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第七話 魔法使いになった俺は念願の魔法学校の生活を満喫した!①

 元の世界に帰るために戦争に参加したが相手国のヘクトール王国の異世界への扉

も使えなった事が分かり他の帰る方法を探す事になった俺。

 でもその前にせっかく異世界に来たのだから満喫!しかも魔法学校を満喫!

しまくらなくては勿体ないじゃないか?

 でも遊んでいて帰れるのか俺?


今回も疲れた。本当に疲れた。ベッドにダイブした後アザラシの如くごろりと

横になって動かない程だ。サーシャはカッコ悪いと言うがもう動けません。

女の子の姿をしているからまだ様になっているが俺が男の時の姿ならまさに

アザラシかトドである。


何故こうなったのか?

今回の一騎打ちで本来ならイヴァイタ連合がヘクトール王国に侵攻するはずだった

のをあんな戦いを見せられてヘクトール王国がヘタレて負けを認めてしまったため

今回の戦争はイヴァイタ連合の勝利で決まってしまったからだ。

それからの勝利のパレード、各国に回って祝賀会など分刻みのスケジュールで

動いていて一騎打ちの時の何倍も疲れた。

確実にクマが目の下に出ていただろうがそれでもパレードでは笑顔で手を振り続け

ていたしな。

子供の純真無垢な刺すような渇望の眼差しで見られたら手を振らずにはいられ

なかった。


そんな状態でも気になったのは各国の王や代表者の腫物を触るような変にかしこ

まった態度や怖がり様である。

どこの国か忘れたがあまりの疲労に立ちながら寝そうになって手に持っていた杖を

離しかけてすぐに握り直し、バツが悪いので杖で軽く床叩くと周りに居たお偉い

さんが皆ガードするようなポーズや中には魔法まで発動する人が出てそこの一番

偉い人が

「お許しください!どうかお慈悲を!悪いのは私だけです。他の者には

お慈悲を!」

とか言い出す理解不能な事がおきたな。

そう言えば自分が所属しているはずのレーゲン王国に勝利報告に行った時も

皆腰が引けてた。

レーゲン王自ら報酬について説明があった時に学園長の『それだけか?』の一言に

そこに居た人たち全員が引きつり、王様の声が上ずりまくって『望みどうりに与

える』と言うと気絶する珍事がおきた。

寝る事が許されたこの時間だからこそ気が付いたが訪問した先はほとんど俺に

暗殺者を送り付けて来た国なんだよな。

皆が皆俺に暗殺者を送ってその暗殺者が依頼主を話したのだから何時仕返しを

されるか気が気ではないのだろうと後から分かった。

では分かった今復讐するか?疲れた頭でもそれは否定する。

前に学園長が言った『最大の取引材料になる』と言う各国への脅しとしての価値が

あるのだから手を出す必要が無いのだ。

その言葉に便乗して何もしない、考えるのも億劫になったので寝る。


・・・また夢を見ているようだ。これは何度目かの異世界旅行をした時に歩いて

いた汚い牢獄の中を通る道だ。確かこの先に天使が捕らえられていたんだが

・・・居た。


「呪われし者達よ、汚れた心の持ち主よ、我は貴様らに屈したりはせぬからな!

