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【1-7】問題児再来



お誕生日会.....?


「実は、毎年カイの誕生日に何かしら事件や問題が発生して、盛大に祝えたことがないんだ。私はとても心を痛めていてね。何せあんっなに可愛い私の弟の記念すべき誕生日を盛大に祝えたことがないだなんて...。カイは祝われなくてもいいなんて笑っていたが、きっと心の中では傷ついて居たはず。そのためにも...」


突然始まった第一王子による早口な弟演説に俺はげっそりしながらも頑張って聞き耐えた。

横ではラーセルもうんうんと頷いている。

俺、昔から兄が欲しいと思っていたけど、こんな兄はちょっと、いや、かなり嫌だな。しかも、1人ではなく、兄2人ともがこうだと、俺ならすぐに家出してしまいそうだ...。



「...ということで、カイには1時間遅い時間を知らせてある。だがカイは好奇心旺盛なんだ。会場に早く来てしまうかもしれない。そこで君の出番なんだよ。」


第一王子はそういうと、俺へ熱い眼差しを向けてきた。かなり面倒な役目を押し付けられそうなのは、話を最後まで聞かなくてもわかる。


「カイが早く来ないように、会場の外で彼と遊んできてくれないか?ほら、君たち同い年だろ?来年からは同じ学園の同級生だし。友達、いた方が良いと思うんだ。」


...まぁそんなとこだろうと思っていた。


だが俺にはアレイル姉さんがこの夜会に参加した理由を調査しに来たのだ。そんな事のために時間を使うことなど出来ない。


「申し訳ありません。第一王子殿下。私は他の用がありまして...」


そう、俺には、姉さんが何の目的で参加するのか...。それを調べる必要があるんだ。


「あ、アル、その事なんだけど、姉さん呼んだの兄ちゃんだったわ。すまん!今回のサプライズパーティーの手伝いに呼んだんだって。別に男とかじゃなかったわ。」



なっっっ、こいつ...余計なことを...。

断るための文句がなくなってしまったじゃないか。


というか、アレイル姉さんそんな理由で夜会に来たのか。


「しれっと姉さんって呼ぶな.....。」


「もうすぐ姉さんになるから良いだろ?」


あ、思わず口に出てしまった。

王族にタメ口を聞いている事が第一王子にバレてしまったが...。投獄...とかはないよな?


俺はちらっと第一王子の方に目を遣った。

彼は少し俯き足元を見つめている。やはり癪に触っただろうか...?

俺は少し身構えていると、彼は突然口を開いた。


「ラーセルから聞いていたが、本当に仲が良いのだな!私にも、もう1人可愛い弟が出来て嬉しいよ。私のことはアス兄様とか、どうだ?呼んでくれないか?」



.......は?

何を言っているんだ?



「兄ちゃん、今はその話じゃなくて、ほら。ちゃんと命令しないと、こいつ逃げるから。」


ラーセルめ。また余計なことを...。


「あぁ、そうだった。」


第一王子は俺に向き直ると、しっかりと俺の目を見て告げた。


「第一王子より、アルハイル公爵令息に命じる。パーティーが始まるまで、第四王子であるカイラスの監視及び対応を行うように。決して彼が会場に近づかないように。」


「...かしこまりました。」


流石に命令は断れないな...。

俺は渋々命令を受けた。



◇◇◇




「お前、何しに来たんだ?」


王城の中央庭園で、第四王子は剣を磨いていた。

剣の稽古はまだ続けているんだな。


「どうやら私が時間を間違えていたようでした。わざわざご警告頂いたのにお恥ずかしいばかりです。」


俺はそう言いながらはにかむと第四王子はとても嬉しそうに声を上げて笑った。


「やっぱり俺が正しかったろ?言うことを聞いておけば恥をかかなかったのになぁ...。」


なんだこいつは。一言一言にものすごくイラつく。


「お前、名前は?」


「アルハイルと申します。」


「アルハイル...。よし、アル。お前は特別に俺へ敬語を使わなくていい。カイと呼ぶことも許そう。お前だけ。特別に、だ。」


突然彼はそういうと剣を持ち立ち上がった。


「では遠慮なく...。」


俺がそう答えようとしたが、第四王子に遮られた。


「いや、でも、無条件にというのは面白くないな。やっぱり勝負に勝ってからの方がいいか?」


気まぐれにも程があるだろ...。

それに、何事に対しても勝負しないと気が済まないのか?

あと俺は別に第四王子にタメ口を聞きたい訳では無い。わざわざ勝負してまでもすることでは無い。早々に棄権したいのだが...。


「あ、そうだ。いいことを思いついた。」


第三王子はにかっと笑うと、俺の方へ歩いてきた。


嫌な予感しかしない...。


「俺とお前の婚約者が剣で勝負する。婚約者が負けたら、俺が彼女を貰う。万が一婚約者が俺に勝てば、敬語を使わないことを許そう。どうだ?」


いや、どうだ?じゃないだろ。おかしいだろ普通に考えて。しかも、ネラーネと勝負?本当にどうかしてるんじゃないか...?


どうしたものかと悩んでいると、突然、後ろから高い声が響いた。


「いいですよ。お受け致します。その代わり、ネネが勝ったら、敬語無しに追加して、アルハイル様に無礼を働かないと約束して頂けるでしょうか。」


俺の後ろに隠れていたネラーネが突然そう答えた。


第四王子は、俺より弱かったとはいえ、かなりの腕前だ。それに、1年前以上に腕を上げているだろう。

ネラーネも剣術が出来ると聞いたが、今は裾の長いドレスを着ている上にヒールの靴を履いている。ハンデとかのレベルじゃないだろう。彼女を信じていない訳では無いが、さすがに勝てるわけが無い。


というか、パーティ会場で対決とか普通に意味が分からない。2人はやる気満々だが、俺としては困るし、何とかして避けたい。


だが、そんな俺の心配は、杞憂に過ぎなかった。









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