祖国（ロジーナ） ４
１９４１年十二月一日
午前十時頃
東京、枢密院庁舎内
厳かな雰囲気が漂っている...
一般人が居たら堪えられないような重圧だろう...
当たり前である。
七日後アメリカと開戦しする事が既に確定しており、この御前会議は開戦前最後の御前会議になるからだ。つまり開戦前の最後の作戦会議という事。重くならざるを得ない...
今回の出席者は以下の通りである。
天皇陛下
昭和天皇
総理大臣兼国務大臣
東條英機
枢密院議長
鈴木貞一
枢密院顧問官
石井菊次郎
有馬良橘
窪田静太郎
石塚英蔵
清水澄
南弘
奈良武次
荒木寅三郎
松井慶四郎
菅原通敬
潮恵之輔
林頼三郎
深井英五
真野文二
参謀総長
杉山元
参謀次長
田辺盛武
軍令部総長
永野修身
軍令部次長
伊藤整一
宮内大臣
松平恒雄
「では、今から御前会議を開催する」
枢密院議長が開催を宣言した、最後の作戦会議の始まりである。
まず手を上げたのは『陛下』であった。
「天皇陛下」
『まず作戦内容を改めて聞かせていただきますか？』
まず永野修身軍令部総長が手を上げた。
「永野修身軍令部総長」
「伊藤整一中将、準備を御願いします」
「分かりました」
・・・
「...では失礼ながら私から説明させて頂きます」
一拍置いて話し始めた...
真珠湾奇襲部隊
第一航空艦隊
司令長官：南雲忠一中将
参謀長：草鹿龍之介少将
第一航空戦隊
南雲長官直率
空母「赤城」、「加賀」
第二航空戦隊
司令官：山口多聞少将
空母「蒼龍」、「飛龍」
第五航空戦隊
司令官：原忠一少将
空母「瑞鶴」、「翔鶴」、駆逐艦「秋雲」
艦載航空機379機（烈風改157機、流星改218機、二式艦上偵察機4機）
第三戦隊
司令官：三川軍一中将
戦艦「比叡」、「霧島」
第八戦隊
重巡洋艦「利根」、「筑摩」
第一水雷戦隊
司令官：大森仙太郎少将
軽巡洋艦「阿武隈」
第一七駆逐隊
駆逐艦「谷風」、「浦風」、「浜風」、「磯風」
第一八駆逐隊
駆逐艦「陽炎」、「不知火」、「霞」、「霰」
特殊潜航艇5隻（甲標的5隻）
指揮官：佐々木半九大佐
第二潜水隊
司令：今和泉喜次郎大佐
潜水艦「伊19」、「伊21」、「伊23」
第一補給隊
司令：大藤正直大佐
油槽船、「極東丸」、「健洋丸」、「国洋丸」、「神国丸」
第二補給隊
油槽船「東邦丸」、「東栄丸」、「日本丸」
兵員揚陸艦
神州丸
大発（29隻）
あきつ丸
三式指揮連絡機（8機）
大発（30隻）
大日本帝国海軍陸戦隊
艦艇陸戦隊
第一大隊（480名）
第一中隊（160名）
第一小銃小隊（40名）
第二機関銃小隊（40名）
第三迫撃小隊（40名）
第四支援小隊（40名）
第二中隊（160名）
（省略）
第三中隊（160名）
（省略）
第二大隊（480名）
（省略）
第三大隊（480名）
（省略）
第四大隊（480名）
（省略）
第五大隊（480名）
（省略）
独立機甲中隊（150名）
特三式内火艇十両（70名）
第一銃小隊（40名）
第二迫撃小隊（40名）
計五個大隊及び一個中隊弱（2550名）
ソ連義勇軍
独立義勇旅団（6000名）
第一義勇大隊（1700名）
第二義勇大隊（1700名）
第三義勇大隊（1700名）
第四義勇支援大隊（900名）
「こちらが真珠湾占領作戦の戦力内容となっています。」
「ふむ...それにしても海軍と陸軍は仲が悪かった筈ですがよく神州丸、あきつ丸を借りる事が出来ましたね...」
「（苦笑）実はミハイルさんが此方に来ている時私と、陸軍の杉山を呼び出して叱って来たのです...」
「最初は只の外交官と聞いて、何故他国の外交官に怒られなければいけないのだ、と思っていたのですがまさか彼処までの高官だったとは...」
「杉山参謀長...今なんと言いましたか？ミハイルさんが高官...？」
「はい、ソ連の特別大将です。」
「...そうですか...特別大将だったのですか...」
「誠に失礼ながら質問させて頂きますが、何故ミハイル殿の助言を聞いたのですか？」
「...速記を止めて下さい。」
「陛下？」
「御願いします。」
「...分かりました、速記を止めて下さい。」
速記を止めた...
