9.白龍と
天然バカ(?)な白龍(人型)に突っ込みした。
うん。なかなかない光景だ。白龍の見た目は私と同じくらい。
黙ってれば冷たい美貌とでも形容できるんだけど、中身が残念すぎる。
その後は、とりあえず教室に戻るということになった。白龍の天然(?)で、皆にちょっと迷惑かけてしまった。
―――場所移動中―――
教室に戻る途中にて。
「白龍かっけぇよな。よくあんなもん呼べたな、アイ。」
クラスの男子が、話し掛けてきた。
名前はまだはっきり覚えてないけれど。
確か、コルザだったようなきがする。
「かっこいいかな?あれ。よく分からないけど。」
確かに見た目はかっこいいよ。見た目はね。
でも中身が残念すぎる。
「あはは。アイは変な人だな。けっこうな美形だぞ、白龍。」
この方は何をわたしに求めていらっしゃるんでしょうか?
「そうなの?」
首をかしげながら、問い返す。
「まぁ、いいや。ところで、アイは俺の名前覚えてる?」
さらっと話を流したな。そして、ニヤリとするな。
多分、覚えてる....。
「たしか、コルザさん?」
その男子はも一度ニヤリと笑って、小さい声でいった。
「残念。覚えてたか。」
バッチリ聞こえてるけれどね。何かムッとした。
けれど、この男子の性格からするに何か言ったら笑顔で「なら、クラス全員の名前をいってよ。」的な発言が来る。気がする。
―――場所移動中―――
教室に戻ってきた。
落ち着いてよく見たら、あちこちに鱗っぽいものが落ちている。
「白龍、これ貴方のだよね。」
白龍はにょきっ(!?)と出てきて鱗っぽいものを見た。
その後、すごいスピードで鱗を集め、私に手渡した。
「なにこれ?」
「僕の鱗だよ。あげるー。」
白い鱗はつるつるしていて、意外とさわり心地がいい。
でも、何に使うかさっぱりだ。
「これ何に使うの?」
白龍は、まばたきを数度やって、考えた。
「うーんとね。お守りかなー。あとは、暗闇でも鱗光るから使えるよー。あっ、薬にも使われるかなー。」
間延びのせいで眠くなるんだけれど、口調だから仕方ないのかな。そして、威厳はどこ行った。
「よく分からないけど、貰っとくよ。ありがとう。」
お礼をいうと、白龍はニヘラーと笑って照れている。
可愛いけど、きみ白龍だよね?威厳はいいの?
「じゃ、またねー。」
手をふりながら、消えていった。
何か気が抜ける白龍だったなー。子供だからしょうがない....と思い込んどこう。
「アイさんすごいねー。わしはあれは呼べないや。」
アルト先生が誉めてくれた。中身のことは気にしてないらしい。
「聖獣ってあんな性格なんですか?」
「聖獣は個性的でね、いろんな性格がいるよ。」
はじめて知った。とりあえず、聖獣は威厳というものをとくに気にしてないらしい。この世界、よく分からない。
キーンコーンカーンコーン。
あ、授業終わった。皆は成功....してるね。
精霊達とのお喋りが楽しいらしい。まだ、精霊達がいる。
そして金魚がしゃべっている。何かシュールな光景だ。
「スースー」
ん?何か寝息みたいなものが聞こえる。
見ると、白龍が寝ていた。
....ん、白龍?
「白龍、あなた帰ったよね。」
「ん?寝てたー。」
ちょっとイラッてしたのはしょうがないと思う。
「さっさ帰れー!」
「ごめんなさーい!」
消えた。
ふぅ、スッキリした。
初日の初授業、無事(?)に終了ー!
主人公の突っ込みレベルがぐんぐんアップしてますね