一話
今回は長めです。
圭兎は気分では食事を食べたが、周りの人が食べろとうるさいので仕方なく朝食を摂った。
皆に見られながらだったのですごく、食べ辛いと圭兎は思った。
朝食を摂ってから今後の予定についてのことを話し始める。
「今後の予定もくじで引いて、班分けをして元の世界に帰るための手掛かりを探す。異論はあるか?」
圭兎は一応そう聞いたが、案の定誰も異論が無かったのでくじをエリカに用意させた。
そして、くじを引いた。先に女子が後に男子が。
そして、グループに分かれた。
一グループ。北を探すグループは雨美と美佐とトシカリ・ミソンジ。
二グループ。南を探すグループは初瀬川孤卯未と蘭駈鏡子と水川忌楼。
三グループ。東を探すグループは佐藤希楽夢と軌際颯華と狩屋沙羅。
四グループ。西を探すグループはエリカ・タンダクとミレイ・レイシン。
五グループ。東西南北以外の場所(例えば東南等)を探すグループは志水圭兎とミリカ・リンジカとクラル・エルザ。
圭兎は誰にも聞こえないくらいの溜息を吐く。
俺は子守かよと圭兎は声に出しそうになり何とか堪えた。
そう言わない代わりに圭兎は
「颯華、沙羅ちょっとこっち来い」
と二人を呼んだ。
二人は素直に圭兎の所に来る。
「お前ら、武器を持ってないだろ」
圭兎がそう言うと二人は同時に頷く。
「やっぱりな。これを持って行け」
圭兎はそう言い二人にそれぞれ違う武器を渡す。
颯華には日本刀を。沙羅には古刀と短剣が複数セットになった武器セットを。
「これをどうして?」
二人共、首を傾げていたが、颯華が圭兎に聞いた。
「あぁ、説明が足りなかったな。それは二つ共俺が生成した武器だ。だから、壊れることは無い。ある一つのことを除いてな」
圭兎は自分が説明をしていなかったことに気付きそう説明する。
「その一つのことって何ですか?」
颯華は素直に分からなかったので圭兎に聞く。
「俺が死んだらだ」
圭兎はそう言う。颯華は「それじゃあ……」と言う。
圭兎は颯華の言いたいことが分かり
「あぁ、そうだ。もしその武器が壊れたら俺が回復出来ないまでダメージを受けそして、死んだということだ。二度と復活出来ないまでにな」
圭兎はそう言う。二人は圭兎が死んでも復活することを知っているので圭兎の言葉を納得出来る。
「それじゃあ、その武器で佐藤を守ってやってくれ」
圭兎がそう言うと二人は頷いた。
「さてと、それじゃあ分かれようか。また、三日後にな」
圭兎がそう言うと皆、別々の方角に分かれて行った。
その様子を圭兎達、五グループは見送った。
「何か、こう見るとなんとなく悲しいですね」
クラルが突然そう言い出す。
「そうだね。確かにクラルの言う通り。なんとなく悲しいね。何か皆が別々に死地に向かったみたい」
圭兎はその二人の会話を聞いて
「さてと、俺らもどこかに移動しようか。どこが良い?」
この空気を壊すため圭兎は明るくそう二人に聞く。
「そうですね。北北東に行ってみませんか?」
クラルはそう返す。
「北北東か。ミソンジと行動していた時は行かなかったしな。そこにしよう」
圭兎はクラルの言う通りにする。
クラルもミリカもミソンジという部分に反応した。
圭兎はその二人の様子を見てやっぱりあいつモテるんだな。俺なんて誰一人にも好意を抱かれていないし抱かれていても答えられないしなと圭兎はそんなつまらないことを思った。
そして、圭兎を先頭に三人は北北東に向かう。
そういえば、ミソンジも北だったなと圭兎は思いもしかしてとつまらないことを思った。
時間は午後六時。
北北東に歩いていると誰かが、ゾンビやモンスターに遭遇していた。