如何程の責めにあっても神を愚弄する者達に我は屈せぬぞ!」


顔はかなりイケメンで細いが筋肉が付いていて大きな翼が背中についていたが

しかし体中に傷があり鎖で縛られた痛々しい格好で俺に罵詈雑言を吐いてきた。

あの時と全く同じだ。俺はあの時と同じ怒りを感じた。正義感が強いだけで何も

考えず俺は助ける事にした。

まず牢屋の前の机に置いてある鍵で牢屋の鉄格子を開けて中に入り、天使を縛り

付けていた鎖の鍵を外し天使を解放した。それから前と同じに


「俺はただの旅行者だから貴方に危害を加えるつもりは無いから。助けたから

と言う分けじゃないけど近くに景色の良い所とないか教えてくれる?」


照れ隠しに場違いな質問をしてみる。普通なら有り得ない会話だろう。

だけど異世界に旅が出来る俺からしたら現地の生物の事などどうでも良く、

観光がしたかったのもあったからな。


「我を助けると言うのか?あの忌々しい邪悪な者達を敵に回すと言うのに?」


「そんな事は何とでもなるからどうでもいいさ。でこの辺に景色の良い所は

無いの?」


「我を逃がせばお前は捕らえられ体が朽ちるまで拷問を受け、死ねば地獄で

更なる責めを受けるのだぞ?」


「だから何とでもなるから気にするな。景色が見れないなら変わった道具や

絵画とかでもいいんだけどないの?」


「おおっ我が身を顧みぬ慈愛!美しき献身の心よ!神さえも我を見捨てたもう中

汝は我を助けるか!素晴らしい!素晴らしい!我は汝を称えよう。何時まで

も称えようそして何時か我に守る程の力がついたなら汝を助けにこよう!」


「うーん話が噛み合わないな。分かったよ、自分で見て回るから。逃げるのなら

自分で逃げてね。じゃあなバイバイ。」


「ありがとう!ありがとう!何度礼を言ってもこの感謝の心は表しきれぬ。

それでもありがとう!無欲なる献身の聖者よこの礼は必ず・・・」


あの時と全く同じだ。早く逃げればいいのにずっと礼を言い続けていたな。

しかしこれが途轍もなく続きウザいレベルで辟易した。

俺はこの後捕まると拷問と聞いてすぐに異世界転移の魔法で逃げたんだったな。

最後に喋り続ける天使を見てから。・・・!?

天使が居ない!あの時と違うぞ。そう思った時に急に強い風が吹いたと思ったら

煌めく羽が風に乗って宙に舞い散った。


・・・何だったのだろう?そう考えていると何時もの見慣れた居酒屋兼食堂の

前に立っていた。条件反射的に中に入る。


「あれきーさんいらっしゃい。このところ来ないから暇だったよ。」


足を組んで椅子に座ってテレビを見ていた大将が驚きながら出迎えてくれた。

取り合えずチャーハンと餃子、それにビールを頼む。

何度も飲もうとして飲めなかったビール、渡されるとすぐにコップに注いで

邪魔される前に急いで飲む。

か~っ久々に飲んだビール、夢の中なのに冷えていて味が濃くて喉越しの

良さも感じる。


「大将、やっぱりビールは最高だね!しかも久々に飲んだせいか凄く美味く

感じるよ。」


「ビールは何時もと同じ物を出しているけど、こちらの世界ではきーさん子供

だから酒が飲めなかったんだよね。存分に味わっていってよ。」


言われなくてもグビグビビールを飲み醤油の付いた餃子を食べて味覚を

リセットしまたビールを飲む。それからチャーハンを少しずつ食べる。

久々にこの食べ方をした。


「久々で思い出したけどこちらに来てからもう40日位経っているんだよな。

会社も心配だけどそれ以前に帰ってみたら住んでるアパートどころか町が

無くなっていたとか大丈夫かな?」


「それは大丈夫だよ。元居た世界はこちらの世界の3倍時間の流れが速い

みたいだね。それともこちらの世界が3倍遅いのか。

どちらにしろまだ13日位しか経っていないし、会社の方もあの方・・・

D様が何とかしてくれるみたいだよ。」


D!やはり何者なんだ?地獄に落ちそうな者を救ったり、現実世界に干渉したり

・・・こんな事が出来るのは神様位しか思いつかない。

会って正体を聞きたいものだ。


「こちらで食事をしていると聞いて会いに来たよ。元気でやっているか?」


ブーッいきなり上からあのぬいぐるみみたいのが降りて来て話し出したが

D本人だこれ!


「汚いなきーさん、驚いたからと言ってビールを噴き出すのはないだろう?

まあ予測していたから避けれたが。」


丸い体に小さい手と足それから翼とシッポがついた動きづらそうな格好なのに

華麗にターンしながら避けやがった!


「私は忙しい中やって来たので手短に話そう。イヴァイタ連合にある異世界へ

の扉とヘクトール王国の異世界への扉、どちらも半分ほど部品を盗まれた上で

完全に破壊されていた。まるで盗んだ部品で一つ分の異世界への扉が作れる

ように部品を取ってから破壊した様だったと報告を受けている。

私の見解としては何者かがきーさんを元の世界に帰れなくした上で異世界へ

の扉を使って交渉を持ちかけてくると思っている。

ん?少し待っていてくれ。」


いきなり電子音がしたと思ったら腹から某ネコ型ロボットみたいにスマホを

取り出し話し出す。『はいその件につきましては滞りなく進んでいます。』とか

『予算と人員が不足しています。』とか話している。・・・神様じゃなく中間

管理職的な話をしているぞ!しかもスマホで連絡が来る所とかアゴで使われて

いる感じさえする。話し終わったDにすぐに確かめる。


「Dって神様じゃないの?何か今の話の内容だと中間管理職みたいだけど

もしかして・・・ハイレベルの天使とか?」


先程夢に天使が出たがまさかDが天使か聞いてしまった。


「その事はついては時間のある時にゆっくり食事でもしながら話すと言った

だろ?私は忙しいのだ。その合間を縫ってきーさんを帰す情報を集めているのだ。

あまりせかさないでくれ給え。

こちらの世界の現地時間で後20日できさーんが36歳の誕生日を迎えるから

それまでには帰れるようにしよう。以上だ。」


言うだけ言うとフワフワと飛んで上に光る空間に消えていくD。

ちょっと待て、神様なら他に方法あるだろ?って言うか勿体ぶらずに正体を明か

せよと近寄ろうとすると大将が足を掴んでグイグイ引っ張る。


「あの方に失礼だよきーさん!」


「だからDって何者なの?」


「あの方は・・・」



「おいっ起きろよ!何であたいがお前を起さなきゃなんねーんだよ!」


目の前にテティアが立っている。大将からあと少しでDの正体が聞けたところで

夢から覚めてしまった。

しかし何で目の前に俺の足を掴んで揺さぶるテティアが居るんだ?

