えにならないのではないでしょうか?


「ロカは魔法が苦手だから自分も出来るかな?って思わないのよ。私は見た魔法は全て使えるようになりたいって思うわ」


私がそう言うと、ロカは少しだけ納得がいったようで肯定するように言います。


『そう言われればそうかも。私はリーネと違って魔法を見ても使えるようになりたいって思わないから、テラ様の魔法を見ても凄いとしか思わないのかもね』


私とロカでは魔法にたいする考え方が違うので、凄い魔法を見た時に思うことが違ったのです。

とにかく、私が魔法の集束を練習していた理由は納得してもらったので話を続けたいと思います。


「まあ、そんなわけで魔法の集束の練習をしていたら、訓練場にイニティニーニ様がやって来られて、能力の覚醒のことを教えてもらったのよ。イニティニーニ様の換算では今のペースで能力を覚醒させていくと数100年で神にならざるをえなくなるって言われたわ」


私がそう説明すると、ロカは少し考えてから言います。


『イニティニーニ様の換算だから数100年は最速でってことだろうけど、確かにリーネは能力を覚醒させていってしまう懸念はあるよ。ただ、能力の覚醒に関しては、テラ様はある程度は許容されてると思う』


イニティニーニ様に意図せずに能力を覚醒させてしまうと言われましたが、ロカも同じように考えていたとは思いませんでした。

能力の覚醒に関しては、テラ様もある程度は許容されているとロカは言ってくれますが、もしかして、私が意図せずに能力を覚醒させてしまうことは女神様達には予測出来ていたのかもしれません。


「私が能力を覚醒させてしまうことはある程度予測出来ていたの?」


ロカの言ったことが気になってそう聞くと、ロカは当然のように言います。


『最初はそうでもなかったけど、リーネってちょっとしたことにこだわるでしょ?その行動によって能力を覚醒させてしまう可能性があると私は思ってるよ。リーネは出来る、出来ないは考えずに、とりあえず納得するまでいろいろと試すからね』


女神様達がどうお考えかはわかりませんが、ロカは私の行動から能力を覚醒させてしまう可能性は高いと思っていたようです。


そんな感じでしばらくロカに相談していると、テラ様が私達のところにやって来られました。


『あら?リーネ、どうかしましたか?』


テラ様に声をかけていただいたので、能力の覚醒のことを聞いてみることにします。


「実は、能力の覚醒についてお聞きしたいのですが・・・」


そう切り出してイニティニーニ様やロカに聞いたことをテラ様に説明しました。


「・・・というわけで、能力の覚醒をどうすればいいかをテラ様に確認したいのです」


そうテラ様に相談すると、テラ様は制限されている能力のことから詳しく説明して下さります。


『そうですね、まず、リーネの能力を制限していることですが、これは私の眷属の範疇に留まることを前提に制限しています。これはリーネが後々、現世に降りた時に世界に悪影響を及ぼさないように制限していたのですが、今のリーネなら現世に降りても世界に悪影響を及ぼすようなことはしないと判断出来ますので、制限されている能力を覚醒させていっても問題は無いと考えています』


私はこの世界に来て、現世に降りる為にテラ様の眷属になったのですが、過剰な能力を持って現世に降りると世界に悪影響を及ぼす可能性があったから、私の能力は制限されていたということのようです。

しかし、私がテラ様の眷属として活動していることでテラ様の信頼を得られたから、私が制限されている能力を覚醒させても問題は無いとテラ様は判断して下さっているようです。


とりあえず私が制限されている能力を覚醒させてしまっても問題は無いということはわかりましたが、能力を覚醒させていくと神にならざるをえなくなることはどうなのでしょう?


