プロローグ
初投稿です。定期投稿ではなく気ままに趣味程度に投稿していくつもりです。
文章おかしいところや設定がおかしいところ多量にあると思います。指摘して頂けると幸いです。
割と設定は王道な作品で新鮮味も文章的な面白みも欠けているとは思いますが頑張りますのでどうか温かく見守って下さいませ。
昏い夜の街はいつ見てもゾッとするほど美しい。特に今日はセイエルの月最後の日。今年一年の仕事納めの多い日である。休暇というものを自由に取れる冒険者でさえ、今日で仕事を納めるものが多い。
辺りは凍えるほど寒いにも関わらず、厚着をして夜の街を闊歩するものが多く、街を彩る煌びやかな装飾はそれらを歓迎しいっそう世界を賑わせる。飲み屋街はどこも灯りがつき喧騒が止まることは無い。
今日はそういう日なのだ。
そのような日にそれらを一望できる高台から見下ろす俺の心は荒むに決まっている。では何故俺はあそこに居ないのか。決まっている仕事だ。
今日もしっかり依頼人から仕事が入ったのだ。まあ普段から休暇が多い仕事ではあるが、それでも今日くらいは世界の動きと共にしたいものである。
はぁと白い息を吐きながら心の中で愚痴を零していると、喧騒のない巨大な建物から肥え太りした一人の男がいかにも強そうな屈強な男と顔まで隠した如何にも魔術師ですよとアピールしてる格好をした体格的におそらく男であろう者を従えて出てくるのが見えた。
やっと出てきたかというのが俺の心情。こんな心が寂しく体が冷える日に小一時間も一人で外に居させないで欲しい。孤独死するぞと毒づきながらも捕捉した三名を決して見逃さない。
その目は獲物を見つけた鷹そのもの。俺は相棒を構え仕事の瞬間を待つ。
三人組は飲み屋街に向かわず、また家族で楽しんでいるのか未だ灯りの耐えない住宅街にも向かわず森の方へ向かう。それもまた計画通り。ローブの男が防音結界に迷彩結界を張り、森の中に入っても俺の"目"からは逃れられない。
しばらくすると三人組はある木の前で止まった。そして、肥え太りした男がローブを被った者にやれと命じた。それに従い、ローブの男が辺りを警戒しながら
「開錠せよ。隠蔽されし扉よ。」
と静かに唱える。すると木が割れ、異空間への扉が開いた。三人組は中へと入っていく。
「なるほど。あんな所にやつらの根城があったのか。」
そりゃ仲間達が捜索しても簡単には見つからないわけである。まずあのローブの男の隠蔽術が高度なため、いつも巻かれてしまうし、仕掛けても屈強なあの男の戦闘力に殺られてしまう。
だからこそ俺ともう一人にこの仕事が回ってきたわけであり、失敗するわけにいかない。
異空間への扉は閉められ今やただの木があるだけであるが、全く心配はない。一人の影がその木に近づく。その影もまた頭からすっぽりとローブを被り、顔は全く見えない。まあ知ってる俺からすればあんなに静かに仕事をしているのが不思議なほど普段は喧しい女であるが。
その影が木に近づき剣を片手に持ち、そして木に斬りつける。その瞬間、目の前の異空間が開き、そのまま空間がずれて爆ぜた。
【次元斬】・・・俺の仲間の女の代表的な技であり、斬りつけた空間そのものを斬る。空間そのものを斬るため、障害物などもどんなに固くともその座標にあるもの全てが斬れる。もちろん異空間も。
そして、今回はそれの派生技【次元破斬】を使用し、空間の切断と共に爆発を起こした。
異空間が切断、爆発し、中のものはほぼ死んだであろうと思ったその刹那、空間の隙間から膨大な魔力が溢れ、炎となって影の女を襲う。
女はすぐさま回避し、距離を取る。すると、空間の隙間から先程の三人組と新顔の男が五人這い出てきた。全員何かしらの怪我を負っており、鬼の形相で女を睨みつけている。ローブのボディガードはローブが焼けて下から可愛らしい顔が覗いている。女だったのか。体格は魔法で偽装していたようだ。優秀な魔術師である証拠である。
「くそったれがーーー!!!俺の仲間達が、仲間達が!殺してやるこのクソ野郎!」
肥太った男が目が充血し怒りに震えた顔で絶叫する。
その瞬間、俺は相棒である狙撃魔銃【アインセリアム】通称アインの引き金を引いた。
銃弾は放たれた瞬間、間にある空間全てを飛び越え銃弾が八つに分かれて異空間から出てきた者全ての眉間を貫通しようとする。
【重複魔弾】・・・空間の重複を利用した同時狙撃魔術。異空間を創造するとそこに現実の空間と異空間の二つの空間が生成されるように空間とは同じ座標に重複する。それを利用し、ひとつの空間を複数の空間の重複(もはやコピーと言ってもよい)によって成り立つものだと創造し、一つ一つの空間を他の空間と入れ替える。今回の場合、撃った銃弾を八つの銃弾の重複と見做し空間を創造し、それぞれの空間を八人の眉間の目の前の空間と入れ替えることで結果として銃弾が放たれた瞬間、空間を飛び越え、八人の眉間に突然銃弾が現れたのである。
重複魔弾は八人全てを襲ったが、直撃し死亡したのは六名。ボディガードをしていた二人組は華麗に逃れてみせた。屈強な男は顔を逸らして、ローブの女は元々張っていたであろう防護壁を強化して。
全員殺れなかったことに舌打ちしながらも次弾を装填し、放つ。その間に敵のふたりは俺を捕捉し、次の攻撃への備えをする。
そのとき二人の頭から抜け落ちていたのだ。敵はもうひとりいることを。
俺の二発目の重複魔弾をそれぞれ防御した瞬間、屈強な男の体が影の女の斬撃を受けてずれ、上半身が落ちた。
ローブの女は地面にへたり込み、影の女に懇願する。
「あんたたちなんなのよ!何故私たちを狙うの!お願い私の命は許して!」
「ごめんなさい。依頼は殲滅。例外はないの。」
次の瞬間、影の女はローブの女の首を断ち切った。
辺りは街の飲み屋街とは全く対照的な静かな世界が広がった。
俺は依頼の達成を確認すると煙草を一本取り出す。寒い夜に吸う煙草は極上である。
俺ーアラン・ウェイズリー ーは殺し屋。裏の世界に生き、表の光を絶対に浴びない者。相棒アインセリアムと共にこれからも依頼をこなす。