決断
1942年1月12日午前4時頃
アメリカ軍事政府、ワシントンD・C、ホワイトハウス
...このままではいけない...どうにかしなければ...
コンコン!
「...入りたまえ」
重厚な扉が開き、ある男―秘書、が現れた。
「失礼します、大統領。ソビエト社会主義共和国連邦連合艦隊司令官から電報です」
...降伏勧告、か。
「読みたまえ」
「...分かりました。
...我がソビエト社会主義共和国連邦は貴政府に対して、降伏を勧告する。
貴政府は軍事で、民族自決の精神を踏みにじり、人民を不幸にしている。
そのような貴政府を到底容認する事は出来ない。
これ以上両国の青年の命を喪われる事は望んでない。
速やかに、降伏せよ...
、との事です」
「...大統領。如何なされますか?」
...はぁ...そうしよう...だがその前に一応聞くか...?
「返答期限はどうなっている」
「...彼を呼んで来たまえ」
「...しかし、彼らを呼んだら...!」
「...呼んで来たまえ」
「...分かりました」
電報を持って来た男を呼びに行かせた。
「離反州は38州、か...何とも言えんな...」
「大統領...」
「気にしないでくれ...」
「...分かりました」
最近体調が悪くなって来た...だが、あいつを...あいつを大統領に就かせる訳には...コンコン!
「大統領、呼んで来ました」
「...有難う、入りたまえ」
扉が開いて、私が最も嫌いな奴らが入って来た。
「どうした、大統領」
「現在ソビエト社会主義...「ソ連だ」...失礼。
ソ連が我が政府に対して降伏勧告をしてき「断れ」...だが!
...今38州が離反している状態だぞ...」
...奴が此方に笑顔を向けながら言った。
「忘れたかね?我々は排他的愛国主義だ。他国なぞ知らん」
「...しかし私はフリーメイソンだ、KKK」
「はっ...!流石だな、ルーズベルト」
「お前程じゃないよ、トルーマン...
ここまで化けの皮を被って居たとはな...」
奴はニタリと笑って言った...
「政治家はそんなものだ」
「...我々フリーメイソンはKKKを絶対に許さないぞ...アメリカ歴代大統領史に汚点が残る...」
「はっ...!そうほざいてるんだな。...じゃあな」
部屋から奴ら(KKK)が出ていった...
「くそっ...!...結局この手を使わなくてはいけないのか!」
「大統領...?」
私は皮肉な笑みを浮かべながら言った。
「...保安大佐」
「...へ?」
「君の事だよ、第一秘書」
「...何故分かったので?」
「そんな事は後だ...降伏勧告を受け入れる。そちらの書記長にそう伝えてくれ」
「しかし大統領、KKKは...」
「私はどうなっても良い...だが、アメリカが、自由の大国があんな団体に乗っ取られては恥なんだ、宜しく頼む...」
「分かりました...条件はどうしましょう」
「独立はさせてくれ
...あと、KKKも消してくれたら有難い...自由の大国に取って害悪にしかならないのだからな...
あとは国際法を遵守してくれれば問題ない」
「...分かりました。もしゲリラ兵が出て来たらどうしましょう」
「国際法に従って殺して良い。何とか非武装宣言を出しておくがそれでも出て来たらそれはやってくれ」
「分かりました...一応貴方の警護の為に警護部の職員を連れてきます」
...保安大佐が出ていく。
...警護部だったか...まぁ良い...大英帝国は独立している...上手く行けば我が国も...!
私が言える事ではない...日系人の財産を没収し、収容所に入れた...
だが...自由でなければ...自由でなければアメリカではないのだ...!
...
同年同日午前4時32分頃
西大西洋上、『ティルピッツ』第一艦橋
...降伏勧告、か...正直受け入れない可能性しかないな...まぁ同志スクリャノフの考えだ、受け入れよう。
にしても我が大英帝国が敗戦した直後、チャーチル首相がいきなりモスクワに我々を呼んで、着いたら同志スクリャノフの引退式、まぁ最終的にはしなかったが、参加して...
あれは楽しかった...
コンコン!
さて、何だろうか...
「入りたまえ」
扉が開いて、通信兵が入って来た。
「同志ブルース・フレーザー司令長官、電報です」
...まさかもう拒否してきたのか...?
「...読み上げたまえ」
「はっ...では。
アメリカ軍事政府は降伏勧告を受諾した。
残りの38州もほぼコミンテルンが掌握している。速やかに、上陸を開始せよ
、との事です」
...あのルーズベルトが降伏勧告を受諾したか...裏で何かあったな...?
...まぁ良い。
「上陸作戦を開始せよ、我が連合軍に栄光あれ」
そう語った。