帰ろう、帰ればまた会えるから...
共産主義者発狂注意(真顔)
「...んっ...」
ここは...どこだ...?
「こちらを向きなさい」
「ん...?」
俺は声のした方を向いた...
...神...様...?
「そうです、ある意味神と呼ばれる存在です」
「っ...心を読めるのか?」
「はい、神ですから」
「じゃあ俺の願い」
「分かってます」
「じゃあ...!」
「ただ...少し問題が...」
「...言ってみてくれ」
「...次あっちに行くと、もうここには帰って来れないのです...」
「なっ...」
「つまりもう貴方様の両親、姉弟や親戚には...」
「...」
「ですから良く考えてから...」
「なあ...」
「...はい」
「お前は何故あの世界に連れていってくれたんだ...?」
「それは...」
「...教えてくれ、エカテリーナ大帝」
「っ...何故その名を...」
「ロシアの女帝というと何人かいる。だが神格化されているであろう女帝というとエカテリーナしか居ない。だがエカテリーナは二人居る。問題は前者か後者か、だが...」
「...」
「エカテリーナ大帝と付くのは後者だけだ。違うか?」
「...正解です。流石、私が見込んだ人ですね」
「ん、有難う」
「...理由は、貴方がソ連を救ってくれる、と思ったからです」
「...それだけか?」
「え...?」
「本当にそれだけなのか...?」
「...」
「私の妻、エカテリーナの総称はミハイル・アレクセーエヴナ・エカテリーナ。そしてエカテリーナ大帝、貴女は」
『アレクセーエヴナ・エカテリーナ』
「まさかとは思いましたが...そうですか?エカテリーナ大帝」
「...大正解よ、ミハイル。...そう、あの娘は私の子孫よ...」
「やはり...」
「まあそうは言っても分家の傍流で平民に落とされた家系だけどね...」
「そ、そうなんですか...」
「...だけどあの娘は私の最後の家系の娘なの...」
「ロシア革命で貴族は消されましたからね...」
「ええ...だからお願い...あの娘を守って...?日本人の貴方だからこそ言える事なの...お願いだから...」
「...分かりました。例え私がロシア共産党正史から消されたとしても守り抜きましょう...」
「...有難う、ミハイル」
「いえ...」
「...ねぇ、ミハイル...私をカチューシャって呼んで...?こんなあれだけど...ね...?」
「...おいで、カチューシャ」
「っ...!み、ミハイル?!」
「...どうした?カチューシャ。早くおいで...?」
「...意地悪」
俺は向かってきたエカテリーナ大帝改め、カチューシャを抱き締めた...
「ん、有難う、カチューシャ」
頭を撫でる...
「ひ、卑怯よ。あ、頭をななな、なでるなんて...」
俺は耳元で囁いた...
「...本当に有難う、カチューシャ」
「ううぅぅぅ...か、神になんて事を...」
「俺は貴女をある一人の女として接しているのだが...?」
「っ~~~!わ、分かりましたから!貴方は戻るのですね...?!」
「はい」
「...分かりました。では送りますね?」
「ああ...」
「では送り込みます...」
「...」
「...頑張って来てください」
「ああ」
「...では」
その瞬間俺は額にキスをした。
「っ...!ば、馬鹿~!」
俺はエカテリーナが顔を真っ赤にしたのを見て、もう一度気を失った...




