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亡霊はライブハウスへ帰る



《亡霊はライブハウスへ帰る》



振り返り

眼前の避けようもない刃に

息を詰める


俺は頭がおかしいから

毎晩殺される夢をみるんだ

脳味噌の膿んだ部分に住むクズに

何千回も刺されて絞められて轢かれて

いつも目覚めるまで殺し合う

もしも負けたら俺は―――



いつかアイツが俺の顔をして

やりたかった事も

好きだったモノも

大事だった記憶も

みんな踏み壊して嗤うだろう

裏切られた人達が俺を憎むのも

全部置いて俺は逝くんだな



死にたくなくて震え泣く俺に

「助けてやる」と言ったのは

あんた1人だった

顔も名前も俺のこと知らない

ステージの上のあんただけだった


あんたは俺を救えない

あんたはそれを知っている

俺もそれを理解している

それでも「助けてやる」と言ったんだ

それでも本気で誰かの為に

あんたは毎日歌うんだ


偽善だって言う奴もいるけどさ

あんたが優しくて

俺は嬉しかったよ


誰にも話せない戦いを続けて

散々悩んで泣いたとして

ライブハウスからずっと遠くで

人知れずスッと死んだとして



もしも暗がりで唸る声がしたら

未練に駆られて化けて出た俺に

教えてやってくれ

あんたのライブの楽しさを





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