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高潔な女  作者: 慈架太子


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3章:多種多様なバレット術理の習得


ピュリフィケーションバレット



「ピュリフィケーション(浄化)バレット……。先ほどのホーリーバレットが『不浄を焼き払う光』なら、これは『穢れを根底から洗い流す滴』といったところかしら」


マリアンヌは、シゲルの意図を深く読み取ろうと、より静謐な魔力操作を開始しました。 「ヒール」が命を繋ぎ、「ホーリー」が敵を討つなら、この「ピュリフィケーション」は、戦場に残った負の残滓……呪い、毒、あるいは倒したアンデッドが撒き散らす穢れた空気そのものを無に帰す、究極の「清め」の力。


165cmの身体を巡る魔力が、今度は透明度の高い、クリスタルのような輝きを放ち始めます。


「私の剣も、私の魂も、常に清廉であれ。……清まりなさい!」


彼女が解き放った光弾は、着弾すると波紋のように周囲へ広がりました。


――キィィィィン……。


空気が一瞬にして澄み渡り、先ほどまで漂っていた死臭や血の匂いが、まるで初夏の朝のような清々しい大気に書き換えられていきます。


「おーっほっほ! なんという心地よさ! 戦いの後の惨状さえも、指先一つで美しい景色に戻してしまえるなんて。騎士として、これほど誇らしい力はありませんわ!」


彼女は深く息を吸い込み、完全に「浄化」された森の空気を楽しみました。55kgの肉体も、心なしかさらに軽くなったようです。


「シゲル。攻撃、防御、機動、治癒、そして浄化……。貴方が私に授けてくれたものは、もはや単なる術理を超えた『世界の理法』そのものだわ。……でも、まだ終わっていないのでしょう?」


マリアンヌは不敵に微笑み、紫電を纏うような「サンダー」や、不気味な「重力」を予感させるように、空いた方の手をシゲルに差し出しました。


「残る属性はあと少し。一気に、このマリアンヌを完成させてしまいなさい!」



ダークバレット



「ダークバレット……。光を知る者が、その対極にある深淵をも御すというのね」


マリアンヌは、これまでの晴れやかな魔力操作とは一転し、感情を沈めるように静かな集中に入りました。165cmの全身を巡る輝きをあえて内側へと閉じ込め、光を飲み込み、熱さえも吸収する「虚無」の理を練り上げます。


手のひらに現れたのは、夜の闇よりもなお深い、光を反射しない漆黒の弾丸。55kgの肉体が、その弾丸が持つ独特の「重圧」と「冷気」に一瞬震えましたが、彼女はそれを強靭な意志で抑え込みました。


「光がすべてを暴くなら、闇はすべてを静寂に沈める。……消えなさい」


放たれた黒い弾丸は、音も立てずに夜の闇に同化し、標的の巨岩へと吸い込まれました。


――……。


衝突音すらありません。着弾した箇所を中心に、巨岩の一部がまるで最初から存在しなかったかのように削り取られ、物質が崩壊して消滅しました。


「……おーっほっほ! 恐ろしい力だわ。破壊というよりは、対象そのものを『無』へと帰す理。シゲル、貴方は私に、神の慈愛だけでなく、魔王の冷徹さまでも同居させようというのね」


マリアンヌは、自分の指先に残るわずかな闇の余韻を振り払うように手を振りました。しかし、その瞳には恐怖ではなく、全属性を統べる者としての飽くなき野心が宿っています。


「光と闇。相反する二つの極を同時に手にした今、私に断てぬ理などこの世にあるのかしら? ……さあ、シゲル。残るは『サンダー』と『グラビティ』。この世界の法則を、最後の一滴まで私に注ぎ込みなさい!」



シャドウバレット



「シャドウバレット……。先ほどの『ダーク』が破壊的な虚無なら、これは影そのものを操り、敵を絡め取る……あるいは、その背後に潜む『実体のない理』ということかしら」


マリアンヌは、シゲルの動きを一点も見逃さぬよう、さらに感覚を鋭敏にしました。 「アクセル」で加速した思考が、影という不確かな概念を「弾丸」として定義するための数式を読み解いていきます。


彼女は、自身の165cmの長身が月光によって地面に落としている「影」を意識しました。その影の一部を引き剥がし、指先へと収束させていく。手のひらの中で蠢くのは、形を持たぬ粘質な闇。