「実は...彼自身は未来から来た日本人なのです。」
「？！」
「まさか...」
「何故かある日起きたらあの体に入っていたらしく...」
「成程...」
「...速記を再開させて宜しいでしょうか？」
「宜しく頼む。」
「速記、再開させて下さい」
「では次に占領までの流れを説明させて頂きます」
...
「では次はフィリピン占領作戦を私が説明させて頂きます」
亜細亜植民地解放部隊
第25軍
司令官：山下奉文中将
参謀長：鈴木宗作中将
参謀副長：馬奈木敬信少将
高級参謀：池谷半二郎大佐
作戦主任参謀：辻政信中佐
第5師団
師団長：松井太久郎中将
4個歩兵連隊（歩兵第11、第21、第41、第42連隊）
捜索第5連隊
工兵第5連隊
砲兵第5連隊基幹
近衛師団
師団長：西村琢磨中将
3個歩兵連隊（近衛歩兵第3、第4連隊、第5連隊）
近衛捜索連隊基幹
第18師団
師団長：牟田口廉也中将
師団主力
3個歩兵連隊（歩兵第124連隊（川口支隊）欠）
歩兵第56連隊（佗美支隊）
歩兵第55連隊（木庭支隊）
歩兵第114連隊（小久久支隊）
第3戦車団
戦車第1、第2、第6、第14連隊
独立工兵第4、第15、第23連隊
独立山砲兵第3連隊
野戦重砲兵第3、第18連隊
第3飛行集団
集団長：菅原道大中将
作戦機459機、予備153機
南遣艦隊
旗艦：鳥海（第二艦隊第4戦隊より）・・・小沢治三郎中将
第7戦隊（第二艦隊より）・・・栗田健男少将
熊野、鈴谷、最上、三隈
第3水雷戦隊（第一艦隊より）・・・橋本信太郎少将
川内
第11駆逐隊：吹雪、白雪、初雪
第12駆逐隊：叢雲、東雲、白雲
第19駆逐隊：磯波、浦波、敷波、綾波
第4潜水戦隊（連合艦隊直属より）・・・・吉富説三少将
鬼怒、名古屋丸
第18潜水隊：伊53、伊54、伊55
第19潜水隊：伊56、伊57、伊58
第21潜水隊：呂33、呂34
第5潜水戦隊（連合艦隊直属より）・・・醍醐忠重少将
由良、りおでじゃねろ丸
第28潜水隊：伊59、伊60
第29潜水隊：伊62、伊64
第30潜水隊：伊65、伊66
第9潜水隊（第三艦隊第6潜水戦隊より）
機雷敷設潜水艦伊123、伊124
第12航空戦隊（第三艦隊より）・・・今村脩少将
特設水上機母艦神川丸、山陽丸
機雷敷設艦辰宮丸（第三艦隊第17戦隊より）、長沙丸
第22航空戦隊（第十一航空艦隊より）・・・松永貞市少将
元山海軍航空隊
美幌海軍航空隊
作戦機158機、予備29機
第12駆潜隊・・・平岡粂一少将
第7、8、9号駆潜艇
第12特別根拠地隊・・・奥信一少将
通信隊、陸戦隊一個中隊
工作艦朝日、病院船朝日丸、給炭艦室戸（連合艦隊附属より）
「このようになっています。」
「...牟田口、か...」
「やはり引っ掛かりますか、永野修身軍令部総長...」
「ああ...」
「確かインパール作戦で指揮し、無能と言われてましたよね？」
「その通りです、陛下」
「第十八師団壊滅、ですか...」
「はい...」
「同じような事が起きなければいいのですが...」
「...予備役に編入させて、新しい人を着かせますか...」
「分かりました、陛下。私の命令で予備役に編入させます。その代わり新しい司令官を着かせますが誰にしましょう...」
「うーん...」
「...敢えてここは栗林忠道はどうだろうか」
「何故だ？東條首相」
「彼は知米派だがだからこそ彼らの弱いところを突いてやれそうだからな。」
「ふむ...」
「よし、東條が言うんだ。そうしてみよう」
「有難う御座います、陛下」「では次は占領までの流れを説明します」
...
「...分かりました、承認しましょう」
「「有難う御座います」」
「では陛下、出来れば今作戦の命名を御願いします」
「...菊一号作戦」
「分かりました。今作戦『菊一号』は十二月八日開始、終了予定日は十二月二十三日とし、了承します」
全員から割れんばかりの拍手が起きる...
