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滅亡世界 前編  作者: 紙本臨夢
第二章前半
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三話

 歩いて孤卯未は雑貨などが売っている街にまで来た。

 外から見た雰囲気でその中から自分の好みに合いそうな雑貨店を選んだ。

 すると、百店以上あった店の数が四店に絞られた。

 一軒目は古めかしい雰囲気を(かも)し出している二階建ての店に入った。

 すると「いらっしゃいませ」と若い女性がにこやかに挨拶をしてきた。

 孤卯未もにこやかに軽くお辞儀をしてから二階に上がっていった。

 二階には小物類が置いてあった。

 孤卯未はその中で一番最初に目に入った物を手に取った。

 それは、綺麗な白いかすみ草が描かれたドーム型のネックレスだった。

 孤卯未は即座に買うと判断した。

 なぜなら、好みに合って尚且(なおか)つ値段が二千二百円と所持金から比べると随分と安かったからだ。

 次に孤卯未の目に入ったのはスノードームだった。

 手に取って見ると幻想的な都会の景色だった。

 クリスマスは遠いが安かったので孤卯未は買う事にした。

 その後にも、孤卯未は二階を見て回ったが全てドーム型だった。

 一階に降りて見回ったが一階はおもちゃや観葉植物しか置いていなかったので、孤卯未は会計を済ませた。

 後、三軒見回ったが最終的に買ったのは一般的なフォトフレームとコルクで出来たフォトフレームだけだった。

 お金が大分と余ったので孤卯未は電気屋へ入ってプリンターを買った。

 それでもお金が余ったので帰りはプリンターが重かったので孤卯未はタクシーで帰宅する事にした。

 家に着くと老夫婦が孤卯未を出迎える為に玄関に居た。


「おかえり」


 老夫婦が二人揃ってそう笑顔で言うと孤卯未は


「ただいま」


 と笑顔で返した。

 老爺は孤卯未が持っている大きな荷物を見た。

 すると、


「何それ」


 と指を指して言った。

 孤卯未は「プリンター」とすぐに答えた。

 すると、老爺は


「プリンターか。助かるよ」


 と満面の笑みで言った。

 孤卯未は何故、おじいちゃんが満面の笑み何だろうと思い首を傾げていると老爺は


「お正月の年賀状の時に助かるから」


 と答えた。孤卯未はパソコンあるのかなぁと首を傾げていると老爺は察したのか頷いた。

 とりあえず、孤卯未は靴を脱いで揃えて家に入って行って買ってきた物をを居間に置いて洗面所で手洗い(うがい)をして居間に戻ってきた。

 孤卯未はプリンターに電源を入れ設定を終えた。

 すると、老爺はパソコンを持ってきて何やら操作を始めた。

 老爺は慣れた手つきでパソコン操作してプリンターに接続した。

 孤卯未は唖然だった。何故なら、老爺が年齢に似合わずパソコンに慣れていたからだ。

 老爺はドヤ顔で孤卯未を見た。

 孤卯未はそれを見なかった事にして自分のスマホを操作し始めた。

 スマホをプリンターに接続して、一般的なフォトフレームに入れる為の写真とコルクで出来たフォトフレームに貼り付ける為の写真をカラーで印刷を始めた。

 孤卯未は全て印刷出来た写真を素早く回収し素早く自分の部屋へ向かった。

 そして、写真をコルクで出来たフォトフレームに貼り付け、そして一般的なフォトフレームに最後の一枚を入れた。

 すると、すぐに


「へぇ。その子が孤卯未の好きな人なんだぁ」


 と老婆の声が聞こえた。

 孤卯未は顔を引き()らせながら振り向いた。

 すると、老婆は孤卯未の部屋に入ってきてコルクで出来たフォトフレームの近くまで行き、真ん中の写真を指()した。


「べ、別に圭兎の事が好きって訳じゃないんだから!」


 孤卯未は何故かツンデレっぽく言った。だが、老婆


「へぇ。そうなんだぁ。圭兎君の事好きじゃ無いんだぁ」


 老婆は意地悪そうに言った。


「え? いや、そういう訳じゃ…」


 孤卯未はモゴモゴと言った。


「ま、この話はまた後ほど。夕飯出来たわよ。早く降りて来なさい」


 老婆はそう言って階段を降りて行った。

 その後、孤卯未は雑談を交えながら夕飯を食べ、今日の疲れを取る様に檜風呂に入り、風邪を引かない様に身体が温かい内に寝床へ着いた。

 そして、眠りに入った。

 老婆は静かに襖を開けた。

 すると、


「圭兎…会いたいよ…」


 と寝言で言っていたので温かい眼差しで孤卯未を見た。

 老婆は階段を降りて行った。

 すると、老爺が居た。


「もう、寝ているわよ」


 老婆の口調が少しだけ変わった。


「そうか。じゃあ、“僕”達も仕事しようか」


 老爺は静かにそう言った。

 すると、老夫婦は自分の顔の皮を持って引っ張った。

 すると、皮──マスクが剥がれた。

 そして、中から現れたのは長身の好青年と長身の美人だった。

 その夫婦の姿は二人とも孤卯未と同じ目の色、同じ髪の色だった。

 その他にも、孤卯未に似ている部分が所々あった。


「いってきます」


 若い夫婦はやさしい眼差しを家へ向けてどこかへ行った。

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