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占い
「門を閉めるぞ。早く入れ」
城門の上から呼び声がする。
男は一気に城門を駆け抜けて行く。
夕方の街中を馬から降り歩く。
「お前さん」男を呼び止める声がした。
「こちらにお出で。占ってあげよう」
あごひげを伸ばした老人の占い師だった。
男は占い師の前に座った。
「名は何と言います?」
「龍です」
「フム。結構大変な人生ですな。だが運勢は悪くない」老人は言った。
「そうですか」
「お守りを差し上げよう」
老人は龍に札を渡した。
龍は札を受け取り礼を言って去った。
しばらく歩くと酒店があったので入った。
店内には客がまばらにいた。
龍は席に着くと酒と料理を注文した。