大祖国戦争 三
はい、大祖国戦争三回目、ですね。
では、どうぞ。
「お前何してるんだ?」
「ん?...いや詩を作ってるんだ。」
「ふむ...どんな歌だい?」
「いや、笑われるだろうからやめておくよ。」
「教えてくれよ。俺とお前の仲だろ?」
「...分かったよ。一応題材は銃魂なんだが...」
「え?お前も見えるのか?」
「!!あ、ああ。と言う事はお前もか?」
「ああ。」
「じゃあ安心して言えるな。」
「ああ、物凄く聞きたくなったよ。」
「おし。じゃあ...詩の名前は「ライフルマンの誓い」
これぞわが銃。
これに似たもの多けれど、これぞわがもの。
わが銃はわが最良の友、わが命なり。
わが命の主たるべきごとく、われその主たるべし。
わが銃はわれなくしては立たず、銃なくしてわれ役立たず。
わが銃を正確に撃つべし。
われを殺さんと試みるわが敵よりも正確に撃つべし。
われ彼を撃つべし、彼がわれを撃つ前に。
われは望む。
わが銃はわれと同じく人なり。なぜならそれはわが命なり。
しかしてわれは兄妹を学ぶ。
われは付属品を熟知せん。照準器、銃身を熟知せん。
われを清潔かつ即応に保つごとく、わが銃を清潔かつ即応に保たん。
われらは互いにその分身となる。
われらは望む。
われら祖国の前にこれを誓う。
わが銃とわれは国家の守護者なり。
われらわが敵を制す。われらはわが命を救うものなり。
かくすべし。ソ連が勝利し、そして敵なき平和をあらしめる。」
「...成程な...良い歌詞じゃないか。」
「ああ...て、え?」
「後は俺に任せろ。曲まで付けてやる。」
「おお!マジか、ありがとう!」
「いやいや、まあとりあえずこれで。」
「ああ。」
こうしてあの「ライフルマンの誓い」がソ連で完成することになる。
モスクワ、クレムリン
「ところで戦況はどうなっているんだ?ミハイル同志。」
「現在厳しい抵抗を受けながらも着々と進軍中です、スターリン同志。」
「そうか...ベルリンまで後どの位かね?」
「ドイツ国境まで来てますので約五十キロかと。」
「そう言えば大祖国戦争を開戦してもう一ヶ月経つのか...」
「ええ、スターリン同志。」
「何だか短かったな...な?ミハイル同志。」
「ええ、赤軍は連戦連勝ですしね。」
「敵は補給無しのドイツ軍。幾ら強くとも補給無しでは勝てまい。」
「いえ、それは違います。赤軍はドイツ軍より強いです。」
「そうだな...ところで大祖国戦争が終わったらどうするつもりだね?ミハイル同志。」
「まず大日本帝国と手を結びます。」
「ほう...何故だね?」
「我が国には大日本帝国と戦えるほどの海軍力は持ってません。」
「...一応史実ではどんな海軍だ?」
「太平洋英国海軍を開戦して数ヶ月で事実上壊滅させ、中盤頃には米海軍さえも退かせ、太平洋の半分は大日本帝国の物になります。」
「ほお...あの三大海軍に君臨する米英海軍を...」
「ですので同盟を結び、米英軍を潰すつもりです。」
「ふむ...何故だね?」
「史実上アメリカとは第二次大戦後「冷戦」、と言われる戦争はしないものの水面下では戦争することになります。」
「それでどちらが勝ったのだね?」
「...誠に残念ですが負けました。両国はどんどん軍拡を推し進め、我が国は国民は食料は配給制。これでほぼ毎日何処かでデモが起き軍隊が鎮圧し、国民は飢餓と鎮圧で死んでいきました。そして最後の書記長「ゴルバチョフ」はこの事実を外国へ知らせ、国際的に批判され最後にはソ連邦崩壊し終了です。」
「...そうか...共産主義もここまでか...しかし食料が配給制になるとはな...」
「まあ今回はそれは大丈夫でしょう。我が国は準国家総動員法で十分に食料が生産されています。」
「まさかそれを思って...?」
「まあ食料が無ければ兵士も畑から取れませんし...」
「ん?それはどういう意味だ?」
「ああ、すいません。史実ではどんどん国民を兵士にして行き、最後にはソ連軍だけで約二千万人無くなってるんです。その時の赤軍幹部が言った言葉が兵士は畑から取れる、つまり御飯さえあれば兵士が出来る、という言葉です。」
「それは酷い事だな?ミハイル同志。現在では練度こそが赤軍を支えているからな。」
「ええ。その練度の高いお陰であのドイツ軍ももう終わります。史実ではスターリングラードまで侵攻されてましたから。」
「ほう、でスターリングラードで赤軍が勝ったのか?」
「ええ、一応赤軍は二百万人は失いましたが。そしてここから赤軍の怒涛の反撃が始まります。」
「ほう。それで赤軍側の司令官は誰だったのだね?」
「ゲオルギー・ジューコフ同志です。」
「!!...だからミハイル同志はソ芬戦争の時の司令官でゲオルギー・ジューコフ同志を推薦したのか。」
「ええ、優秀な司令官ですから。」
「やっとミハイル同志がジューコフ同志を推薦した理由が分かったよ...」
「にしても最初はジューコフ同志も嫌がってましたよ。何故私より優秀な軍人が居るはずなのに私を選ぶのか、と。」
「だろうなぁ...そう言ってる同志の顔が目に浮かぶよ。」
「まあそういったところです。まとめますと、大日本帝国と手を結び米英軍を倒す、ですね。」
「分かった。まあ大祖国戦争が一段落したら海軍再建の方にも手を付けるか...」
「ええ。まあ勿論陸、空軍の兵器開発も忘れてはいけませんがね。」
「ああ。じゃあこれからも宜しく頼むぞ?ミハイル同志。」
「分かりました、スターリン同志。」
はい、如何でしたでしょうか?
にしてもライフルマンの誓いがソ連で出来るって...まあ史実通りには行かないからね、仕方が無いね!
にしても次回で終わりそうだね。
そして大胆宣言...
まあこれからもお楽しみください。
それでは失礼します。