ミハイルの経歴
1941年 二月二十五日 十時二十五分 大日本帝国、陸軍兵器開発局、試射場
「これがAK-47か...」
「ええ、中佐。」
「ふむ...一応性能を聞こうか。」
「一分間に約六百発撃てます。」
「ッ...?!それは本当なのか?」
「ええ、中佐。」
「これで、か...」
「ええ、我が国は多少技術が遅れている発展途上国にも簡単に作れるように、と考え造りました。全ては帝国主義をこの世から消し、素晴らしい世界に変える為に。」
「成程...ところで撃ってみても良いか?」
「勿論です。」
「じゃあ...」
安全装置を外し、構える...
ダダダダ!
「おお...素晴らしい...これを我が国にくれるのか...」
「ええ。最初は五万丁を、弾付きで。勿論お金を払ってもらえればライセンス生産も許します。ただ完全に軍事機密として扱って下さいね?」
「それは勿論です。」
「ではこれからも宜しくお願いします。」
「ああ、宜しく頼む。」
同年同日 十三時十二分 ソ連、クレムリン
コンコン!
「ん、ミハイル同志か。入っても良いぞ。」
「失礼します。」
室内に入る...
「貴方、お疲れ様。」
「お、カチューシャ。ここで何してたんだ?」
「ちょっと同志スターリンと話していたところよ。」
「ほう、そうか。」
「で、どうしたのかね?」
「ああ、すいません。全部の国AK-47を受け入れてくれました。」
「おお、そうか。それは良かった。」
「...スターリン同志?カチューシャを取らないで下さいよ?」
「...私が取ると思うのかね?」
「無いと願っておきます...もし取ったら同志スターリンを殺して自分も死ぬか、自分だけで死にますから。」
「ああ、分かった。肝に銘じておくよ。」
「まあ取り敢えず...富嶽の完成のめどが立ちました。」
「おお...遂に、か...エンジンは?」
「ターボプロップエンジンを使用します。なので現在試作中です。」
「ふむ...速度は?」
「八百から九百キロ程度に成る予定です。」
「ふむ...レシプロでそれだろ?」
「ええ...因みに史実の未来に作る物はレシプロでは世界最速の958kmです。」
「...未来...?」
「「ッ...!」」
「ねえミハイル。未来って何?」
「え?何の事かな?」
「いや、貴方今さっき未来って言ったわよね...」
「何の事だか。」
「貴方嘘を付くとき必ず意味が分からないふりをするわよね...」
「...」
「貴方...お願いだから教えて?ね?お願いだから...」
スターリンの方を見た...
スターリンは頷いた...
「...分かった...もし離婚したかったらしても良い...」
一拍おく...
「俺は2015年から来た元日本人だ。」
それから今までの事を全て話した。全ては彼女の幸せの為に...
「...」
カチューシャは驚いている。当たり前だ、私はロシア人では無く元日本人であり、今まで言ってきた経歴は嘘なのだから。(勿論こっちに来てからのは正しい経歴だが。)
「貴方...」
「すみません、スターリン同志。ちょっと外で風を浴びて来ます...」
「ああ、分かった...」
私は出て行った...
「はあ...相変わらずだなぁ俺は...クックックック...」
「どうしました?ミハイル同志。」
「...なあベリヤ同志、もし好きな人の経歴が一部を除いて全部嘘だったらどうするか?離婚するか...?」
「...私ならするかも知れませんね...ッ...まさかカチューシャさんに...」
「ああ...バレてしまったよ...(苦笑い)」
「...でもその性格は本物です。私なら経歴で結婚する様な女は要りません。もし...もし私がカチューシャさんであれば離婚はしません。」
「...有難う、ベリヤ同志...ベリヤ同志は優しいな...」
「当たり前です...ミハイル同志は史実のソ連、いや世界まで良い方向に変えようとしてるじゃないですか。そんな素晴らしい人を失ったら...この国、世界までも不幸になります...」
「そこまで上げなくても良いよ...俺はやっぱり一人で生きるべきだったんだ...」
「ミハイル同志...」
「本当に色々と今まで迷惑を掛けたね...」
「いえ...」
「ベリヤ同志、私はここに居てはいけないのだよ...これから行う事を全て紙に書いておく。それで...この偉大なるソ連、私の第二の祖国を良い方向に進ませつづけてくれ...」
「ミハイル同志...」
「自室に戻る...」
...おい、これどうなるの?←
いや、本当と書いてマジと読むほどこれどうなるの?
作者自身にも分かりません!
これからどうなるのやら...