第九話 魔法使いになった俺は神様になった?②
35歳を童貞で過ごしたせいで魔法が使えるようになった俺は異世界旅行に出かけるが
戻る事が出来なくなりその上少女の姿になってしまった。
元の世界に戻るために戦争や一騎打ちまでやったが効果が無く、ただ遊んで暮らしていると
今度は皇女として連れて行かれて俺がアディアーレ姫の偽の人格であると言われて消去の
危機にあう。
しかしそれも魔王が押し掛けてきたせいで上手く片付けられたが、今度はDと魔王が手を組んで
世界を勝手に動かそうとして問題が起こるが、その問題を異世界から来た魔王が更に混沌に
拍車をかける。
そこに助けに現れたのは俺が以前異世界旅行に行った時に助けた天使だった!
助かるのか俺は?
俺は俺に向かって土下座に近い姿勢でいる天使に質問する。
「確認するけどお前は俺が助けた天使だよな?」
「はいっあの時名前をみだりに呼べぬほど高貴な貴方様にに助けて頂いた者です。
あの後天界に戻って貴方様の守護天使の任に就かせてもらおうとしたのですが私は
死んだものと思われ登録抹消された後でした。
天使は神からの神力補給を受けないと滅びてしまいます。
そこで私は魔力補給に魔物や悪魔、それに私の主だった神以外の神を食らい力を付けた
のです。」
そこまで聞いてそれは大変だったねと思ったていたら頭上の方から変な悲鳴が
聞こえるから見ているとDと魔王が抱き合って震えている!
何を恐れているかは知らないが悪魔顔の天使と魔王が抱き合ってしかも恐怖の表情が
天才画家でも再現不可能と思われる程怖いと言う笑えない姿であった。
とりあえず何を恐れているのかを聞いてみる。
「きーさんも少しは知っていると思うが神は人の信仰心を悪魔は人の負の感情を食べて
神力や魔力にしているのだ。そこまでは知っていると思うがその持ち主を食らうと言う
事はその者の魔力が大きいほど食べた者に干渉するようになるのだ。分かりずらいと
思うので簡単に言えば意識が侵食される事だ。自らの意識が確認できるのにその意識は
以前とは違ったものになっている事、さらに簡単に言えば趣味や話し方が意識せずに
変わっているなどが分かりやすいか。
そして魔力が自らを上回る者を食らうとなると意識を乗っ取られる可能性がかなり高く
なる。それなのにそこに居る者は元の魔力の何倍いや何十倍や何百倍の魔力を手に入れ
ても意識を乗っ取られる分けでもなく精神が崩壊するわけでもない。
分かるかきーさん、この者は元から精神を病んでいたのだ。だから常識では有り得ない
魔力の保持に耐えられるのだ!」
Dがまた長い解説をするので要約すると魔力の高い者を吸収するとその者と意識が混ざる
と言いたいわけだろ?で、それに耐えられるのは元から壊れているから壊れようが無いと
言いたいらしい。
「俺は手短に話すがあいつの分霊まあ分身だな、を少なく見積もって100万を造り出す
のは不可能だっての。俺自身は3人に分霊しただけでイレギュラーが出るからその度に
間引いて分霊し続けたがあの数は無理だわ。神でも100体を超えるとイレギュラーが
出やすくなるのにあの数はヤバイってか有り得ねーわ。」
成程、それがDと魔王を恐れさせた事なのか。それでもピンと来ないね。何故なら
Dと魔王が抱き合っている姿の方がビジュアル的に恐ろしいからな!
「分かっていただけたでしょうか?孤高におわす貴方様に対する私の忠誠心を!
・・・いやこんなものでは表しきれない!そこに居る魔物を打倒し我が忠誠心を
お見せいたしましょうぞ!」
いきなり話を振られた異世界の魔王であったがやる気は満々のようだ。
「ふむ、天使ごときが威勢が良い。確かに魔力は多いようだが我と戦う事を後悔させよう。」
「我が優しき解放者の為にその言葉訂正させてもらおう。私は天使を辞め我が新しき
主の為だけの神、デウス・エクス・マキナになったのだ。
神は本来義務や仕来たりによって行動が制限されるが私は違う。私は我が新しき主を
守るだけにこの力を使う事が出来る。これは義務であるが私自身が求めるものでも
ある上際限の無い干渉と力の行使が出来るのだ。
分かったら私に大人しく倒されろ!」
「デウス・エクス・マキナ・・・時の氏神か、厄介な者になったな。」
「Dは知っているのか?」
「ああっデウス・エクス・マキナは舞台劇などに出て来て話をひっくり返す時に
使うご都合主義の塊みたいな神だ。もちろん舞台の上の話だ。
しかし本物はそれに似て捕らわれる制約はほとんどなく、それでいて干渉する力は
途轍もない。今まで存在は知られていたがまさかここで出くわすとは思いもしなかった。」
Dの話では精神的にヤバいが力は凄いと言う分けか・・・取り合えず助かったのか?
