卒業
すいません。ちょっと題名間違えてしまったのでもう一回投稿させていただきます。
始めたばっかりでよくわからないので、暖かい目で見守ってくれるとありがたいです!
-貴方が今、夢中になっているものを大切にしなさいそれは貴方にとって真に求めているものだからー
俺は小さい頃に聞いた、この言葉を忘れることが出来ないでいる。小さい頃から何事にも夢中になれなかったせいなのだろうか。これが心に残って...いや、刻みつけられている。
とにかく、何をするにしてもこの言葉が頭にちらつくのだ。
今、やっていることは自分が夢中になっているのだろうか?と
しかし何をしても続かない俺から言えばそんなことは考えるまでもないのだが。
ちょっと待て。『続かない』には少し語弊があるな。きちんと説明しよう。俺は『続けられない』のだ。
そう、俺には『才能』というものが無い。
つまり、何もかもが平凡、劇で言うなら脇役、引き立て役だ。主人公を照らす光の影となる俺が何に夢中になるというのだろうか?
村人Aとして、主人公と一言二言話すだけで役目は、終わりなのでは無いだろうか?いや、Aにもなれないのではないか?話せたら奇跡に等しい。そんなカーストに俺はいる。
それなら、主人公に近づけるように足掻けばいいじゃないか?無理に決まっている。断言しよう。俺には無理だ。主人公に近づけるのは結局、才能のある奴だけだ。
努力は才能を超える。なんてのは絵空事なのでははないだろうか?確かに努力すれば超える可能性もある。
しかし、俺にはそんな可能性さえも無い。付け足して言えば、努力する理由も無い。そんな俺に【夢中】なんてものを見つけるのは、無理だと断言する。
つまり、俺にはまだ一生大切にしたいものが無い。
『まだ』というのはこれからの人生そういうものに出会えるかもしれないという、俺の足掻きだと思って欲しい。
結局俺が言いたいのは、主人公に近づけなくてもいい。ありのままの俺を好いてくれる人。そう、大切に思える人に出会いたいと言う事だ。
「おい、なんだこの作文は?一応中学の卒業論文に載せるんだぞ」
呆れたように、先生が俺を睨んできた。
そんな事はないのかもしれないが
かなり迫力がある先生だからなのかそう思ってしまった。
少しの間立っていると、職員室だからなのか、それとも心配をしているからなのか、他の先生からの目線を感じた。
しかし、夜遅くまで起きていたせいか欠伸を噛み殺していた。
勉強をしていたんだ仕方ない諦めてくれ先生これが俺だ。
「なんだと言われましても、先生が言ったありのままに書けと言ったから、俺もありのままに書こうと思いまして。」
淡々と喋ると、先生は眉間に皺をよせて、少し疑うようにして聞いてきた。
「これが、お前のありのままなのか?」
「はい」
もちろん即答だ。これが俺なのだから、疑う余地もない。
「にしても、この作文は...なんというか...あれだな
見方によって可哀想とも言えるし、面白いとも言える。これがありのままの自分だと言うのなら、君はとてもロマンチックな事を考えるんだな。」
ロマンチック?ありえない。俺はただ自分の意見を突き通す為だけに書いた、ただの自己満足だというのに
なぜ、こんな事を言うのだろうか?
すると先生は俺が悩んでいる事を見抜いたのか、理由を話し始めた。
「この作文を読んで先生は、ロマンチックだと考えた
それを聞いて君は、何故ロマンチックなのだろうかと疑問に思った」
俺は頷く
「理由はな、この最後の文の大切な人に会いたい、というところなんだ。ありきたりだろう?」
確かにありきたりだろう。しかしそれだけではロマンチックなんていわない。俺は少しの考えて言った。
「この文のどこがロマンチックだと言うのですか?」
先生は、少し困ったように言った
「俺の考え過ぎなのかもしれないが、この文にお前の本当の想いが込めてあるような気がして...な。
家庭環境がそうしているのかもしれないが...」
先生が少し笑って言いきった後、俺は少し固まってしまった。驚いた。先生がこんな事をを考えていたなんて、確かに俺には、両親と言う本来あるべき人達がいない。いや実際にはいるのだが、母親と父親は、俺が4歳の頃に交通事故で亡くなった。しかも二人揃って同じ場所で、幼稚園にいた俺は、先生の真っ青な顔を見て事の重大さを感じた。
両親がいなくなってしまった俺は、葬式中泣き叫び、終わった後も少し落ち着いていたが、やはり泣いていた。葬式が終わると次の問題が待っており、当然俺の引き取り先の問題になる。当然親戚達は、子供がもう既におり、もういっぱいいっぱいだった。
引き取り先は福祉センターにしようかと話が決まりそうになった頃、
父親の叔父が、引き取りますと言ってくれたらしい。
子供も既にいるはずなのにだ。正直嬉しかった。小さい頃の俺にはわからなかったが、今思うと本当にありがたいと思う。しかし、叔父の子供。俺の兄にあたる人が俺の事を嫌っている。叔父の夫婦もそうだ俺と一定の距離を保っている。だから、俺は早く大切な人にを作りたいのだ。それを...俺の想いを見抜いてくれたのは先生だけだった。すると俺の口から言葉が溢れてきた。
「先生、俺...こんなこと言うの初めてなんですが
先生に会えて...よかっ..た..です..」
自然と溢れ出した涙にビックリしながらも先生に言った。
俺の涙にギョッとしながらも先生は、
「そうか...お前も苦労してるんだな...俺にはお前の悲しみがわからないが、聞く事は出来るからいつでも相談しに来い!」
笑いながら、俺の背中を叩いた。
気のせいかもしれないが心の靄が消えたような気がした。
そうして俺は中学を卒業した
ここまで読んでくださってありがとうございます!
感想やアドバイスどんどん受け付けておりますのでよろしくお願いします。亀更新なので許してくれると嬉しいです。
そういえば皆さんはラブラ◯ブサンシ◯イン見てますか?
作者は今の所、曜ちゃん推しです。
皆さんは誰推しですか?