圭兎はかなり距離があるのに誰が襲われているかすぐに分かった。
これは完璧人間じゃないなと圭兎が思っている間にクラルはライフルに付いたスコープを覗き込んだ。
クラルはスコープを覗き込んですぐに予想通りという顔をする。
そして、クラルはライフルを撃った。
一体のゾンビの頭にその弾が着弾する。
そのゾンビは一人を襲おうとしている所だった。
「はぁ」
圭兎は溜息を吐く。二人は何がしたいか分かったからだ。
今、襲われているのは一グループだ。つまり、そこにはトシカリが居る。
なので、トシカリが襲われている所を助けて愛してもらいたいの思っている。
圭兎は二人の考えをそう予想し呆れたので溜息を吐いた。
そんなんで愛してもらえるわけが無いと圭兎は知っているからだ。
もう、呆れるしか無かった。
しかし、二人はまだ小学六年生と中学二年生。
まだ、子供だ。
圭兎はそれに気付いて仕方ないし見守ってやるかと思った。
クラルは初めの距離から全く動かずにドンドンゾンビやモンスターを倒している。
ミリカは目が良いと言ってもさすがにこの距離からではボンヤリとしか見えないので少し近付いてゾンビやモンスターを倒している。
圭兎は遠くから何もせずに見守っている。
数分が経った。
なのに敵は尽きない。
圭兎は不思議に思い辺りを見回す。
「くっ!?」
圭兎はある場所を見てそう言う。
クラルは少しずつ一グループに近付いて行っている。
そして、今は全く移動していないミリカと同じ位置に居る。
圭兎は大分と距離が離れていたのでその二人に向かって走っていった。
ミリカは弾が無くなりスナイパーライフルを見ながら弾を装填している。
弾を装填し終えたのでスコープを覗き込むために一度顔を上げる。
すると、目の前にゾンビが居る。
ゾンビは口を開けてクラルを噛もうとしていた。
「あっ……」
クラルは驚きで反応が遅れた。
そして、今クラルの肩をゾンビが噛み千切る寸前の場所にゾンビの口がある。
クラルは一瞬でもうダメだと思う。
もう、ゾンビの歯が肩に刺さろうとしている。
だが、そこでクラルは押し飛ばされる。
クラルは瞬時に顔を上げる。
すると、いつの間に黒い手袋をしていた左手をゾンビに噛まれていた。
「くっ‼︎」
圭兎はそう声を漏らす。左手を振りゾンビの歯が圭兎の左手から離れる。
それをスキだと思った圭兎は腰に差していた鞘から妖刀罪殺を抜き放ち、その勢いでゾンビの首を跳ね、殺す。
圭兎は次に全くゾンビが上に居ることに気付いていないミリカをクラルと同じように突き飛ばし、今度はいつの間にか黒い手袋をしていた右手を噛まれながらも、右手に持っていた妖刀罪殺を横一閃に振りゾンビの顔を内部から斬り、殺す。
そして
「フレイムスピア‼︎」
と小さく言い、手から赤い稲妻を放ち、一グループを襲っていたゾンビとモンスターを一気に殺した。
「どうして、あたしの邪魔をしたの‼︎」
ミリカは圭兎が庇って噛まれた時に目を瞑っていたので圭兎が邪魔をしたと思っている。
「あ」
「お前らの攻撃が遅すぎて欠伸が出る程だったから、俺が手早く終わらせた。ただ、それだけの話だ」
クラルはミリカに庇ってくれたことを言おうとしたが、圭兎がその言葉を遮ってそう言った。
ミリカはそれが事実だと思ったので黙るしか出来なかった。
圭兎はそう言い残しその場を去った。クラル達はその後を付いていくしか出来なかった。
しばらく歩いたら圭兎は突然ある所で止まる。
そこは風が全く入って来ない廃墟だと思われる所だ。
その廃墟は廃墟とは思えないほど形が綺麗なままな家だ。
