祖国(ロジーナ)
同年六月二日 午前一時十二分
ソヴィエト連邦、モスクワ郊外
「全員集まりました。」
「よし。じゃあ最終調整をしよう。」
「明日一度彼らはモスクワに帰ってきます。」
「十四時頃だな。」
「はい。」
「スターリン同志を操り、独裁している奴は殺さなければな。」
コンコン!
「おや?こんな真夜中に誰か来たようだ。」
「ちょっと扉開けてくる。」
青年は扉を開けた...
「何です...か...?」
扉の奥から見えたのは外套で全身を包んでいた集団で先頭の人は拳銃を構え...
ズダーン!
え...
彼の意識が遠のいて行くのも時間の問題だった...
...
「こちらКатюша(カチューシャ)、制圧完了。リーダーと側近は確保。以上、送れ。」
同年同日 午前二時頃 モスクワ、クレムリン
「...」
コンコン!
「良いぞ。」
扉が開く...
「NKVDからの報告です、スターリン同志。」
「早く言ってくれ、ベリヤ同志。」
「今回の掃討で、反体制派テロ組織を八個掃討出来ました。あと、四個です。」
「...あと四個、か...」
「はい。残ったテロ組織は人数が多く、根絶やしする事が厳しいのが現状です...」
「...再来月までには殲滅させたまえ。必ず、だ。」
「分かりました、スターリン同志。」
同年六月十八日 午前十時十五分頃
日本海、空母『赤城』甲板上
「敵機ー直上ー、急降下ー!」
上空から艦上爆撃機が急降下してくる...
急いで対空砲火を上げる...
が、遅かった。
爆弾が投下される...
そのまま甲板に直撃...
甲板破壊、中破判定だった...
「終了!訓練終了!」
「っ...また負けたか...」
「仕方無いさ。なんと言ったって相手は大日本帝国海軍だ。今回は良くやったよ。」
「しかしだなぁ...」
実際良い結果を残している...
大日本帝国海軍の成績
赤城 中破
敵機×18機 撃墜判定
ソ連海軍の成績
加賀 小破
艦長 軽傷
参謀 重傷
敵機×八機 撃墜判定
このようにある意味ソ連海軍は戦術的勝利を上げているのだから。
「お疲れ様です、ゴルシコフ少将。」
「っ...!お、お疲れ様です、山口中将。」
「慣れましたか?」
「...まあまあといったところですかな。」
「まあまあにしては良い成績だと思いますが。」
「...まぁ戦術的勝利はしたからな...」
「ええ。我が帝国海軍でもある程度のレベルに入る筈です。頑張って下さい。」
「有難う、山口中将。」
「では失礼します。」
...
「頑張らなくてはな...」
同年六月二十三日 十三時
レニングラード、造船所
ここで今『ライン型駆逐艦』が生まれた。
そう、大日本帝国海軍の元秋月型駆逐艦である。
因みにここまで早く竣工したのには理由がある。
そう、史実の松型急造駆逐艦で使用された『ブロック工法』である。
これにより、建造日数が短くなっただけではなく、魚雷、爆雷も復活したのだ。ブロック工法の全採用は軽巡洋艦までとされた。
これにより、秋月型駆逐艦は三ヵ月から四ヵ月に縮まり、夕雲型駆逐艦は五ヵ月から六ヵ月、阿賀野型軽巡洋艦は八ヵ月から九ヵ月に縮まった。
あとブロック工法について付け加えるなら、重巡洋艦から上にも一部ブロック工法を採用している為数ヵ月早まっている。
ところでブロック工法にすると、どうしても直線形になるのだが、直線形にしたら速度がかなり遅くなるのでは、という人がいる。
ただ結論はある人の計測結果によると、直線形でも、思うほど損失速度はなかったそうである。
因みにソ連海軍の命名基準は新しくなっている。
駆逐艦は「ソ連及びソ連領各国の河川名」。
軽巡洋艦は「ソ連及びソ連領各国の山名」。
重巡洋艦は「中小都市名」。
戦艦は「大都市名」。
航空母艦は「ソ連及びソ連領各国の首都名」。
因みに現在『ライン型駆逐艦』は六隻竣工しており、艦名は別に記載する事にする。
同年八月五日 四時十三分
モスクワ、クレムリン
コンコン!
「良いぞ?」
彼の右腕が入ってくる...
「...」
「...どうした?ベリヤ。...まさかアメリカの事で何かあったか?」
「...ここに...」
「...ここに...?」
「...ここに反体制派テロ組織掃討終了を宣言します...!」
「おぉ!お疲れさん!」
「はい!」
「そうか...遂に終わったか...掃討に関わった隊長には勲章を贈らなければな。」
「ええ。」
「...本当にお疲れさん。」
同年八月九日 十時頃
モスクワ、クレムリン
「では、スターリン同志。御願いします。」
演壇に上がる...
「...ここにNKVDを解体し、MDV及びKGBを創設する!」
...
ここにソヴィエト連邦内務省(MDV)と、KGBが創設された。
KGBは旧ソ連の象徴とも言われる有名な諜報機関である。
勿論司令官はベリヤ同志である。
これにより、ベリヤの肩書きは以下の通り。
「ソ連内務省委員及びKGB長官」
因みにNKVD解体時に幾らか隊員が密かに粛清されたのは秘密である。
同年八月九日 十四時頃
レニングラード、造船所
『ヴォルガ型駆逐艦』十二隻竣工。
元は『夕雲型駆逐艦』である。
因みにあと二ヵ月後には元『阿賀野型軽巡洋艦』十二隻、『ライン型駆逐艦』、六隻、計十八隻が竣工予定である。
同年八月十七日
兵器更新が行われた。
更新された兵器は以下の通りである。
Mig-17(空及び艦載機型(全種類))
富嶽(爆撃及び輸送機型)
IS-7
フンメル
ヤークトティーガー
D-20 152mm榴弾砲
M-46 130mmカノン砲
120mm迫撃砲PM-43
RPG-2
AKS-47
スチェッキン
マカロフ
*AKS-47は特殊部隊用で、通常部隊は今まで通りである。
因みに性能等、スペックは別に記載する事にする。
更新を六日間も出来なくて申し訳ありませんでした...
次回はもっと早く書き上げます...誠に申し訳ありませんでした...