転生
はい、「何故か旧ソ連に来てしまった!?」の連載版です。
駄文&長文注意!
再改訂(2018年7月21日 07:55)
1938年2月28日 午前7時頃
レニングラード郊外、寝室
...ここは何処だ?
俺は見知らぬ天井を見て、そう思った。
周りを見渡すと、やはりどう見ても俺の部屋ではない事が分かった。
俺の部屋にはこんな豪華な机(いわゆる執務机、というものだろうか)も無いし、コート掛けもない。他にも、...コート掛け?待て、今何か思い出せそうな気が。
俺は頭の片隅を漁るように思い出そうとした。
......そうか。思い出した。そういえば昨日あんな事があったんだったな。
俺はそう思いながら昨日の出来事をつぶさに思い出していた。
1938年2月27日 場所、時間共に不明。
...周りは雪が積もっており、正に銀世界と言うべき景色を見せていた。
また前方には針葉樹林が場所の取り合いをするかのように立ち並んでいる。おそらくこれはタイガというものだろう。
...そして、その手前側に一本の木の棒に縛り付けられ、目隠しをされてる人が居るのだが。これはどんな状況だ?
周りには沢山の人も立っていて、青い帽子を被っている人も居る。そして、歴史で見たことがあるような髭を蓄えている男も...?
「やぁ、君がミハイルだね?同志」
「は、はい!同志スターリン」
だよな?おそらくそうだよな?
私はスターリンと思われる男に向き合いながら、話し始めた。
「では、彼を殺してくれ」
彼は不敵な笑みを浮かべ、先程の棒に縛られた男を指差しながらそう言ってきた。
ああ、彼を殺せば良いんですね?彼を...はぁ?!
「えっと...」
俺はつい、発言してしまっていた。
スターリンだと思われる男は顔を少し歪ませながら、口を開いた。
「どうした?あいつは労働から逃げた卑怯者だぞ?同志」
俺は次の瞬間確信した。
これ以上気分を損なわせたら俺は絶対殺される!流石にこんな状況で死んでたまるか!!
「分かりました、同志」
俺はそう、言った。
「では、よろしく頼むよ?同志」
俺は隣に居た従兵から小銃を渡され、スターリンとその従兵は離れていった。
モシンナガン、か。はぁ...、この手で人を殺す日が来るとは。
...恨むのなら恨んでくれていい。俺は生きる為に君を殺すのだからな。
君には何の罪もない。ただ、出来る限り、人道的に殺してあげよう。
俺はコッキングレバーを操作し、薬室に弾を送り込んだ。
...距離はおそらく40メートル。距離表尺の表示を1の下の部分に合わせ、銃を構えて、照門と合わせて...
引き金に指を置き、...絞るように引いた。
「...胸、か」
どうやら胸に当たったようだ。胸の辺りが赤く染まってきている。
再びコッキングレバーを操作し、再び引き金を引いた。
...頭、だな。
...これで、人道的に逝かせただろう。すまない...済まなかった。
「良くやった。お疲れ様だ、同志ミハイル」
そうスターリンは言いながら、肩を叩いた。
「有難う御座います」
「っと、そうだ。同志ジューコフ、彼を訓練してあげれるか?」
直ぐ側に寄って来た。この男がジューコフ、というのだろう。
あの、スターリングラード攻防戦でドイツ軍を打ち破ったという...
「赤軍に入れて、ですね?」
...というか私の意思確認は無しですか?無しですね、当たり前です。
「そうだ。頼めるか?」
「勿論です、同志」
「宜しく頼むぞ?同志」
スターリンは立ち去っていった。
「...赤軍入りか...」
俺は、非現実的な事を聞きながら、理解しなかった。
...いや、理解などしたくなかった、と言った方が正しいだろう。
「同志ミハイル」
「はっ、はい。同志ジューコフ」
「明日から訓練だ。良いね?同志」
「はっ、はい!同志ジューコフ!」
...俺の平穏な生活、さよならだ。そして、会えるのならまた会おう。
そしてそのまま有難く夕食を頂きその日は寝させていただいた。
そして今に至る。
ということで自室(寝室)である。
えっと...予定は...
俺は机の上に置いてある紙を見た。
そこには、何も書いてなかった。ただのメモ用紙だったみたいだ。
...成程、分からん。
コンコン!
おや?誰か来たようだ。
「誰でしょうか?」
「ジューコフだ、同志」
「!?同志ジューコフ!も、申し訳ありません」
やばいやばい。あの同志ジューコフにこんな言葉は...!
「いや、私が急に来たんだ。逆に此方が謝らなくてはならない」
「それは違います、同志。...ところで私にどのようなご用事でしょうか?」
俺は不思議に思って聞いてみた。
「一緒に朝食を取ろうか、と思ってな」
「...申し訳ありませんが、何処で朝食を」
「私の部屋だ」
「!?えっと、同志ジューコフ?何故私のような者が」
「それは同志スターリンに認められてるからに決まってるだろ?私でさえ君に何かして同志スターリンにその話が行けば最悪シベリア送りだ」
「...有りえそうで怖いです、同志ジューコフ」
「じゃあ行くか」
「はい」
二人共食堂に向かって歩き出した。
ただ、この人が居なくなればソ連は...まあ最低でもモスクワは落ちるがな。
そういえば今1938年だったな。3月には大粛清が起きる。
それを言えば来年第二次大戦開戦か。大丈夫なんだろうか。
てかまず大前提に俺共産主義大っ嫌いなんだが。まぁいつか俺が一番上になって解体し、ロシア作るというのも...、いや無理だろ。
まぁ、まず第二次大戦を生き残る事だな。
...何かフラグのような気がしてきた。
まあ食べて今日の訓練に備えよう。うん、それが一番だ。
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