表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

その8 至高の調味料

それがマヨネーズ

 二年三組担任・佐島幸雄(さじまゆきお)。五時限目が始まり教室に入ったところで、まだランチタイムの片付け中だった生徒たちを見てピンときて、ホワイトボードに残された文字を見て呵々大笑した。


 「で、結論は?」

 「出ませんでした」

 「それは残念だったな」


 「消化不良っすー」「肉系は基本合うよね」「魚もでしょ」「米、麦、トウモロコシ。主食系も合うよね」「漬物は意外だったな」「攻めるならデザート系?」「ドーナツは?」「あんこ系は?」



 相当に消化不良だったのだろう、すでに授業が始まったというのに、生徒たちは熱く議論を続けている。これはもう授業に身が入らないか、と佐島は肩をすくめた。


 「佐島先生はマヨネーズお好きですか?」


 お料理大好き・平山が、担任・佐島に尋ねた。


 「マヨネーズお好きですか、ねぇ」


 生徒の問いに、担任・佐島は不敵な笑みを浮かべる。


 「文学部史学科に籍を置き、各国の料理史を研究したこの私に、その質問をするか?」


 え、なに、どゆこと? と生徒がざわめく中、佐島は振り返ってペンを取り、ホワイトボードにかつてない熱意を込めて大書した。


 『至高の調味料・マヨネーズの誕生と世界への伝播について』


 「小童どもよく見やがれ! これが私の卒論のタイトルだ!」


 おおおっ、と生徒がどよめく中、佐島は腕組みをしてふんぞり返った。


 「この佐島幸雄、マヨネーズにかける情熱は誰にも負けん! よーしいいだろう、今日の授業は特別講義だ、マヨネーズのなんたるかをたっぷりと語って聞かせてやろう!」


 「「「イェーッ!」」」


 「いい返事だ! 真のマヨラーのなんたるか、その真髄を見せてやる! お前ら、最後までついてこい!」


 こうして、佐島幸雄の熱血授業が幕を開け、この世に新たなマヨラー二十八名を生み出すことになるのだが、それはまた別の物語である。


これにて一件落着……ですよね?


<参考文献>

『マヨネーズ大全』カベルナリア吉田著/株式会社データハウス

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 先生……(*´Д`) にしても作者様は試食の組み合わせを全部試されたのだろうか……そこが非常に気になるw 皆さん食べ物系で合わせてましたけど、調味料とのタッグもマヨは優秀ですよ? ケ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