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勇者の復讐  作者: にけ
プロローグ
40/84

カルサス・テキーラからの手紙

拝啓。ミハイル・ドランコフ殿。

 

突然このようなぶしつけな手紙で申し訳なく思っている。貴殿とは、度々意見の対立があったが、今更ながらにもう少し柔軟な対応も出来たのではないかと後悔している。私は殺されるのを覚悟していている。今まで自分のやってきたことを考えれば当然なのだが、それでも真実だけは貴殿に伝えたいと思う。時間もないことなので、前置きはここまでにしておこうと思う。

 

今起こっているロバルト・シャーン団長殺人事件は、私が全て計画し実行したものだ。そもそも組織の運営に不満があり、団長に直訴したが受け入れられなかった。そこでかっとなった私は団長のわき腹に気づいたら短剣を突き刺してしまっていた。たまたま通りかかった貴殿に罪をかぶせられるのではないかと、考えたのだ。そして隠蔽するために貴殿の仲間たちを粛清という名の下に虐殺してしまった。


私は罪の意識に際なわれこれから生きていくこともつらいと考えた。私が団長や貴殿にやってきたことを思うと、私なんかの命一つで許されるとは思っていない。自分勝手だと思っているがこれでこの事件を幕引きにしたいと思っている。貴殿には大変申し訳ないことをしたと心から謝罪したい。


 時間が来たようだ。今後の貴殿の活躍を心から願っている。

                             

                              

カルサス・テキーラ  

 


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