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何故か旧ソ連に来ちゃった?!  作者: 桜花
停戦、そして内戦...
90/112

シベリア送り...?

少々ヤンデレ感が出ます、ご注意下さい。

1942年、1月13日午後23時15分頃

ソビエト・ロシア社会主義共和国連邦、モスクワ郊内

ソビエト・ロシア国有鉄道(SRNR)、シベリア鉄道『ヤロスラフスキー駅』


「...誰も見送りに来ないわね」

「...まぁ私の今の立場が立場だからね...」

「...本当に何したの?貴方...」

「...国家計画を私が壊してしまったんだ」

「...色々やっちゃったのね...?」

「...ああ」

「いやいや、何故暗い顔をしているのですか。国内旅行ですよ?国内旅行」

「...は?何を言って...」

「同志書記長は同志に何と言いましたか?」

「え?...そりゃシベリア送り...」

「では何故イルクーツクと行先を決めたのですか?」

「それはシベリア送りで有名な場所...」

「それは我々の時代の時です。確かに一度イルクーツクに思想犯は向かわされますが、そこから資源のある場所へ送られていきます。それに収容所もありますからまずシベリア送りにされません」


つまり...


「その証拠にシベリア送りを誰も反対しなかったと思います。同志書記長の真意を察したから...」

「...そうか」

「まぁでも今回は長くなりそうですが...まぁ...つまり安心して良いですよ、エカチェリーナ様」

「...良かった...本当に良かった...」


...え?エカチェリーナ...?


「今度こそ貴方が消されるんじゃないかって...不安で不安で...」

「...本当に済まん」


俺は泣きそうなエカチェリーナを抱き締めた...


「もう良いから...私貧しい生活で良いから...お願いだからもう危ない事はやめて...」


それは...


「もう良いじゃない...もう充分この国は良くなったわ。もう充分...充分だから...」

「...まだだ」

「っ...どうして...!」


エカチェリーナが俺を驚いた目で見てきた...


「俺達の子供達が、孫達が幸せに暮らせる世界にしたいんだ!」

「っ...!」

「もう少し...もう少しだから...待っててくれ、エカチェリーナ...」

「...そう言われると何も言えなくなるじゃない...馬鹿...」

「すまん...」

「...頑張ってね?貴方」

「ああ、勿論だ」

「...はぁ。惚気るのはやめてください。此処が何処か分かっているのですか...?」

「「あ...」」


ヒューヒュー!

良く言った!それでこそ男だ!


「言わんこっちゃない...ま、来ますよ」

「23時25分発車の、バイカル号イルクーツク行き電車が到着します。ご注意ください」


高い女性の声が聞こえた。

「...そういえばロシア鉄道には女性の車掌も居たがソビエト・ロシア鉄道にも居るのか...?」

「はい。私が雇用を要請しました」

「成程、お前がな...」


...ん?今何て言った?この男は。


キィー...シュー、シュー、シュー...


「行ってらっしゃいませ、副大臣」

「ええ、行ってきます」


...副大臣...?どういう事だよ...?


俺は疑問に思いながら、一緒にバイカル号に乗った。


......


「うわぁ~...美しいわね...」


どうやら私達は一等席に乗ったらしい。

美しい様々な装飾が目に入ってきたのだ。


あちこちに意趣が込められている...、そう確信した。


...私は遂に抑えられなくなり、聞いた。


「...どういう事だ?同志アルフレッド。君は...何者なんだ...?」

「...私は」


ガチャ!


っ?!


「ソビエト社会主義共和国連邦、運輸通信省副大臣です、お客様」


...はぁっ?!


「見たところソ連共産党員バッチが無いようですが...礼儀がなっていないようですね。不敬罪で逮捕させて戴きます」


...は?


「...はい?!いや、ちょ、待ってってば!」

「問答無用です!捕まえま「やめなさい」っ...!し、しかし...こいつは同志アルフレッドを!」

「...同志スクリャノフ、申し訳ありません。我々の教育不足です...」

「い、いや。大丈夫だ、ああ...」

「...な、何がなんだか...同志スクリャノフ...?」

「...この人はソビエト社会主義共和国連邦共産党委員会副委員長、同志スクリャノフだ」

「っ?!」


え...?今初めて知ったよ?その肩書き。

...あれ?エカチェリーナも首肯してる...知らなかったの俺だけなのか...?


