6.国王との初対面
話を合わせるために色々と消したり追加したり。連載は難しいとまたまた実感しました。
ぴぴぴ....ちちち....
鳥が鳴いている....?
「ん....」
目を覚ました。周りを見る。
ベッド。高価そうな品々。やたら広い部屋。
「そうだった....」
私は、テライトの自宅に泊まってたことを思い出した。
服はネグリジェだ。
時計を見る。年期が入った時計だ。
ぴったり7時。
コンコン。
扉が叩かれる。
「アイ様、入ってもよろしいでしょうか?」
メイドさん達の声だ。体を起こして、ベッドの端に腰かける。
「はい。」
私が返事をすると、メイドさん達がぞろぞろと入ってくる。
五人くらいだろうか。
....何か、目がキラキラ(ギラギラ)しててちょっと怖いんですけど....。
「お着替えを。」
あ、はい。着替えですね。ところで、この屋敷テライト一人だよね?どこから、女物の着替えを持ってきてるのでしょうか?
「コルセットしますね。はじめてですか?」
コルセットはしたことあるから、初めてではないのだけれど、あまり好きではない
。
「いえ、初めてではないです」
「なら、大丈夫ですね。では。」
メイドさん達はドレスを持ってきた。
その後は、とても大変だった。
私は、ぐったりしながら朝食の席に座る。
「朝から疲れたよ....。」
一人ごちる。
「あはは。しょうがないよ。女の子を着飾るのはメイド達にとって楽しみだから。そのドレス似合ってるね」
と笑いながら言うのは、当然テライトだ。
他人事だと思いやがって....。
気分転換するために、朝食に手を伸ばす。
とてもおいしい。
今のドレスは白と青の、おとなしめのデザインだ。
「さぁ。行くよ?」
馬車に乗り込み、王城へと向かう。
「はぁ、胃が痛くなってきたよ。」
そんな私をテライトは愉快そうに見ている。
「王は気さくな人だから、大丈夫。」
だから、私は元々一市民だから、国王に会うのはプレッシャーが大きすぎるんだって。
そんな思いを抱きながら私は王城を見る。
王城に着いた。見た目は中世ヨーロッパ風だ。
私?今死んでる。
なれない馬車で車酔いした。
吐きそう。
「大丈夫か?」
声をかけてくれるのは、玉座にいる人。
はい。そうです。王様です。
もう、色々と現実逃避ですよ。はい。
「いえ、オキニナサラズ。」
「全然、大丈夫そうじゃないんだが。」
現在、テライトは後ろを向いて笑ってる。
このやろう。
「まぁ、新しき精霊の民が増えたことは良いことだ。ルミナスか。珍しいな。」
そう言って王様は玉座から立ち上がりこちらに来る。
「新たな精霊の民、アイよ。歓迎しよう。」
握手を求めて来たのでそれにおろおろしながら応じる。
「あ、う、はい。あ、ありがとう、ございます。」
なんとか、王様ミッションしゅーりょー。
その後は、お妃様とか王様の妹とかと話をした。
お妃様の名前はエルで、妹様の名前はテルというらしい。
この世界の人たちの名前はそんなに長くないから助かった。
テライトは王様と談笑している。
臣下の人たちを見ると、優しそうな目でこちらを見ている。
この世界は、たまに読んでた本の中の世界と全く違うな。あの本の中の異世界は、争いがいつもあってたんだよな。よかった。この世界で。
余談。
王様の名前はメイトという。
この国の人たちはメイト様と呼んでいるので、私もメイト様と呼ぶことにする。
メイト様は、私と似ている髪色で漆黒では無いけれども、藍色がかかった黒髪だ。目は、青だ。
「アイ、これからどうする?テライトと貴族として暮らすか、自分の道を行くか?」
そんな風にメイト様が聞いた。
そっか。生き方を選ばなければならないんだ。
「この世界のことをよく知りたいので、先ずは学ぶことから始めたいのですが。それは、貴族として暮らすことに繋がりますか?」
落ち着きを取り戻した私はメイト様にそう返した。
メイト様は目を細めて少し笑った。
「いや、アイは世界を航る者だから、支援は可能だ。勤勉だな。ならば、シルフェル学園を推薦するよ。そこは、勉学の他に、武学もあるからな。」
ほう、なるほど。
「なら、そこに行きます。」
「そうすると良い。詳しいことは後で書類を送るよ。」
メイト様優しい。
王様謁見のついでに学園も決まりましたー。