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何故か旧ソ連に来ちゃった?!  作者: 桜花
英米戦争
48/112

新婚旅行 5

同年同日 四時四十二分 フィンランド上空(機内)

「さてと...」

首相はあのあと三十分近く泣き続け、泣き終わったと思えば私の胸に寄りかかって寝てしまった。

今からはカチューシャに対する説教の時間である。

「カチューシャ...?」

「...」

...完全に拗ねてるな...

体の向きを私の反対側に向けている...

「...そのままの体勢でも良いから聞いてくれ...」

「...」

「権力、まぁ力を持つという事がどういう事か分かるかい?」

「...」

「...それは部下の命を、彼らの人生を自由に出来るという事だ。まぁ難しく言えば生殺与奪権を持つという事。」

「...」

「つまりまだ生きたかった人の人生を命令だけで終わらせる。つまり殺す事が出来るという事だ。」

「っ...」

「彼らの後ろには家族があり、親友等がいるはずだ。つまり命令だけでその者の人生を終わらせるだけでは済まず、彼らの家族、親友の人生をも間接的にだが変えてしまう...」

「っ...!」

「優しくて、聡明なお前には意味分かるだろう?そういう事だ。」

「...(首肯する)」

「あとは何も言わないでおこう...そこからはお前さんが考えて答えを出すんだ。」

「...(首肯する)」

「最後に言っておく。」

「...何...?」

「大好きだよ、カチューシャ。(微笑む)」

「っ...」

「じゃあ首相をベッドに置いてくr...カチューシャ...?」

カチューシャが私の服を掴んでいる...

「カチューシャ...?」

「...」

「お願いだから手を離してくれ...首相をベッドに運ぶだけだから...」

「...離れたくない...」

「カチューシャ...」

「嫌よ...離れちゃ駄目...駄目だから...」

涙目になりながら私の服を掴んで離さない...

カチューシャ...

「...はぁ...ったく、我儘だなぁ...」

カチューシャの頭を撫でる...

「ぁ...」

「すぐ戻って来る。(微笑む)」

「...うん。」

涙が目から零れないようにカチューシャは頷いた...




―――――




機内、寝室

「よし、これで大丈夫だな。」

...ぐっすりと寝ているな...まぁ仕方無いか...

「...寝ていると思いました...?」

「おや、起きてたか...」

「ええ...」

「んで、何か用か?」

「...単刀直入にお訊きします...」

「ん、どうぞ?」

「...このまま行ったらミハイルさん殺されますよ...?」

「ほぉ...?」

「とぼけないで下さい。私はミハイルさんの為に言ってますから。」

「...」

「...ミハイルさん、今すぐ本国へ帰るべきです。まだ本国の方が安全です。」

「...十二。」

「えっ...?」

「私を暗殺しようとしている組織の数だよ。」

「っ...!」

「スターリン同志を操っている黒幕、ねぇ...確かに私は色々政策を打ち出してきた...そう見えるのも仕方無いさ...」

「ミハイルさん...」

「だが...!私は偉大なる祖国、ソヴィエトを良くしようとしているだけなんだ!」

ベッドを叩く...

「っ...!」

「あ、すまん。怖がらせてしまったな...」

「いえ、大丈夫です...」

「...まぁ、アメリカを倒したらある程度後始末をして退陣するか...」

「!?み、ミハイルさん?何を言って...」

「私の階級はなんだったか覚えているか?」

「特別大将ですね...っ...!まさか...」

「正直アメリカを倒したら用無しになるんじゃないか?俺は。」

「そんな...!」

「いや、良いんだよ。シベリア送りや投獄されなければ...むしろ出来れば静かに後世を過ごしたい...」

「...」

「有難う、首相。私の事を思ってくれて。(微笑む)」

「当たり前です...私をフィンランドの首相にしてくださったのですから...」

「私を慕ってくれる部下がいる事を嬉しく思うよ。」

私は微笑みながら頭を撫でた...

「ミハイルさん...」

「じゃあ私は失礼するよ、お疲れさん。」

「...はい...」

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