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花の月 壱雨の日 カイの日記

 ☆ ☆ ☆



 花月六日(晴れ)


 今日から学院の授業が始まった。


 朝には薬草園の手入れをしたんだ。初めてやることだから少し難しかったけど、最後の方にはコツをつかめてきたから楽しかった。

 学院長先生、教えてくれてありがとう!

 明日からは自分だけで出来るように頑張るよ!


 授業は何をするのかと楽しみにしていたのに、初日だから簡単な課題だった。つまんない。

 作ったのは下級風邪薬ヨフ・カルミオ下級傷薬ヨフ・キュディスだ。古法で作っても魔術で作っても自由って言われた。なのに、精錬はだめなんだって。魔術科だからそういうものかもしれないけどさ。


 それぞれの技法を別物として扱うのは、僕はどうかと思うんだよね。

 そもそも、魔法を使わない調薬はすべて古典技法(古法)だから、古法を使う工程のない調薬なんて存在しないし。魔術も精錬もどっちも魔法を使うものだし。

 魔術技法は魔法(・・)を使う技術(・・)ってことで『魔術』技法と名付けられ、その後確立された魔法を使う技法を魔術と区別するために『精錬』技法と名付けられた。魔法を使わない調薬は古くからあるものだから対比して『古典』と呼ばれるようになった。

 つまり、どれも薬を作るって意味では全部一緒。分ける意味なんて大してないと思うんだよね。


 僕は今まで特に区別しないで調薬してたから、精錬できなくて変に難しかった。

 魔術だけで製薬するのは、精錬魔術の両方を使うよりも高度な技術が要求されたりしたけどね。うっかり中級薬ユフを作りそうになって焦ったりもしたし。


 ルツナ先生には褒められたけど、この齢にしてはって意味だよね、きっと。嬉しくはあるけど、素直に喜べないや。他の人と違って随分手間取っちゃったし。


 僕の知ってる薬師の練習とは違いすぎて訳わかんないけど、明日もがんばろう!




 ☆ ☆ ☆

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