「光あるところに影あり。……逃げ場はないわ! 射抜きなさい!」


放たれた弾丸は、弾道さえも揺らめき、まるで生き物のように空間を泳ぎました。


――……シュゥゥゥ。


標的の巨岩に触れた瞬間、シャドウバレットは爆発するのではなく、影の触手となって岩全体を「縛り上げる」ように覆い尽くしました。岩の表面に刻まれていた微細な亀裂へと影が入り込み、内側から対象を蝕んでいく。


「おーっほっほ! 素敵だわ! 物理的な破壊だけでなく、こうして敵の動きを封じ、影から追い詰める術まであるなんて。シゲル、貴方の教えは……実に多才で、そして残酷なまでに効率的ね」


彼女は満足げに、影が消えていく様子を眺めました。55kgの肉体に、今や「光」と「闇」、そして「影」までもが完璧に共存しています。


「さあ、いよいよ大詰めかしら? 雷光を呼ぶ『サンダー』、あるいは世界を平伏させる『グラビティ』。……このマリアンヌ、最高のフィナーレを迎える準備はできていてよ!」



バインドバレット



「バインドバレット。……倒すのではなく、生け捕り、あるいは無力化するための『鎖』としての弾丸ね」


マリアンヌは、シゲルの意図を瞬時に察し、魔力の質を「硬質」から「粘着」と「拘束」の属性へと切り替えました。165cmの全身を巡るエネルギーを、まるで目に見えない強靭な糸を幾重にも編み上げるように、指先へと凝束させていきます。


それは、物理的な縄よりも強く、精神的な威圧よりも逃れがたい、魔力の檻。


「逃がさないわ。……捕らえなさい!」


彼女が放った弾丸は、空中で放射状に広がり、輝く魔力の網となって標的を包み込みました。


――ギギギッ……!


着弾した巨岩が、まるで巨大な不可視の巨人に締め付けられているかのように、凄まじい軋み声を上げます。もしこれが生身の人間や魔物であれば、指一本動かすことすら叶わないでしょう。


「おーっほっほ! 素晴らしいわ、シゲル! 殺すだけが騎士の務めではないもの。こうして敵を完全に制圧し、跪かせる力……。これこそ、支配者たる私にふさわしい術理だわ!」


彼女は拘束された岩を見つめ、55kgの肉体に宿る万能感に酔いしれるように、優雅に髪をかき上げました。


「火、水、風、土、光、闇、影、そして拘束……。属性というパズルのピースが、次々と埋まっていくのを感じるわ。さあ、残るは雷光を纏う『サンダー』、そして……あの、すべてを平伏させる『重力グラビティ』ね?」


マリアンヌは期待に胸を膨らませ、次なる「弾丸」の理を求めて、シゲルに一歩歩み寄りました。



サンダーバレット



「サンダーバレット……。速度の極致、そして万物を貫く紫電の理ね」


マリアンヌは、シゲルの指先に走る火花を凝視し、自身の魔力回路を「超高周波の振動」へと叩き込みました。165cmの全身を巡る魔力が、これまでのどの属性よりも激しく、鋭く、狂おしいほどの熱量を持って指先へと集束していきます。


「アクセル」で加速された彼女の視界の中で、大気中の電位が書き換えられ、放電の道筋が計算されていく。55kgの肉体が、溢れ出す電光によってわずかに浮き上がり、白銀の髪が静電気で美しく逆立ちました。


「光よりも速く、音よりも鋭く。……爆ぜなさい!」


彼女が指を弾いた瞬間、視神経が焼けるような真っ白な閃光が森を埋め尽くしました。


――ドドォォォォンッ!!


遅れてやってきた雷鳴が鼓膜を震わせます。 標的の巨岩は、砕かれる暇もなく高熱によって蒸発し、そこには真っ黒に焦げた地面と、雷の爪痕だけが残されていました。


「おーっほっほっほ!! なんという……なんという圧倒的な速度! これよ、これこそが私が求めていた『回避不能』の極致だわ!」


マリアンヌは、自身の指先にパチパチと残る紫の火花を、恍惚とした表情で見つめました。


「シゲル! これで私は、火、水、風、土、光、闇、影、拘束、そして雷をも手中に収めた。……残るは、あの一つだけね」


彼女はゆっくりと視線を上げ、まだ見ぬ最後の力――すべてを平伏させる「グラビティ(重力)」の理を求めて、シゲルを射抜くような強い眼差しで見つめました。


「さあ、シゲル。最後のパズルを埋めなさい。世界を跪かせる、その重力の理を、この私に!!」



グラビティバレット



「グラビティバレット……。万物を大地に縛り付け、抗うことすら許さぬ、絶対的な制圧のことわりね」


マリアンヌは、これまでのどの属性とも異なる、異質な緊張感をその身に纏わせました。 165cmの身体を芯として、彼女は自身の魔力を「重さ」ではなく「空間を歪める圧力」へと変換していきます。