少し緊張がほぐれて油断していると
「お前は下がりなさい。余自らが力を振るおうぞ。」
!また勝手に俺の口から言葉が出て来た!本当の人格であるアディアーレが今まで
喋っていたはずだったがどうも様子が違うぞ。
「かしこまりました全能者である主様、私が今まで納めた魔力を解き放って悪を滅ぼし
御自らが全能者である事を知らしめてください。」
「うむっ今までの働き良きかな。余はシャダイ、この世の森羅万象全てを操る事の出来る
者。余の力の一端を垣間見て平伏せよ。」
やはりアディアーレではない別の者だ。何がどうなっているのか分からずにいると
俺の右手が勝手に何かを掴み振り上げる動作をする。すると空に杖を持った巨大な腕が
現れ、俺と同じ動きをして杖を異世界から来た魔王に向かって振り下ろす。
爆音と前が真っ白に見える程の閃光と共に雷が異世界から来た魔王に降り注ぐ。
「がはっ!あっ有り得ない!雷ごときで我の体を傷つけるなど出来ないはず。しかも
相手は魔力が多少高いだけの人間。
デウス・エクス・マキナを名乗る天使よ、これはお前がやらせているのか?」
「やらせているなど失礼な!私はただお慕いしてきた主様に偉大なる我が君としての
振る舞いを取って頂ける人格を新たに創っただけです。今お前と戦っているのは
紛れもなく偉大なる主様に他なりません。
どうです力を得て行使するその姿は?美しい!素晴らしい!偉大なり!ああっついに
私の待ち望んだ姿におなりになられた!」
あーっまた他の人格が好き勝手をやっているのか!アディアーレの次は神様気取った
俺かよ!
「余の実力はこの程度ではないが全て見せるまでもなかろう。地水火風の四大元素
魔法と科学魔法でお前を倒そうぞ。」
そう言いながら腕を振るうと轟音と共に風が吹き異世界から来た魔王を地面に
叩きつけ、流れて来た水が異世界から来た魔王を飲み込む。体中から煙を上げているのは
熱ではなく溶かされているからのようだ。水では無くて酸なのかもしれない。
身体を溶かされて弱っている異世界から来た魔王に今度は地面が割れて手足を拘束する
ように固まり、割れ目から炎が噴き出し激しく焼き上げる。
一方的な展開だ。
「中々にやるようだが我はこの程度の攻撃では死にはしない。どうする?」
驚いた事に異世界から来た魔王はあれ程やられてまだ余裕の様だ。
「分かっている。だが次の一撃でお終いだ。行くぞ。」
勝手に喋る俺の口がそう言う頃には目の前に機械的な筒状の物体が現れていた。
[超重力砲を打ち込みます。圧縮された超高密度物質を打ち込み周りの物を吸い込みながら
無限に加速し宇宙の彼方まではじき出す攻撃です。衝撃に備えて下さい。]
「余は全能者、問題は無い。発射だ。」
[超重力砲発射!]
一瞬の轟音と衝撃の後異世界から来た魔王は綺麗に消えていた。
・・・これが全能者の力か!
「見事で御座いました、一撃で屠る強者の王よ。排除すべき脅威が消えましたが
後に残ったその者達はいかがいたしますか?」
俺が助けた天使いやデウス・エクス・マキナがDと魔王を指さして言う。
「余に跪き恭順せよ。さすれば自由を保障しよう。さもなければ排除するまで。」
「てってめーふざけやがって!強くなったらそんな口の利き方をするのか?この魔王の
俺様に?許すわけがねえ!」
「きーさん今すぐその言動を取り消せ!我が主の真似事をする事は許されない行為だ。
それに私が跪くのは我が主のみだ。」
あーデウス・エクス・マキナから説明があったので俺の中の人格が変わったのを知って
いると思われるが、2人ともいや2柱とも俺の考えが変わった程度にしか考えていない。
「ならば仕方がない。お前らを消去するまでだ。・・・いやこの世界が余に似つかわし
くないと考えた為にこの世界ごと消去し創り直そう。この女児の姿も余にそぐわぬ姿だ。
余とお前が居れば世界が成り立つ。その様な世界に創り変えようぞ。」
「ああっ何と素晴らしいお考えでしょうか!素晴らしい素晴らしい!素晴らしい!」
俺の別人格と俺が助けた天使が2人で悦に浸っていると周りには阿鼻叫喚の叫び声が
溢れ出す。3度繰り返すのも何だが魔王の脅威が消え異世界から来た魔王の脅威も消え
これで解決して元の生活に戻れると思ったら、全て消し去ると言われれば誰だって
文句の一つも言わずにはいられない。
大体俺自身が文句を言いたい。人の体を勝手に使ってやりたい放題!その上アディアーレ
の時の様に俺の人格を消す気だろう。そう言えばアディアーレの人格が戻った時
俺の人格は消えなかったな、天使が陰から守っていたと言っていたが何故新しい人格を
創ったりしたのか?分からん。ネジの飛んだ奴の考えは分からない。
それでも俺は文句を言わずにはいられない!少女の姿の俺を否定し、巨乳ぞろいの帝国を
消し去るなど許すわけにはいかない!
