ミハイルの要求2
「なら、この情報の発信源がオレだとしたら信用するか」
「ディエゴの細い目がさらに細くなり、眉間に皺がよった。ミハイルは無言で再び雑誌を取り出したところから、一通の手紙を置いた。
手を伸ばす直前、レノより早くディエゴが素早く手紙をとった。「読ませてもらいます」とミハイルに言った。ディエゴは手紙に目を落とし「なるほど。そういうことでしたか」と手紙をレノの前に置いた。レノもディエゴと同じく手紙を読んだ。
「つまり、警察発表と違う。ということですね」
「ああ。カルサスを殺した奴らはこの手紙の存在を知らない。この雑誌は今日発売だ。カルサスを殺した奴らはきっと尻尾を出すに違いない」
手紙を読んだレノの口を開いた。
「真犯人を捜すそういうことか」
ミハイルは力強くうなずいた後「加えてこれは仮説だが、団長が殺される前からもう暁の稲妻は崩壊していたんだと思う。カルサスは騙されてなのかどうかは分からないが、どこかの勢力と組んでいたんではないかと思っている」
「魔獣の奏者か!」
「分からない。しかしそう考えると、団長が殺され、団長の部下だったオレやこの同盟に賛成したディエゴが殺されかけた理由がはっきりする」
「すでに我らのしていることは筒抜けだったということですね」
「しかし、そうすると暁の稲妻か亡国の聖戦の中に魔獣の奏者の手の者がいたってことか」
「否定したいけどそう考えられますね」
ディエゴは大きくため息をついた。「どうやら、自分たちの足元を確認する必要があるようです」
「死亡診断書についてだがどこに保管されているかはすでには調査済みだ」
「それはどこですか?」
ディエゴは驚きを隠せない顔で尋ねる。
「王立警察庁の中さ」
「自殺行為だ」
レノは思わず立ち上がり叫んだ。
「協力しないなら協力はない」
舌打ちをしながら、レノは椅子に座った。