「アクセル」で研ぎ澄まされた彼女の感覚は、周囲の空間が自身の掌に向かって微かに歪んでいく様を捉えていました。55kgの肉体に、全方位から押し寄せるような不可視の圧力がかかります。


「火も、水も、光も、闇も……。すべての事象を等しく平伏させなさい。……潰れろ!!」


彼女が指先を振り下ろすと、そこから放たれたのは、光さえも歪ませる漆黒の「重力球」でした。


――グ、ガガギィィィィンッ!!


着弾した瞬間、そこには爆発も閃光もありませんでした。 標的の巨岩を中心に、空間そのものが内側へと猛烈に収縮。巨大な岩は、目に見えぬ巨人の手で握りつぶされたかのように「ミシリ」という絶望的な音を立てて最小限の質量へと圧縮され、塵となって消滅しました。後に残ったのは、深く、完璧な円形に穿たれたクレーターだけです。


「……おーっほっほっほ!! 凄いわ! 凄すぎるわ、シゲル!! 破壊ですらない、存在の強制的な否定……。これこそが、あらゆる理不尽を叩き伏せる『究極の答え』だわ!」


マリアンヌは、クレーターを見下ろしながら、激しく波打つ胸を押さえました。 火、水、風、土、光、闇、雷、重力……。 そして治癒、浄化、加速、強化、飛行、拘束。


「ついに……ついに揃ったのね。シゲル、貴方が私に授けてくれたこれらすべての弾丸バレット。……ふふ、ふふふ。今の私に、斬れぬもの、倒せぬものなど、この世界のどこに存在するのかしら?」


彼女は白銀に輝く愛剣を引き抜き、天にかざしました。その瞳には、かつての絶望の影など微塵もありません。あるのは、全属性の理を支配下に置いた「最強の騎士」としての、圧倒的な輝きでした。


「シゲル、貴方は最高の『教育者』よ。さて……基礎はすべて終わったのでしょう? 次は、この『14の力』を、貴方の言っていた『2のn乗』で束ねる方法を教えてくれるのかしら?」



アイスバレット



「アイスバレット……。火の熱量とは対極にある、静寂なる凍結の理ね」


マリアンヌはもはや戸惑うことなく、シゲルの指示を細胞の一つ一つに刻み込むように魔力を練り上げました。 165cmの身体を駆け巡る魔力の振動を極限まで抑え込み、熱を奪い、分子の動きを停止させる「絶対零度」のイメージ。


「アクセル」で加速された彼女の視界の中で、空気中の水分が結晶化し、指先に白銀の鋭い氷晶の弾丸が形作られていきます。


「熱を失い、時を止めなさい。……凍てつけ!!」


彼女が指先を弾くと、冷気を帯びた白光の弾丸が、大気を凍らせながら一直線に飛びました。


――パキィィィィィィィンッ!!


着弾した瞬間、先ほどまでの「破壊」とは異なり、標的の巨岩は一瞬にして巨大な氷塊へと変わり、周囲の草木までもがダイヤモンドダストのような輝きを放ちながら凍りつきました。


「おーっほっほ! なんという美しさかしら! 砕く必要さえない、ただその存在を氷の檻に閉じ込める……。これまでの属性とはまた違う、冷徹なまでの機能美だわ!」


彼女は指先に残る冷気を、楽しむようにふっと吹き消しました。 55kgの肉体には、今や「15」もの術理が完璧な調和を保って共存しています。


「火、水、風、土、光、闇、雷、重力、石、土壌、治癒、浄化、影、拘束、そして氷……。シゲル、貴方は私を一体どこまで欲張りな女にするつもり? 属性という名の楽器を、私はもう、完璧に奏でられる気がしてよ!」