「も、申し訳ありませんでした...!」


あ、全力で謝ってきた...


「まさかそんな方だと知らず...私何て事を...」

「正直死刑ものよね...」

「ひいぃ...!!」


おいおい、エカチェリーナ。冗談でもそれはやめろって...

...ん?おい、エカチェリーナ?目に光が無いぞ...?お、おい...?


「貴方?許可さえくれれば私が殺すわよ...?」


目が笑ってねぇよ!くそ...


「エカチェリーナ...?普通に殺さなくて良いからな?な?」

「普通に...普通に...じゃあ痛い思いをさせながらなら良いのね...?」

「ひいぃ...!!」


...はぁ...仕方無い...ここは...


「殺さなくて良い!!」

「な、何でよ...貴方侮辱されたのよ...?普通死刑よ?死刑」

「...エカチェリーナ。ここで殺したら、史実のソ連だ。史実のスターリンだ。

...そこまで落ちる気なのか...?エカチェリーナ」

「っぅ...」

「...私が言えた事ではない。私も間接的に人を沢山殺めたからな...」


それにこっちに来た直後、一人殺してしまった...生き残る為とはいえ彼には悪い事をしてしまったな...

それでも...


「...」

「それでも、君には汚れて欲しくないんだ...」

「我が儘よ...」

「...確かに!確かにこれは私の勝手な我儘だ...」


俺は小さな愛しいエカチェリーナを抱き締めた...


「...?!」

「それでも、それでも君には汚れて欲しくないんだ、エカチェリーナ...」

「...」

「純粋で優しい、そんな君が好きなんだ...分かるかい...?」

「...分かってるわよ...分かってるに決まってるじゃない!

...でも、貴方が、私の大切な、世界で一番大好きな貴方が、傷付けられるのは見てられないのよ...!」


エカチェリーナは顔を覆って、泣き始めた。


エカチェリーナ...


「私貴方の為なら何だってするわ...それを分かって頂戴...」

「何でも...何でもか...」


私はそう言いながら頭を撫でた...


...結構髪の質良いな...ずっと触っていたい位だ...


「...同志スクリャノフ?何でもといっても限度はありますからね...?

まぁ、良い。有難う、ソフィア。下がって良いよ」

「は、はい。ありがとうございます...」

「...エカチェリーナ?」

「な、何かしら...?」

「結構髪の質が良いなって思ってな...」

「あ、当たり前じゃない...貴方に触られた時に不快になって欲しくないもの...」

「...この身体も...?」

「当たり前よ...寒いけど脂肪付けてないわよ...」

「...なぁ、同志アルフレッド。確か脂肪付けると逆効果だったよな...」

「え...?」

「...確かそうだったかと思いますが」

「ええ...?」

「だよな。...まぁもう三年も前だ。最近忙しすぎて忘れてしまってても不思議じゃないか...」

「...つまり脂肪付けない方が良いの...?」

「まぁその方が綺麗だしな」

「...分かったわ」

「...さ、もう夜も遅いですし寝ましょうか」


時計を見たら既に24時を回っていた。


「ああ」

「では私はあちらで寝ますので失礼します」

「ああ、お疲れさん」


彼は部屋から出て行った...


「...貴方?」

「ん...?何だ?」

「大好き...」


...可愛すぎだよ、エカチェリーナ。


...12日振りです、作者の桜花です。


...ええ、まさかシベリア鉄道を調べる為に此処まで時間が掛かるとは思いませんでした。


...さて、今回はシベリア鉄道で有名な『ロシア号』、ではなく『バイカル号』を使います。

この『バイカル号』の系列番号は9/10番です。

9番が西向き(イルクーツク~モスクワ)で、10番が東向き(モスクワ~イルクーツク)だったかと思います。

乗車時間は約80時間で、三泊四日となっています。

確か現在は隔日運行ですね。

値段は...すいません、把握していません。

しかし最近は1ルーブル=約2円ですので旅行しやすいと思います。(懐的に...)

...え?手数料?いえ、知らない子ですね。


...次は『ニジニ・ノヴゴロド駅』に止まります。(?)

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