圭兎はその家の玄関の鍵が掛かっていない扉を開け靴を脱いでその家の中に入っていった。
家全体が真っ暗だったので圭兎は無言で灯りを点けそのまま玄関の扉を開けたまま家の奥に入っていった。
圭兎が時間を確認すると午後八時だった。
クラルとミリカは恐る恐るその家に入って「お邪魔します」と言う。
二人はそっと、圭兎が入っていった部屋に入った。
すると突然「お前らはこれを食べろ。俺は俺が盗ってきた物を食う。まぁ、腹を壊しても知らないがな」
圭兎はそう言い、白いパンを持っていき上の階に上がって行った。
「これを食べろって。あの人、頭おかしいでしょ‼︎」
ミリカはそう怒っている。クラルがそれをなだめて
「これを食べようよ。安全だし」
とミリカに言った。
だが、ミリカは
「どこが安全なのよ‼︎ あからさまにこれはこの家に放置してあった食べ物でしょ‼︎」
と怒る。だが、クラルは
「ううん。これはこの家に放置してあった食べ物じゃ無いよ」
と穏やかな口調でミリカの怒りを否定する。
「どこにそんな保証があるのよ‼︎」
ミリカの怒りはさらに増す。
「圭兎さんがカビたパンと腐ったフルーツそして、腐った飲み物を持っていた。それにあの人がこの家に入る時は何故か大きな荷物を持っていたが、この部屋を出る時には持っていなかった。全て私の目が見た」
クラルがそう言い切った。
言い切ってしまった。
ミリカは信じるしか無い。
なぜなら、クラルは生まれつき動体視力が野生の動物よりも圧倒的に高くどんな存在も見れない速度の物が見えてしまうからだ。
なので、自己紹介の時に目が良いとクラルは言ったのだ。
ミリカは恐る恐る圭兎に食べとけと言われた食べ物を食べる。
感想は普通に美味しかった。
ミリカは心の中で少しでも疑ったので謝った。
圭兎は腐った飲み物とフルーツとカビたパンを食べた。
圭兎は今、あることについて考えている。
それは、妖刀罪殺による治癒力のことについてだ。
前までは痛みが斬られたりしてもかなり軽減されていた。
だが、今回ゾンビに噛まれて分かったがなぜか痛みが軽減されずにそのままきているのだ。
圭兎はそのことが不思議に思った。
なぜなら、治癒力も下がって痛みが軽減されないなら分かるが、むしろ治癒力は上がっているのに痛みが軽減されないからだ。
その証拠にカビた物や腐った物を食べても腹を壊していない。
「どうしてだ?」
圭兎は誰も答えてくれないのを分かりながらもそう言う。
だが、答えてくれるも者が居た。
『ソレハ生贄ヲ捧ゲテ我トノ結ビツキガ強クナッタカラダ』
そう圭兎の心の中で妖刀罪殺は答えてくれる。
圭兎はその答えで納得した。
圭兎は部屋を出てお風呂にお湯を張りに行った。
圭兎は温度計で温度を確かめてから
「湯を張ったからすぐに入れよ。冷めないうちに」
とミリカとクラルに言って圭兎は家を出る。
家に残された二人はどうしようかと迷いミリカが風呂場の大きさを見に行く。
風呂場は普通の家より大きかったのでミリカは入れると確信する。
「クラル。一緒にお風呂に入ろう。大きかったし」
ミリカはクラルの元に来て早々に断られると思いながら言った。
だが、クラルは初めて承諾した。
そのクラルの反応にミリカは驚いたが、一緒に入った。
二人は浴槽に浸かる前に身体を洗った。
そして、二人で浴槽に入った。それでも、浴槽には余裕があった。
「ふぅ……。久しぶりにお風呂に浸かったね」
「そうだねぇ」
ミリカが言葉を発するとクラルはいつもこういう時は無視するのに反応したので驚いた。
「クラルぅ。どうして今回は一緒に入ってくれたの?」
しばらく浸かってからミリカはそう聞いた。