怒りで暴走寸前だった俺だが、俺の腕をよく似た腕が掴んでいる事に気付き冷静になる。
何だこれは?よく見れば腕の先に少女である俺アディアーレが立っている。
「貴方は元からいた人格の様ね。新しく出来た人格は私達を消す気だわ。
消えたくなければ貴方も協力しなさい!」
そう言われると目の前が一瞬真っ暗になるがすぐに明るくなる。まるで雲の上のような
景色だ。
「・・・ここは何処だ?」
綺麗と言って問題無いその景色に見惚れていると
「ぼっとしてないで!ここは私達が使って来た脳が造り出す世界、心の世界と
言いたいところだけど3つも人格がある上に考えも違うからこの言い方は違うわね。
一番近い表現は精神世界かしら?それよりも目の前のあいつを倒さないと私達に未来は無いわ。
取り合えず今まで私を消そうとしてこなかった貴方は信頼できるからあいつを倒した後
1日1時間だけ貴方に体の支配権を貸すわ。だからあいつを一緒に倒しなさい!
この世界の中では魔法が使えなかったから直接攻撃・・・いえ精神力で攻撃するのよ!
こちらの方が数で勝るから数の暴力でフルボッコよ!」
そう言うと駆け出すアディアーレ。その先を見るとあいつと呼ばれた俺が居る!
ギリシャ彫刻などで見る長い布だけを羽織った俺が居る。神と呼ばれただけに
何となく偉く見える。しかしそんな事はどうでもいい。あいつを倒さねば!
俺とアディアーレが臨戦態勢の状態で迫ると新しい人格の俺は俺達が来るのを
待っていたかのように喋り出す。
「弱き者は群れて数で戦うと言うが仮にも余の人格がこれとは情けない。
良いだろう、全能者の力の一端を垣間見てから消えるが良い。」
「何言ってんの?出来もしない嘘を好き放題言ってくれるわね。
消え去るのは貴方の方よ!」
アディアーレが子供とは思えない鋭いパンチを神様気取りの俺に繰り出すが
手で弾くように避けてカウンターにアディアーレの顔に一切慈悲の無いパンチを
食らわせ、怯んだところを更にパンチと蹴りを食らわせる。
子供を本気殴りする大人と言う姿に嫌悪を覚える光景だ。
「おいっ子供相手に酷いだろ!」
「子供?この者は姿は子供であっても実は全くの別物なり。お前と同じ存在する
だけで余を不完全な者にする汚物だ。余こそが尊き者でありお前達は消え去らなければ
ならない因子だ。」
殴られ続け動かなくなったアディアーレを無造作に捨てると俺に向かって
突っ込んでくる。
殴りかかって来るのをガードするが同じ俺とは思えない程パンチに速度と重さと
的確さがある。まるで格闘技をやっていたかのように・・・こいつは俺の魔法の
様に俺が助けた天使に格闘技を瞬間的に覚えさせてもらったんだろうな。
いやそんな事を悠長に考えている場合でわない。ガードを崩され直に殴られ出した。
痛い!精神世界の中でも殴られると凄く痛い!
「余はお前達の様に生産性もなくただ生きているだけの堕落した生物ではない。
余に最適な世界を一瞬で作り出し未来永劫の楽園とする。その為にはお前達の様な
不安要素はいらない。美しくない姿に見苦しい生き方、全てが疎ましい!
お前達は悪夢だ!消え去るがいい!」
最後になって感情を露わにして来た新しい人格の俺。だがその言葉に俺の堪忍袋は
音を立ててブ千切れたぜ!
後ろに腕を下げてから繰り出す渾身の一撃を俺は顔面で受け止める。
「!何だと?」
「お前何故俺が倒れないかって顔をしているから教えてやるよ。俺は今人生で
最も怒っている。例え様もないどす黒い怒りだ。何故こんなに怒っているかと言うと
お前は俺の36年間の人生とアディアーレの姿とオッパイを愚弄した!