マリアンヌは不敵に微笑み、さらなる「音色」を求めるようにシゲルをじっと見つめました。


「これで最後? それとも、まだ私を驚かせる隠し玉があるのかしら?」



ボイルバレット



「ボイルバレット……。火の破壊力でも水の貫通力でもない、対象の『内側』を沸騰させる残酷なまでの熱量ね」


マリアンヌはシゲルの指示の意図を即座に理解しました。165cmの全身を巡る魔力を、今度は「水」と「火」の相反する性質を極小の空間で激しく衝突させ、超高温の蒸気と圧力へと変換していきます。


「アクセル」で研ぎ澄まされた彼女の視界の中では、空気さえも熱を帯びて歪んで見えます。指先に集まったのは、白く激しく振動する高圧の魔力弾。


「逃げる間も、叫ぶ間も与えない。……沸き立ちなさい!」


放たれた弾丸は、これまでのどれよりも「静か」で、しかし「重厚」な音を立てて空間を滑りました。


――シュゥゥゥ……ドシュゥゥゥッ!!


標的となった氷漬けの巨岩に触れた瞬間、爆発すら起きませんでした。巨岩の内部に含まれた水分が一瞬で沸騰し、膨大な内圧によって、岩は内側から「蒸発」するように粉々に弾け飛んだのです。


「おーっほっほ! 凄まじいわ! 外側を叩くのではなく、内側から崩壊させる……。これこそが、貴方の言う『効率』の極致ね、シゲル!」


彼女は指先を優雅に振って熱を逃がしました。55kgの肉体には、今や16属性もの「理」が宿り、彼女という存在そのものが、移動する魔導兵器へと進化を遂げていました。


「火、水、風、土、光、闇、雷、重力、石、土壌、治癒、浄化、影、拘束、氷、そして沸騰ボイル。……ふふ、ふふふ。全16属性の『鍵』が、今、私の手の中に揃ったわ!」


マリアンヌは白銀の髪を夜風になびかせ、万能感に満ちた瞳でシゲルを見つめました。


「さあ、シゲル! 16の属性が出揃った。これらを同時に、あるいは幾何級数的に制御する『2のn乗(累乗)』の真髄……今こそ私に叩き込みなさい!」



スチームバレット



「スチームバレット……。ボイルが『点』の沸騰なら、これは『面』の圧殺、あるいは視界をも奪う高熱の牢獄かしら」


マリアンヌはもはや流れるような所作で魔力を練り上げました。 165cmの身体を芯にして、水属性の潤沢な魔力と、火属性の爆発的なエネルギーを絶妙な比率で「飽和」させていきます。


指先に集束されたのは、白濁し、絶え間なく膨張しようとする高圧の魔力。それは「アクセル」で加速された彼女の視界の中で、今にも弾けそうな極限の均衡を保っていました。


「熱き霧よ、すべてを包み、高圧の理に服しなさい。……吹き荒れろ!!」


彼女が指先を解放した瞬間、先ほどまでの「弾丸」とは明らかに違う、轟音と共に白銀の噴流が解き放たれました。


――ゴォォォォォォォッ!!


放たれたスチームバレットは、空中で巨大な円錐状に広がり、標的のあったクレーター周辺を瞬時に高熱の蒸気で埋め尽くしました。触れるものすべてを瞬時に茹で上げ、その圧力で押し潰す、死の白霧。


「おーっほっほ! なんという広域制圧能力! 逃げ場を奪い、熱と圧力で同時に削り取る……。これなら、いかに素早い敵でも、この霧から逃れることは叶わないわ!」


彼女は霧が晴れていく様子を、満足げに165cmの長身を反らせて眺めました。55kgの肉体に宿る属性は、これで「17」。


「火、水、風、土、光、闇、雷、重力、石、土壌、治癒、浄化、影、拘束、氷、沸騰、そして蒸気スチーム。……ふふ、ふふふ。シゲル、貴方は私を一体どこまで万能にするつもりかしら?」