「それは、話したいことがあったからだよ」
クラルはそう答えた。
「ここからは真面目な話だから」
クラルはミリカの質問に答えてすぐに、いつもの声より低くした。
ミリカはそのクラルの声の変化に気付き姿勢を正した。
「ミリカ。貴女は信じないだろうがあの時、圭兎さんは私達の邪魔をしたのでは無く助けたのよ」
クラルは声を低くしたままそう言った。
「そうなんだ。ということはあたしの勘違いか。圭兎さんには悪いことしたわね」
ミリカはクラル同様にいつもより声を低くしさらに口調まで少し変わった。
「ミリカ。ちゃんとお風呂を出たら圭兎さんに謝るのよ」
クラルははそう言う。
「分かっているわよ。完全にあたしが悪いんだしね」
ミリカはそう答える。
「まぁ、でも、もう少しお風呂に浸かろうよ。折角なんだし」
クラルが元の声の高さに戻しそう言うとミリカは
「そうだよね。久しぶりなんだしね」
ミリカは元の声の高さと口調に戻しそう言った。
時間は三十分先に戻る。
圭兎は家を出て日課のパトロールを始める。
だが、二十分間パトロールしても珍しくゾンビもモンスターも存在してなかった。
「今日は久しぶりに早く寝れるな」
圭兎は一人でそう言う。
「うっ!?」
突然、両手が痛み圭兎はそう言う。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
その痛みが酷くて圭兎は叫んだ。
最初に手が焼けたように痛くなり、次に手が真っ二つに引き裂かれたように痛くなり、次に傷を菌だらけの手で抉られたように痛くなり、最後の今まで感じた痛みが全てまとめて来た。
なので、圭兎は痛さのあまり叫んだ。
痛みが治まり圭兎は黒い手袋を取り手を見た。
すると、腕の黒い痣が心臓のように脈打っている。
脈打っている黒い痣から変な、赤い刀のような物が出て来てからその赤い刀が目の形に変化する。
その現象が両手に起こっていた。
圭兎は見たくないので取った手袋を着ける。
そのまま、圭兎は洋服屋に行きミリカとクラル二人の寝間着を盗って今の自宅に向かい始める。
圭兎は二人の下着も盗ろうとしたがサイズが分からないし何より見られたくない部分を男に渡されるのが渡す本人も渡される本人も精神的にキツイだろうと思い盗らなかった。
圭兎が家に戻ると二人はまだお風呂に入っていた。かれこれ、一時間くらい経っている。
圭兎は脱衣所の扉を気付かれないように開け、カゴの中に寝間着を置いてその場を立ち去り、二階に行った。
「さてと、そろそろ上がろうよ」
クラルはそうミリカに言うとミリカも「分かったぁ」と言い風呂場を出てすぐにある脱衣所に向かう前にある重要なことに気付いた。
「あ、寝間着が無いんだ! どうしよう?」
ミリカはクラルにそう聞く。クラルも言われてそのことに気付いた。
「仕方ないし、洗濯しようとしていた服を着ようよ」
ミリカはそう言う。だが
「お風呂に入る前に洗濯機に入れちゃって、一時間後に動くように時間設定しちゃったよ。だから、今はボトボトでしかも洗剤が付いているよ」
と言う。二人はどうしようと考える。
「仕方ないしもう、バスタオル巻くだけにしようよ」
ミリカがそう言うとクラルは不満ながらも頷いた。バスタオルは風呂場に入る前に二枚掛けてあったのに二人は気付いていた。
バスタオルは圭兎が夕食を食べる前に洗濯したので綺麗だ。
二人はそのバスタオルで身体を拭いてからそのバスタオルを体に巻いた。
そして、リビングに向かった。
圭兎は足音も立てずに一階に下りた。
リビングは消したはずなのに灯りが点いていたので二人が上がったのだろうと分かった。