「テラ様、私が制限されている能力を覚醒させても問題が無いことはわかりましたが、能力を覚醒させていくと私は神にならないといけないのですか?」


正直なところ、どれだけ能力を覚醒させても私が神になるイメージは全く出来ません。

私が神になってなにをするのかも想像出来ませんし、神になる必要がないように能力を覚醒させないように気をつける必要があるのかもしれません。


『イニティニーニの換算で数100年ですよね。リーネは後数10年で1度現世に降りることが決まっていますし、数100年ほど現世で過ごすことを考えると、リーネがどれだけ能力を覚醒させても神になってもらおうとは今のところ考えていないですね』


「えっ?私は数100年も現世で過ごすのですか?」


てっきり1度の人生分の期間を現世で過ごすのだと思っていたので、テラ様から数100年ほど現世で過ごすと聞かされておもわず聞き返してしまいました。


私がそう聞き返すと、テラ様とロカが呆れたような表情になりました。


『はあ、リーネ、自分のことをもう少し理解したほうがいいんじゃない?』


ロカが呆れながらそう言いますが、呆れられた理由がわかりません。

もう少し自分のことを理解したほうがいいと言われても、私の理解が足りないことが思いつきません。


ロカにそう言われて私が思案していると、テラ様が理由を教えて下さります。


『ダークエルフの寿命は長い者で1000年ほど生きます。そのダークエルフであるリーネは、普通に転生していれば数100年の人生になるので、現世に降りて過ごす期間は数100年になるのですよ』


テラ様にそう言われて気づきましたが、確かにダークエルフの寿命は一般的に数100年あります。

そんなダークエルフの私が1度の人生分の期間を現世で過ごすことになれば、私が現世で過ごす期間は必然的に数100年になるということです。


自分がダークエルフであることはしっかり意識しているつもりでしたが、私が現世に降りるのはまだ数10年先という認識なので、寿命のことや現世で過ごす期間は全然考えていませんでした。


それにしても、テラ様は私が現世で過ごしている間はどれだけ能力を覚醒させても神にするつもりはないとのことですが、本当に能力を覚醒させていっても大丈夫なのでしょうか?


現世に降りてしまえば、私がテラ様の眷属であることを知っている者は周りに居なくなりますし、能力を覚醒させてしまっても相談する相手も居ないのです。

覚醒させた能力によっては私1人でどうこう出来ない能力もありそうですし、いざという時に相談する相手が居ないのは不安が残ります。


「テラ様、私が現世で過ごす間は出来るだけ能力を覚醒させないようにしたほうがいいのではないでしょうか?自分で言うのもなんですが、どんな能力を覚醒させてしまうかもわかりませんし、いざという時に誰にも相談出来ないのは不安です」


私がそう質問するとテラ様はキョトンとされましたが、あらためて私の質問に答えて下さります。


『リーネはなにか勘違いをしているようですが、現世で過ごすようになっても天界や神界に来てはいけないわけではないのです。確かにリーネは現世で過ごしてもらうことになりますが、リーネが私の眷属であることは変わらないのですから、困った時は私達に相談してくれたらいいのですよ』


テラ様が言われたとおりで、私は現世で過ごすようになったら天界や神界には来れないと思っていたのですが、そんなことはなかったようです。

それなら現世で過ごす間に能力を覚醒させないように気をつける必要はないのかもしれません。


まあ、能力を覚醒させないように気をつけるといっても、思いついたことをすぐに実行しないようにするぐらいしか出来ませんが。


とにかく、今のところは能力を覚醒させてしまっても特別気にする必要はないということです。

これからどんな能力を覚醒させてしまうかはわかりませんが、特殊な能力を覚醒させて、能力の扱いに困ったとしてもテラ様に相談出来るのですから、現世に降りても今までと変わらずに過ごしていけばいいのでしょう。


「テラ様、ありがとうございます。私は今までとおりに現世で過ごしていけばいいとわかりました」


『リーネは私の眷属なのですから、いつでも相談しに来てもいいのです。ロカもそうですが、2人とも私に迷惑をかけまいとしてあまり相談してくれないし、私は少し寂しいのですよ』


テラ様は笑顔でそう言って下さりますが、そうそう相談なんて出来ないと思いますし、テラ様の話を聞いたロカも苦笑いしています。


とにかく能力の覚醒に関してはなにも気にする必要はないということで、私は今までとおりに過ごせることがわかってホッとしました。

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