今後やる事
ミハイルは腕をまくり包帯を取った、そしてニールに腕に引っかかれた爪の痕と火傷を見せる。
ニールは目を丸くした後口を開いた。
「その傷と火傷の痕は……」
テーブルに置いてあるグラスに手を上したがグラスをつかみそこね、入っていた赤紫色の液体が床一面に飛び散った。
「すみません、兄貴」
「気にするな」
ミハイルはエリザが口を拭いた布で床を拭きそのまま洗濯物置き場に投げ入れ、再びソファーに座った。
「分かっただろ。俺がどうして竜の存在をお前に聞いたのか」
巻いていた包帯を再び巻きなおし上着を着なおしながら言った。
「それで竜はどうなったんですか、倒したんですか?」
ニールの声がどこか弾んでいるように感じた。
「逃げられた」
ミハイルの返答に表情は変えなかったが、少しがっかりとした表情が一瞬浮かんだ。
「でもさすが兄貴ですよ。でもどうして竜と戦うことになったんで?」
「そこなんだ。問題は……」
ミハイルは組織の最重要地である所へ行くことになった理由、そして竜を追い払った後昔の友人であるレノに偶然出会い温泉町ミモラに数日いたことを話した。ディエゴのことは名前を伏せ、今住んでいるアパートは昔の知り合いのつてということにしておいた。
説明を一通り聞いたニールは、ミハイルに紙とペンを頼んだ。隣の部屋から紙とペンを持ってきてニールに渡し、ニールはミハイルがソファーに座るのを確認すると、とりあえず、一旦整理しましょう。と紙に書き始めた。
・団長を殺したのは誰か。
・カルサス・テキーラはどこにいるのか?
・兄貴を襲った竜は何者なのか?
・魔獣の奏者の背後にいるのは何者なのか?
・ピエールは生きているかのか。
「とりあえずこんなところですかね」
ニールは一度ペンを置いた後「忘れてた」ともう二つ付け足した。
・コレックの竜伝説の真偽。
・フローラの子は生きているのか。




