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何故か旧ソ連に来ちゃった?!  作者: 桜花
停戦、そして内戦...
89/112

秘書、再び...

1942年、1月13日午前14時頃。

モスクワ、クレムリン郊外、共産党幹部寮。


コンコン!


「...誰だね?」

「私です、同志」


えっと...この声は...


「ああ、君か。良いぞ、入りたまえ。...まぁこんな事言える立場では無いのだが...」

「失礼します、同志スクリャノフ」


ヒュー...パタン。


「えっと...名前は確か...」

「アルフレッド・フォン・ヴァルジャンです、同志スクリャノフ」

「そうか...で、いきなりどうしたんだ?同志アルフレッド。私の引退を悲しみに来たのかね?」


俺は嘲笑しながら言った。


「...忘れたとは言わせませんよ?同志スクリャノフ。私は貴方の秘書ですよ?」


...は?


「...今何て言ったか?同志アルフレッド」

「私は貴方の秘書です。付いて行きますよ」

「...来て、くれるのか?」

「勿論です、同志スクリャノフ。拒否したとしても付いて行きますから」

「...すまない」


本当に有難う...


ヒュー...パタン。


「あら?貴方は...」

「ああ、エカテリーナ。...今回も私たちの秘書をしてくれるそうだ」

「アルフレッドと申します。毎回お世話になっています、奥さん」

「あら、そう......本当に良いの...?」

「勿論です、同志エカテリーナ」

「...そう。よろしく頼むわね?アルフレッド...アルフレッド...アドルフさん?」

「え、ええ?」

「お、それ良いあだ名だな。これからそれにするか」

「え、ええ?!じゃ、じゃあ同志スクリャノフは...ヨシフで良いですね!」

「...うーん...それは...どうかしら...」

「じゃあエカテリーナは...」

「ええ」

「「大帝で」」

「え、ええ...?何でそうなるのよ...」

「何でって...」

「エカテリーナと言ったらエカテリーナ2世ですし、ねぇ...」

「ああ、同志アドルフ」

「はぁ...分かったわよ...」

「...さ、準備は出来ましたか?」

「ああ、出来てるよ」

「私もよ」

「では行きましょうか。有難い事に同志スターリンは私有財産は没収しなかったようですから」

「...そうか」

「それは...確かにありがたいわね」


...普通なら私有財産の没収を行う筈だ...なのに何故...


「今さっき確認したところ33万6千ルーブル入っておりました」


...何が起きた?


「なぁ、カチューシャ...」

「な、何かしら?貴方」

「俺は生活費は給料から出せって言ってたよな...」

「え、ええ」

「仕方無いですよ、同志。何故なら生活費等全て党から出ているのですから」

「...つまり党員であれば給料は要らないのか...?」

「まぁ幹部クラスでないと無理ですが」

「...これが共産党幹部、か」

「節制すればある程度は持ちます。頑張りましょう」

「...カチューシャ?ソ連人民の平均収入は分かるか...?」

「...えっと、確か...月収600ルーブルで、年収は7000ルーブルだった筈よ?」

「で、同志スクリャノフは月収7000ルーブルで、年収84000ルーブルです」


...ソ連人民の年収が俺の月収ってどういう事だよ...


「分かった、有難う...」

「...準備は出来ましたか?」

「ああ」

「勿論」

「では行きましょう」


さてと、シベリア鉄道に乗ろうか。

遅れてしまい申し訳ありません。

多分次回は世界最長のシベリア鉄道です。

少々お待ちください。

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