そうだった!ヘクトール王国に居ると謀反の罪で捕らえられるかもしれないと

言って無理やりトーディ魔法学園に編入されたのだ。

やったのはあの髭で亜人は亜人自治区の魔法学校に行かなければいけない

仕来たりを破って入学させたんだ。

もちろんテティアの身を案じてとかではなく高い魔力とエルフとの交渉材料と

言うか人質として学園に入れているのだ。


「おいっパンツ見えてんぞ。早く起きろよ。」


俺のパンツは俺だけが見て良いんだ!と叫びそうになるのをこらえてスカートを

引っ張って隠す。


「おっ?パンツ見られて恥ずかしいのか?聞いたぜ、お前本当はオッサンなん

だってな?オッサンでもパンツ見られて恥ずかしいのか?プーッウケルー!」


誰が話したのか?いや今は犯人捜しをしている場合では無い。この糞ガキに

お仕置きをしなければ・・・そうかそんな機能も有るのか。

腹を抱えて笑うテティアの首輪に手を触れ


「新機能を実装せよ。」


[分かりました・・・新機能を搭載しました。『絞まれ』の命令で首輪の中の

ワイヤーが少しづつ首を絞めます。言い続ければ絞まり続け命令を止めれば

絞まるのを止めます。]


「何やってんだよオッサン、殺意は無いから首は切れないぜ?馬鹿にするのは

問題無いんだな。この間抜け野郎が!やーい間抜けなオッサン。」


良い根性だ。早速実行してみる。


「絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ」


「なっ何なんだこれ!首が・・・首が絞まる!」


「口の軽い悪い子にはお仕置きが必要だな。絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ」


「おいこの野郎!こんな事してタダじゃすまね・・・くっ苦しい。」


「絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ」


「分かったあたいが悪かったから止めてくれ!」


「謝り方が悪い、もう一回、絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ絞まれ」


「何だと!・・・ごっごめんなさい。」


「ちゃんと言えるじゃないか駄犬。」


「だっ誰が駄犬だ!誇り高い人狼族を犬呼ばわりとは頭にきたぜ!

てめーの首位あたいの爪で掻き切ってやるわ!」


襲い掛かって来たテティアに首を指で叩く仕草を見せる。そのジェスチャーを

見てすぐに理解したのかテティアが動きを止めた。


「卑怯だぞてめー!」


「勝負が決まった後に相手の首を切ろうとした人に言われたくないな。

自分の立ち位置を教えてあげなければいけないか、年長者と言うか

大人として。

じゃあ取り合えずお手!」


「言っとくがこれ以上は言う事は聞かねえぜ。首を絞めたければ絞めれば良いさ。

あたいは死んでも従わねえからな!」


うーんこれは困った。・・・と考えたらすぐにテティアの首輪に新機能を搭載した

と知らせが来る。俺の魔法相変わらず有能過ぎる!

では使ってみよう。


「テティアお手。」


「誰がやるっギャーッ!」


テティアの首輪から生えて来たスタンガンがテティアを痺れさせる。他にも加熱

された鉄や鞭、怪しい形の物がぞろぞろ生えてくる。


「もう一度お手。」


「この程度で誰がギャーッヒーッグワワワッ助けギャーッ!」


この後躾と言いながらどう見ても拷問をする事になった。

結果


「お手。」


テティアは手を乗せるともう片方の手で手を包むように掴み、頬ずりをしてくる。


「あたいはやっと分かりました。キキ様に仕えるために生まれて来たのだと。

身も心も捧げます。だからもっと悪いあたいをいじめてください!」


やり過ぎてしまった。

高魔力所持者は変な性癖を持つと言うがテティアはまだ子供で性的に無知だった

のを俺が無理やり開花させてしまったようだ。

ゴロゴロ言いながら俺の腕に顔を擦り付けるテティア。

もう1分も経たずに妖精の御勤め時間なのに途方に暮れて時計を見続けた。



第7話目は分割して書く事にしました。

分割する事で読みやすくなる、短期間に次の投稿をする事で読む人と自分自身の

読む気と書く気が良くなると考えて短くまとめる事にしました。

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