再び別れた二人
「ところで兄貴はあの後どこへ行ったんですか」
「図書館さ。ここ数日の新聞を目を通していた」
「何か分かりましたか」
「団長が殺されたのは一週間前。当然翌朝の新聞にはでかでかと事件の詳細と原因が一面に書かれてたさ。暁の稲妻の団長死す! 犯人はミハイル・ドランコフってな。なんでこんなに早く断定するんだろうなって思ったさ。二日目も三日目は特別変わったことはかかれていなかった。事件に進展はなく、犯人は未だ逃亡中。このくらいだった。四日目、五日と読んでいくうちにある奇妙なことに気づいた。団長が殺されたことが大きく取り上げられることはなく、暁の稲妻内部の争いのことが多くなっていったんだ」
「それは捜査に進展がないからじゃないですか」
「その考えもあるだろう。しかしこの国の警察や軍隊はそんなに無能だったか? オレは少なくともそう思ったことはない。何か表に出すことが出来ない理由があるんじゃないかと考えている。それに団長の死因一つ書かれていない。遺体はすでに発見されているにもかかわらずだ。明らかに何かあるとオレは思っている」
「確かに言われてみれば怪しいですね」
「よし。お前はカルサスの所在とコレックでに行きオレを襲った竜のことと竜伝説、そしてフローラとその子共に調査に専念してくれ」
ニールは力強くうなずき立ち上がった。




