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勇者の復讐  作者: にけ
プロローグ
36/84

ジャンジューク2

 ニールに話したとおりの事をロバートにも話した。いつの間にか真上にあった太陽は西に傾き始めていた。

 二つ先にあるベンチに座って本を読んでいた老人はいつの間にか二十台後半と思われる男女のカップルに変わっていた。


「ずいぶん激動な日々だったじゃないか。それでお前は団長を殺したのがカルサス・テキーラだと思っているんだな」  

 ミハイルが話し終わるとロバートが口を開いた。

「今のところはカルサスがオレに罪をかぶせたとしか考えられない」

「少なくとも俺はお前がロバルト・シャーンを殺したとは思っていない。カルサスの居場所は分かっているのか」

「他の仲間と一緒に探しているが未だ分かっていない」

「だとするとそれは怪しくないか」

「どういうことだ?」


「つまり、組織のトップを殺したとされるお前相手にわざわざ隠れる必要はあるのかってことだ。仮に必要があったとしてもお前の派閥の力はもうないに等しい。それにお前が殺したという知らせが伝わった時点で組織内での粛清が始まっていた。ドンピシャ過ぎると

思わないか。まるであらかじめこのシナリオを考え、協力者がいたとしか考えられない」

 

 ニールが言ったことを思い出した。ピエールがカルサス派に寝返ったのではないか。ミハイルは眉間にしわを寄せ考えた。

 しかしこのシナリオを書いたのはピエールではない他の誰かだろう。それにピエールが寝返ったとはまだ信じがたい。

 

 ニールの話しによるとピエールはまだ十代後半でそれほど賢いというタイプではない。ミハイルはピエールのことをロバルトに話した。


「可能性がないわけではないな。しかし今の段階では何とも言えない」

「こんなことを考えたのは一体何者なんだ」

 ミハイルは嘆くようにつぶやいた。


「とにかくそれは分からんが、少しずつ事実を手繰り寄せていくしかないだろうな。いつもながら面倒なことに巻き込まれているな。しかしそれ以上に竜か……。いまいち信用は欠けるな。まあ色々聞いてみるさ」立ち上がり何か分かったら連絡する」


 すれ違いざまに言うと自分のオフィスのある方向へと消えていった。

 


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