ディエゴとの会談
「無論、魔獣の奏者さ。何しろ無効は圧倒的な力をもっている」
「根拠を教えてくれませんか」
「一度戦場に行ったからさ。それが証拠だ」
そのときユリは握っていたペンを落とし、机の下に転がったペンを取ろうとしているときにもぐっている最中に始業ベルが鳴った。
さて。レノは椅子から立ち上がった。
「俺の分まで仕事よろしくな」
ユリの返事を聞く前に武官室を出た。
数週間前に今後についての協議についての手紙を送っていた。ようやく昨日の夕方ようやくディエゴ・ユーロピアスから文が届いた。内容は今後について、話し合いたいとのことだった。午前中、九時から十時までは指定の場所にいるとのことだった。読みやすい癖のない字で黒のスーツに新聞を読んでいると付け加えてあった。
明らかにディエゴ派の形勢は悪い。ユリの言った通り、ハイルトン・ヒューストン派は魔獣の奏者の援護をもらっているに違いない。このままではディエゴはユリが言った通り、シェン・ヤン率いる暁の稲妻と組む可能性が高い。
しかしディエゴのことだこのくらいのことはきっと考えているだろう。しかしファリス側としては何とかして、この同盟だけは阻止し避けなければならない。カルーダにまで夕刻の騎士団の拠点を作らせてはいけない。何とかいい方法はないだろか。