圭兎は二人に湯加減はどうだったか聞くためにリビングの扉を開ける。
すると、そこにはバスタオルだけに体を包んだ二人が居た。
圭兎は思考が停止した。
二人は扉が開く音が聞こえたのでその方向に振り向いた。
二人と圭兎は目が合った。
ミリカもクラルもそして、圭兎も皆、思考が止まっている。
一番最初に思考が動き始めたのは圭兎だった。
「ごめん。お前ら寝間着は買って来たが着ないんだな」
圭兎は嘘で買って来たといい謝る。
圭兎はまだ、言葉を続ける。
「それと、ごめんなさい」
圭兎が謝るとクラルとミリカの思考は同時に動き始めた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
二人が同時に叫んだので圭兎は耳が潰れるかと思いリビングの扉を閉めてリビング内から出た。
圭兎は怒られるかボコボコにされるなと覚悟した。
だが、一通り叫び終わるとミリカは
「圭兎さんごめんなさい」
と突然、圭兎に謝った。圭兎は何のことか分からない。今回は確実に自分が悪いと分かっていたからだ。
圭兎が返事を返さないとミリカは
「貴方のことを疑って。今回のことはあたしの分は無かったことにするから許して」
と今までの口調とは違う口調でそう謝った。
圭兎は相変わらず何のことか分からない。
「私の分も今回のことは無かったことにしますからミリカを許してあげて下さい」
今度はクラルがそう言った。
それでも、圭兎は何のことか分からない。
圭兎は今回のことは無かったことにすると言われたので罠と疑いながらもそっとリビングの扉を開ける。
すると、二人は泣きそうな顔をしていた。
圭兎はさらによく分からなくなった。
「何のこと?」
圭兎は仕方なくそう聞いた。
「あ、言葉が足りてなかったわね。貴方が助けてくれたのに邪魔をしたと思った件よ」
ミリカはいつもとは違う口調のままそう言った。
それで、ようやく圭兎は何のことに対して謝ったか分かった。
「あぁ、気にするな。俺が助けに行ったとはいえ邪魔をしたのは事実だからな。むしろ、俺の方こそ、ごめん。あの時邪魔して。そして、今回のことについてもごめん。俺が脱衣所に寝間着を置いたことを言えばこんなことになら無かったのに」
圭兎は今日の謝らなければいけないことについて、謝った。
二人はポカンとして居る。
「とりあえず、寝間着を着るなら脱衣所に行け。サイズがどれだか分からなかったから一緒のサイズを買って来たから好きな方を着ろ」
圭兎はそう言いその場を去った。
二人は急いで脱衣所に行き寝間着を着た。
ミリカの方は桃色でクラルの方はシンプルな灰色だった。
圭兎はその二人が脱衣所を出たことを知って脱衣所に向かう。
脱衣所に向かう途中二人に会ったので圭兎は「二人共似合っているぞ」と言った。
すると、二人は顔を真っ赤にしていた。
圭兎は脱衣所で服を脱ぎ風呂場に行き身体を洗ってから浴槽に浸かった。
「はぁ、疲れた。あいつらを雑に扱ったら怒る奴が多いしな。あいつらを褒めたり、優しくするのは疲れる」
圭兎は一人でそう呟く。
圭兎はお風呂をすぐに出て二人が使っていないバスタオルで身体を拭いて圭兎は明日の服装に着替える。
そして、脱衣所を出てリビングに向かうと二人が圭兎を待っていた。
圭兎は時間を見た。
時刻は午後十一時だった。
圭兎は「もうこんな時間だし寝るぞ」と言い二人を寝室に案内した。もちろん、皆、別々の部屋だ。
圭兎がミリカもクラルも寝室に案内すると、二人共「おやすみなさい」と言い布団に入った。
圭兎は自分の寝室に向かい「俺も寝るか」と言い静かに目を閉じた。




