同盟の調印
一週間後三人はファリス大使館の会議室で調印を行った。
二日ほど前、ディエゴ・ユーロピスは自分の部下を率いて改めて
亡国の聖戦から独立したことを発表した。
新たに団体名を【憤怒の天使】と変えていた。
ミハイルは前暁の稲妻団長の死の真相の徹底的な解明の協力
ということで、協力することになった。ただ、現段階では表に出ることはない。
調印式は滞りなく進みファリス側代表はルーカス・サーチ大使と
駐在武官長であるレノ・カーチェスが出席した。
一週間前、亡国の聖戦から独立した
【憤怒の天使】総長、ディエゴ・ユーロピアスとディエゴの側近である
クラクフ・ロードスパンが出席した。肌が浅黒く茶色の眼球は必要以上に鋭く、
獰猛な猛禽類のようにレノは感じた。クラクフは何かをしゃべることなかった。
そして暁の稲妻団長として、ミハイル・ドランコフ三人が握手をして
調印式は無事終了した。ミハイルとディエゴは何やら話をしている。
隣に座っていたルーカスが立ち上がっり小声で言った。
「准将。これから私は本国に帰りこのことを元帥閣下に報告する。
ミハイルとは幼いころからの友人なのだろう。つのる話もあるだろうから、ゆっくりするといい」
「お気づかいありがとうございます。閣下」
ルーカスの満足げな笑みを確認しレノは立ち上がり軽く頭を下げた。
ルーカスが会議室を出て行くのを確認し、再び席に座った。
「ここからが本題だ」