俺にとって掛け替えの無い者達だ。それを突然出て来たお前が全否定をした!
パッと出のお前が36年童貞だった俺に勝てると思うなよ!」
俺は鼻血を出しながら思い切り奴の顔面にパンチを繰り出す。奴のガードを
簡単に破り顔を突き抜けると思える程深く当たる会心の一撃であった。
「36歳の童貞オッサンの精神力舐めんなよ!」
意味は分からないが勢いで言ってしまった。が後悔はしない。
気が付くと俺の体に戻っていた。手を動かすと思い道理に動く。制御権を
取り戻したようだ。
がさっきからとても五月蠅い・・・ってDと魔王が顔真っ赤にして俺を攻撃している!
でも目の前にあるバリアに全て阻まれていた。
「Dストップ!ストップ!魔王さんも!制御権を取り戻したからもう攻撃してこないで!」
全力で言う俺を初めは懐疑的に見る2柱だが何時もの俺に戻ったのを確信すると
俺の目の前まで降りて来た。
「人格が戻ったのは良いがこの魔力・・・人を遥かに超えて天使や魔王すらも及ばない
途轍もない力を感じる。普通ならば有り得ない事だ。」
「そうなのか?じゃあ俺は何で新しい人格を作ってしまったのか聞きたいから
まとめて聞いてみよう!」
俺は横に呆然としたままで立っているデウス・エクス・マキナを名乗る俺が助けた天使の
胸倉を掴んで言う。
数分間の肉体言語タイム(力の限り打ん殴っています。)
「それじゃあ聞くけどなんで俺に新しい人格を作った?何故俺は大量の魔力を持っている
のに大丈夫なんだ?それとこうなってしまってお前はどうしたい?」
余りに殴り過ぎて顔が変形した天使だが俺の問いには答えられた。
「・・まぶ最初の質問でふがやはり神に仕えて居た者としては神の様な方に仕えたいと
おもっひぇ神の様に振る舞う人格を作りまひた。」
「成程な。それと聞きずらいから回復してやるよ。」
「ありがとうございます!慈悲深き我があっごふっ!」
また下らまい事を言いそうになったので顔面にパンチを食らわせてから回復魔法を掛ける。
「じゃあ続けて。」
「はいっ本来なら大量の魔法を持つと体や心に異常が出てくるのですが魔法で魔力の
干渉を抑えると言う真逆な方法を行いました。ですから魔力が100万に見えますが膨大な
魔力を抑える魔法に100万の魔力を使っていて、実際は200万以上あるのです。」
「・・・」
これを聞いてDと魔王は無言で啓上し難い変顔になった。
「最後に無礼を承知で質問に質問しますが私にどうしたいとはどういう意味でしょうか?
どのように罰して欲しいとかではないでしょうか?」
「本当なら怒り心頭なこの心をぶつける所だったがお前は何だかんだで俺を守って来て
くれたんだよな?だから罰するなどはしないさ。で、お前の望みどうりにならなかった
今この後どうしたい?良かったら膨大な魔力を使った魔法で叶えることが出来るからな。
先に言うが俺の事を修飾語つけずに答えてくれ。」
デウス・エクス・マキナを名乗る天使はうつむいて考えると思い立ったのか顔を上げて
「もし許されるなら主様のお側に仕えさせていただけたらと・・・」
「構わないさ。それよりこれだけ魔力が溢れているから皆の願いも全て叶えてみたいと
思っているんだ。魔法についてはまだ疎いから補佐して欲しい。」
「誠に・・・誠にありがとうございます。是非お供させて頂きます。」
「とっ言う事で今までのゴタゴタで壊れた物の修理や願いがあるなら皆行ってくれ!
魔法を使って出来る限りの事はやってみるから!」
今まで俺を魔法で攻撃していた人、隠れていた人が集まって来てガヤガヤ喋り出したから
もう一度皆の願いを叶えると言うと周りが静まり返りそれから割れんばかりの喝采が
響く。何度目かの喝采だ。
それでも手を振って応える。もうブンブンと。
何度も危機にさらされたが紆余曲折しながら何とか辿り着いたハッピーエンドだ!
まず遅れた事をお詫びします。季節の変わり目でまた体調を崩して検査を受けて
異常が発覚し、入院は無かったのですが自宅療養になったせいでかなり時間を
使いました。
それと以前にも書きましたが内容をかなり変えてしまったので修正しながら
話を書き続けたのでこれでも時間が掛かってしまいました。
次は出来ればゴールデンウイーク前後にまで書きたいと思います。
本当に遅筆で申し訳ありませんが見捨てずに読み続けて頂けたら幸いです。




