非常召集会議
1942年、1月13日午前13時頃
モスクワ、クレムリン
「今から会議を始めます」
「...まず始めに同志スクリャノフ。状況を説明したまえ」
「同志スターリン。私がお話をs」
「モロトフ。私は同志スクリャノフに説明を求めたんだ」
「...しかし「大丈夫です、同志モロトフ」し、しかし...」
「大丈夫です...申し訳ありません、説明致します」
「ああ、頼む」
「まず最初にコミンテルンの警護部がルーズベルト大統領を保護しました」
「そうだな」
「同時に私はコミンテルンに工作を命令しました。東、つまりアメリカ軍事政府側の軍隊の出動阻止。
また同時に西側には独立を煽るように、と」
「...つまり何を言いたい?工作が上手く行き過ぎた、と?」
「...はい。私の計算不足でした」
「...はぁ...正直今すぐ同志をシベリアに送りたい」
「「?!」」
「同志スターリン?!」
「...確かにそれ程の事をした、と私自身も思っています」
「同志スクリャノフ?!」
「...だが、私は決めたからな。同志を...いや、言うのはやめておこう。...スクリャノフに命じる」
「...はっ。何でしょう」
「...シベリアで、木を数える仕事を与えよう」
「ど、同志...?」
「...謹んで、拝命いたします」
「衛兵、連れて行きたまえ」
「...了解しました。失礼します」
「いや、良い。自分で歩こう」
「分かりました」
ヒュー...パタン。
「...では、この後はどうするか話し合おう」
「...介入しましょう。彼らの独立を手伝うのです」
「...何故そう思う?同志ジューコフ」
「そうすれば少しは恩が売れ、介入が出来ます」
「...それではいかんのだ」
「...何故ですか?」
「...この戦争の為に相当金を消費している。ここで勝たなければ、分配する分が...」
「しかしアメリカ自由政府と対立する事は...」
「...講和条約交渉に賭けるしかないか...」
「はい...」
「分かった。...一度解散する」
「分かりました...」
......
「それでは。一度支度をして下さい」
「...すまない」
「...言わないで下さい。私もこんな事をしたくないのです...」
「じゃあ...」
「はい...」
はぁ...まぁ、仕方ないよな...ああ。
「ただいま~...」
「あ、貴方?お帰りなさい、早いわね」
「ああ、ちょっと色々あってね。出張行かなきゃいけなくなったんだ」
「...どこに?」
「ヤクーツクに、ね」
「へぇ、ヤクーツクに...ヤクーツク?」
「ああ、そうだ。だから荷物の支度をして貰いたいんだ」
「...ヤクーツクってあの辺境のヤクーツクよね...?」
「まぁ、そりゃモスクワと比べたら十分に辺境地帯だろうね」
それでも史実のヤクーツクよりかは同志ベリヤの都市開発計画で発展しているには確かだが。
「そこに何の為に出張を...まさか、貴方...」
「...どうした?早く荷物を纏めてくれないか?」
「...シベリアに、行くのね...?」
「まさか、何であんな辺境に行かなきゃいけないんだ」
「...私も連れて行って頂戴」
「だから単なる出張だから...」
「嘘よ。じゃあ何で...そんな悲しそうな顔をしてるのよ...」
「...」
「...答えて?貴方。貴方に何があったの...」
「...理由は言わない。...だが、聞かなければ一緒に付いて行っても良い。...不便にはさせないつもりだ」
「...貴方...」
「...どちらか選べ」
「...分かったわよ。理由は聞かないわ」
「...有難う」
「...私も行く支度をしなきゃ、ね。貴方の分は貴方でお願い」
「...分かった」
...本当にすまない、エカテリーナ...