朝会
1941年12月19日 8時頃
クレムリン、会議室
「さ、皆集まったな。始めよう」
「まず私から」
「何だ?ベリヤ」
「KGBの全機関の強化を推し進めたいと思っています」
「今のままでも充分だと思うのだが...」
「いえ、まだまだです...ですよね?同志スクリャノフ」
「っ...え、ええ、そうですね、同志ベリヤ」
まさかコミンテルンに対抗してか...まぁ仕方ないか...
「ふむ...分かった、スクリャノフが言うならそうしよう...」
「有難うございます。あと、一応一つ聞きたい事がありまして...」
「何だ?」
「現在シベリア鉄道はソ連各地に張り巡らされています」
「それで?」
「名称を変えた方が宜しいのでは、と思いまして」
「...まぁ、それは確かだな」
「そこで、国民にアンケートを取って、名前を付けてみてはどうかと思いまして」
「成程...一応考えておくよ...」
「有難うございます」
「じゃあ次は...」
「私が」
「モロトフか」
「アメリカが遂に非常事態宣言を出しました」
「...そうか、流石に来たか...」
「はい。国民が暴徒化しています」
「そうか...」
「そしてウクライナが...」
「もう駄目だな...」
「同志スターリン、モロトフ。良い案があります」
「ほう...?」
「何だね?同志スクリャノフ」
「ウクライナを独立させるのです」
「ウクライナを?!」
「ウクライナを欧州の穀物庫と知って言ってるんだよな?スクリャノフ」
ひっ...!久し振りに睨まれた!しかも本気で...!
「内容はこちらです」
俺は内心怯えながら外は冷静に答えた...
俺は資料を配布した
人民委員、閲覧中
「ふむ...」
「...どうでしょうか...」
「これで良いと思うが...」(スターリン)
「というか国潰す気だよな...」(ベリヤ)
「それは確かだな、ベリヤ」
「特に同盟の項が酷いですね、コーバ...」(モロトフ)
「私の考えでは独立しても良い事無いよ、という考えを打ち込む為にこうしました」
「それは良い事だ」
「ですね、同志スターリン」
「だからこんな条件が酷いのだな...」
モロトフはつい苦笑した...
「因みに仮称として西ウクライナ共和国としましょう。首相はフルシチョフで行くつもりです」
「フルシチョフ...?何故彼だね?」
「奴は貴方の死後、貴方の批判を行っています」
「何っ!」
「それにジューコフ元帥は左遷されています」
「...そうか」
「農業改革に失敗し、その穴埋めにアメリカ、カナダから穀物を輸入しています」
「...は?」(スターリン)
スターリンは盛大に呆れ声をもらした...
あ、やばい、マジギレのスターリンだ...
「私を批判しておきながら農業改革失敗。ほぅ...確かに史実では粛清をしすぎただろう、特に海軍はな...だが私はそのような失態はしていないぞ?...ベリヤ、この原案そのままで良いからウクライナ第一書記、ニキータ・フルシチョフに渡して来てくれ」
「分かりました」
「モロトフ、いや、スクリャービンはスクリャノフと共に、トルコに飛んでくれ」
「分かりました、コーバ」
「命令書はこの後書く、取り敢えず今日の会議はこれにて解散」
皆、散っていく...
「スクリャノフ」
「はっ、なんでしょうか?同志スターリン」
「有難う、このようにしてくれて」
「いえ、私もフルシチョフは嫌いですから」
「にしても合法的に消す気なんだろ?」
「...正解です。ウクライナの統治を失敗させ、シベリア送りか、クレムリン送りにしようと思っていました」
「そうか...まぁお疲れ様だ」
「有難うございます、同志スターリン」
そして十時頃命令書が手渡され、片方はウクライナへ、もう片方はトルコへ飛んだ...
フルシチョフねぇ...なんと言うか...