死を覚悟して...
はい、サブタイトルは死を覚悟して...です。
ではお楽しみください。
1938年2月28日 午前9時
モスクワ、団地(モスクワ、ロシア共産党幹部用)
共産党幹部は給料が出ると同時に、衣食住まで党が支給してくれる。
車も支給されるし、運転手付きというのがまたみそだ。
おそらくこれ以上に党員を保護するのは共産党以外無いだろう。
そんな事を考えながら、同志ジューコフと食後の紅茶を楽しんでいた。
「...美味しいですね。ここまで美味しいのは初めて食べました。紅茶もまた美味しいですし」
「そうか?...そういえばお前は貧乏な家からだったな」
「はい」
「そうか...では、始めるか」
「はい、同志ジューコフ」
モスクワ郊外、射撃演習場
最初は勿論モシンナガンだそうだ。
モシンナガンは狙撃も可能だから良いよな...
「構え方は」
久し振りだな、モシンナガン...
俺はモシンナガン-愛銃-を構えた。
「...何故構え方を知っている?同志」
「!!はっ!あ、いや、そのですね?友人の父が猟師でですね?」
「成程?」
「はい、それでその猟銃に似ていたので...」
「なら撃ち方も分かるか?」
「まあ、そうですね...えっと、弾は?」
「はい」
「あ、すいません、同志ジューコフ」
弾を受け取り、入れ込んでいき、初弾を装填した。
ガチャン
「うん、良いですねこの音」
「そうだな、同志。」
構えて...呼吸を整えて...撃つ!
ズドーン!
次弾を装填して...
ガチャン、カキーン!ガチャ
...撃つ!
ズドーン!
...
「これはやはり良い銃ですね、同志ジューコフ」
「それより思ったんだが腕が良いな。初心者だろ?同志」
「ええ、今日まで一発も撃ったことがありません」
「それにしては上手すぎる。全弾頭部に命中だとはな。同志スターリンに報告しなければ...」
まあ一応こっちに来る前はバンバン撃ってたが。
でも流石にシモヘイヘには負けますわ...
「あ...同志ジューコフ?」
「どうした?同志」
「死を覚悟で同志スターリンに言いたいことがあるのですが...」
「...死を覚悟?ほう、どんな事だ?」
「それはですね...同志ジューコフと同志スターリンのみしか居ない場所で宜しければお願いできますか?」
「まあ死を覚悟するほど重要な事なのだろう?分かった、着いて来い」
「本当に有難うございます、同志ジューコフ」
同年同日 午前10時
モスクワ、クレムリン内
「どうしたのかね?ミハイル同志」
「...今日は死を覚悟して話します!」
「ふむ、良いぞ?」
「...私は未来から来た人間です。」
「「!!」」
「...嘘はついてないね?ミハイル同志」
「はい、同志スターリン」
「...ジューコフ同志、どう思う?」
「私は本当だと思います、同志スターリン」
「ほう、何故だね?ジューコフ同志」
「何故なら私が教える前に構え方を知っており、撃ち方も分かっていました。それと十二発撃たせたのですが全弾頭部に命中したのもそうであるならば辻褄が合うかと、同志スターリン」
「ふむ、確かに、トカレフも構え方を教えていない。それに親も居ない。信じるしか無いだろうなぁ。ミハイル同志?」
「はっ、何でしょうか?同志スターリン」
「これから起きることを覚えているだけ教えてくれ、良いな?ミハイル同志」
「はい、同志スターリン。それでは言わせて頂きます」
20分後...
