新婚旅行 8
同年同日 九時十二分 フィンランド北部、ホテル(最上階)
「...」
「...」
「...」
...さてと...静かだなぁ...(震え声)
いや、原因は分かるよ?
俺の一言なのは分かるが...はぁ...何とかしなくては...
「カチューシャ?」
ビクッ
「な、何かしら?」
「いや、味どうかなと思ってな。」
「お、美味しいわよ?ね?サラ。」
「...え...!?あ、はい。美味しいです...」
「ん、なら良いんだ。もし口に合わなかったらいけないからな。」
...
...さてと...今の挙動から導き出すと...恐怖...?
何に対してだ...?
...まさか俺?確かにあの時言った言葉は低く言ったが...
...それとなく伝えるか...
「...貴方?」
「...何だ?」
「...まだ怒ってる...?」
「...一言言うぞ?」
「「...」」
「...」
席を立ち、二人を抱き締める...
「ぁ...」
「ミハイルさん...」
「良い事を教えてやろう。俺は怒っても数分後には収まるという事を。」
「...」
「日本人の時からの性格だ...暴力を振るおうとしたら、しないようにその場から逃げた...それでも厳しい時は自分の足を殴った...何があっても人に暴力を振るわないように...」
「貴方...」
「これが私だよ...(苦笑)...失望したかい?」
二人共、首を横に振る...
「それが貴方だもの...最初出会った時の...優しい貴方...」
「ミハイルさん、それが出来るという事は貴方が強いからです...強いから自分を制御出来るのですから...」
「カチューシャ...サラ...」
「いつでも頼って頂戴?私は何があっても貴方の味方だから。」
「出来るだけ私も支援しますから、ね?」
二人共優しく微笑んでくれた...
「...ありがとう、二人共。」
「さ、楽しく食べましょう?」
「はい!」
「ああ。」
―――――
「やっぱり貴方と食べると美味しさが違うわね...」
「好きな人と食べるという幸福ですよね。」
「ええ...」
「今まで寂しい思いさせて済まなかったな、カチューシャ。」
「本当に寂しかったのよ?結婚した時、ああ、これからミハイルとの幸せな生活が始まるのね。そう思っていたら貴方はすぐに執務に着いて...正直寂しすぎて何ヵ月か毎晩泣いていたわ...」
「本当にすまん...」
「...でも今は幸せだから...(微笑む)」
「カチューシャ...」
「貴方...?結婚してくれてありがとう。」
世界最高の妻が優しく微笑んだ...
本当に最高だなぁ、もう...
「あ、オーロラ...」
「え、本当?」
「はい。」
三人でベランダに出る...
「...綺麗ね...」
「あぁ...」
「...ミハイルさん?」
「...何だ?サラ。」
「私頑張りますから...見守っていて下さい...」
「...分かった、サラ。」
頭を撫でながら微笑んだ...
「あ、流星群...」
「おぉ...」
...
皆心の中で祈っているのだろうか...静かだ...
...対米戦が上手くいき、ソヴィエトを民主主義国家にして、老後は静かに過ごしたい!
お願いします!
私はそう祈った...
新婚旅行シリーズ(惚気話)はこれにて終了です。
次回は色々な物を突っ込む予定です。
それでは次回「国家(?)」お楽しみに。




