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彼の仕事の3年間  作者: 山田彩香
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プロローグ

では次のNEWSです。



躍進を進めるオレンジ社が新たに開発したプログラム【社長貸します】が今世紀最大の癒着の場として国税庁に監査をされ、今日未明開発者であり取締役代表の剣崎慎氏が書類送検されました。



なお、この件に関しては本日ー



「だから言ったのに。正しく使ってくれって。」



自宅の2人掛けの茶色い布製のソファに座り、目の前に浮かび上がる画面を消しながら彼は寂しそうに呟きながら今では貴重なラッキースマイルという煙草に火をつけた。



2019年

人口減少により労働力人口が極端に減り、海外からの出稼ぎを余儀無くされた某諸国日本。


税収が困難になり都道府県を解体。州制度を導入し5つの州が誕生した。


北海道州

北州

東州

西州

南州



この仕組みが誕生し

ミニ起業家という物が爆発的に増えた。


この仕組みのおかげで小さいながらも安定してお金を稼ぐ人が増えた反面、貧富の差が極端に広がり始めた。


ーーーーーーーーーーー


ソファの上で相変わらずラッキースマイルを吸っている彼はスマートアイから写し出される画面を見ていた。


また新しい革新的な物を作るため市場調査をしている。


ブルーオーシャンと呼ばれる

独占市場を作り、他の追随を許さない形で市場を発展させていくのが彼のやり方である。


そのために入念なチェックをしている。


1つはアンケート

2つめは経済のその分野の指数

3つめはレッドオーシャンの隙間


彼が作り出す革新的な市場は、シンプルながらもまだ誰も行ったことの無い物であった。

いわゆるニッチな層を爆発的なほど引き上げる戦略と経験に勝る技であった。


コンコン。


「失礼致します。朝長です。」


「はいよー」


気だるそうに返事をし秘書を招き入れた。


「中川様、ここは禁煙だと何度言ったらわかるのですか?

そして私を合法的に肺ガンで天国へ送る気ですか?」


「はいはい。窓開ければいいでしょ。

私しか居ないんだし別にいいじゃないか。


それとそんなつもりは全くないし、お前は天国じゃなくて地獄行きだろ。」


「つまらない冗談ですね。中川様こそ地獄に落ちますよ。

まぁそれはさておき、先日のNEWSで見ましたよ。

なんで教えてくれなかったんですか社長の癒着問題!もう頭の中であんな怒鳴られて沢山ですよ。」


「まぁ私も仕組み作っただけだし、天下りより酷いことする奴がでたのは想定ないだよ。

そんでうるさいならスマートアイ取ればいいだろ。」


「仕事放棄していいならスマートアイは取りますけどね。ー


なんら変わらないやりとりを経て

また新たな市場を開拓するべく彼は仕事に戻った。


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