「あのちょび髭め、私が育てたのに歯向かうとは。許せん!」
「ミハイル同志、同志は我が国をどうしたい?」
「私は現在の祖国の為、スターリン同志の為、ちょび髭を倒したい、と思います。それには全力で力を出すつもりです」
「そうだな。我が祖国を奴らの手に渡してはいかん!ミハイル同志?」
「はっ、同志スターリン。何でしょうか?」
「我が祖国が一歩もちょび髭に占領されないように案を出したまえ」
「分かりました、同志スターリン」
30分後
「...ふむ、成程な。此れをすれば大丈夫だな?」
「ええ、大丈夫かと思います。同志スターリン」
「分かった、全ソビエト人民に通達してくれ?」
「分かりました、同志スターリン」
通達した内容
準国家総動員法
健康な男女共に徴兵制(男は十九から四十まで職人以外総徴兵、女は二十から三十まで職人以外総徴兵。尚女は一応の為の訓練のみ。)
農業、工業を公共事業とし、一歳から十八歳以外国民参加。
また大都市は六歳から十八歳まで基本的な教育を行うことにした。
尚一部不満が出たがスターリンが出向き演説を行いこれは重要なこと、と言い聞かせ理解させ、参加させた。
軍人について
扱う武器には全て魂が宿っているという事を説明し、逃げる時でも必ず大事に持って逃げ帰ることを訓示。(実際多くの武器が無傷で敵側に渡ったことがある。)
此れにより基礎が出来上がっていき、数カ月後にも大都市は当時の日本の中都市位に発展し、人口が急増。此れにより多くの軍人が生まれることになった。
また識字率も急に上がり、統率も容易に出来るようになった。
此れにより国力が急につく。
勿論一時不正があったが勿論NKVDが情報を送り、シベリア送りにされ、不正を働くものは消えていった。
尚防御陣地等の構築は国家総動員法時にされる。
そして時間は飛び1939年。
同志スターリンはドイツと独ソ不可侵条約(史実通り)を結び、赤軍はポーランドへ侵攻し、ポーランド東部を占領。
しかしこの時は独逸軍に進化した赤軍を知らせない為にわざと一世代前の旧式装備を使用した。
ただ勿論赤軍は史実より濃い訓練により強化されているため、史実より速く、史実より少ない損害で集結した。
そして戦場はかの有名な冬戦争に移っていく...
「ミハイル同志。」
「はっ、同志スターリン。何でしょうか?」
「シモ・ヘイヘとかいう狙撃兵がフィンランドに居るんだよな?」
「ええ、史実では我が赤軍を苦しめた狙撃手です、スターリン同志」
「私としてはあまり損害を出したくないと思うのだが...どう思う?ミハイル同志?」
「まあ実際そうですね。急造ではありますが何とかB+、B-まで育てましたし...あ、同志スターリン」
「何だね?ミハイル同志」
「奴が居ると思われるコッラー河周辺を絨毯爆撃してはどうでしょうか?」
「成程、それは良い考えだ。いくら腕の良い狙撃手だって爆弾の前には平伏す、それに爆弾が弾薬庫に入りきれなくなってきているらしいしな!」
「では?」
「ああ、そうしよう。」
「まあその後一応コッラー河に兵士を進ませ本当に死んだか確かめましょう」
「ああ」
「そしてもし生き残っていれば...私が奴を倒します」
「!!それは駄目だ!ミハイル同志が居なければ今の赤軍は無い!」
「大丈夫です。私にお任せを?」
「...しかし...分かった、一応考えておく...」
「有難うございます、同志スターリン」
そしてコッラー河周辺の絨毯爆撃が行われる。
NKVD(内務人民委員部)・・・ソビエト連邦のヨシフ・スターリン政権下で刑事警察、秘密警察、国境警察、諜報機関を統括していた国家機関。
はい、お楽しみ頂けたでしょうか?
今回のサブタイトルは「死を覚悟して...」でしたが、まあ大丈夫でしょう。
次回は!まだ分かりません!←
兵器紹介になるかもしれませんし、コッラー河での戦闘になるかもしれません。
あ、行き当たりばったりですので。
・・・すいません。
勿論大雑把には決まっております、はい。
まあこれからも「何故か旧ソ連に来ちゃった!?」連載版を宜しくお願いします。
ご意見、ご感想。お待ちしております!