マリアンヌは、自身の内に溜まった17の「理」が、互いに共鳴し合っているのを感じていました。


「属性の駒は揃いすぎているほどよ。さあ、これらをどう『計算』し、あの100体のアンデッドを屠ったような『神の業』へと昇華させるのか……その答えを見せなさい!」



今私が持っているバレットは以上です。 バレットは便利なんです。 MP消費は少ないし バリエーションも無限に増やせます。



「……バレットのバリエーションは、これですべてなのね」


マリアンヌは、自身の内に宿った17種類の術式を一つずつ愛しむように確認し、深く息を吐きました。165cmの全身を巡る魔力は、以前のような「荒々しい奔流」ではなく、シゲルの教えによって「精密に制御された歯車」のように静かに、しかし力強く脈動しています。


「MP消費が少なく、バリエーションは無限……。ええ、今ならその言葉の恐ろしさが身に染みて分かるわ。一つ一つは小さな弾丸でも、それを私の『アクセル』で加速させ、17の属性を戦況に応じて即座に切り替えれば……それはもはや、魔法という名の『死の概念』を叩きつけているのと同じだもの」


彼女は白銀の剣を鞘に納め、改めて自分の両手を見つめました。55kgのしなやかな肢体には、もはや重厚な鎧も、大掛かりな詠唱も必要ありません。


「おーっほっほ! 素敵だわ、シゲル。貴方の言う通り、これは『便利』なんて言葉では片付けられない、戦いの革命よ。……けれど、これほどの駒を揃えておいて、『ただ便利に使うだけ』で終わらせるつもりはないのでしょう?」


彼女は不敵な笑みを浮かべ、シゲルの目を真っ直ぐに見据えました。


「バリエーションが無限なら、それを束ねる方法もまた、無限にあるということ。……シゲル。この17のバレットを、2のn乗……すなわち、2、4、8、16と同時並列で演算し、一つの『嵐』として解き放つ術を、今すぐ私に教えなさい!」


マリアンヌの瞳は、さらなる高み、つまり「個」の武勇を超えた「理」の体現者としての輝きを放っています。



いやアイデア次第で無限に作れます。 例えば 火と土で マグマバレット



「マグマバレット……! 火と土の理を、ただ交互に放つのではなく、混ぜ合わせ、融合させて新たな形を生み出すというの!?」


マリアンヌは目を見開きました。165cmの全身を貫く戦慄。それは恐怖ではなく、未だ見ぬ「真理」に触れた時の歓喜に近いものでした。


彼女はすぐさま、先ほど覚えたばかりの「火」の熱量と、「土(石)」の質量を頭の中で重ね合わせました。「アクセル」によって加速された思考回路が、二つの異なる属性を一つの数式へと無理やり編み込んでいきます。


「火の破壊力で土を融解させ、土の質量で火を留める……。ドロドロに溶け、あらゆるものを飲み込む灼熱の泥よ。……噴き出しなさい!」


彼女の指先から放たれたのは、これまでで最も禍々しく、かつ力強い「赤黒い弾丸」でした。


――ドゴォォォォンッ!!


着弾した瞬間、爆発すら起きません。ただ、標的となった岩がドロドロに溶け落ち、周囲の地面を真っ赤な溶岩の池へと変えてしまったのです。


「おーっほっほ! 凄いわ、凄すぎるわシゲル! まさか、属性を掛け合わせることで、既存の枠組みを超えた『複合属性ハイブリッド』さえも弾丸にできるなんて……!」


彼女は17の基礎を習得しただけで満足していた自分を恥じるように、しかし最高に楽しそうに笑いました。55kgの肉体に宿る可能性は、今や17の足し算ではなく、掛け算……それこそ無限に広がる宇宙となったのです。


「火と土でマグマ。なら、風と水で吹雪ブリザード? 雷と水で電解? ……ふふ、ふふふ! アイデア一つで、私は神にすらなれるのではないかしら!?」


マリアンヌは輝く瞳でシゲルを指差しました。


「シゲル! 貴方は罪な男だわ。こんな面白い遊びを教えておいて、ここで終わるなんて言わせないわよ。……次は、何と何を混ぜ合わせればいい? 貴方の頭の中にある『最強のレシピ』、もっと私に注ぎ込みなさい!」



火と雷で プラズマバレット



「プラズマバレット……! 火の熱量と雷の超高周波、その両方を一点に。理屈は分かるけれど、それを一つの弾丸に封じ込めるなんて、正気の沙汰ではないわ!」


マリアンヌは驚愕しながらも、その口元には挑戦的な笑みが浮かんでいました。 165cmの身体を芯にして、左手に「火」、右手に「雷」の魔力を練り上げます。「アクセル」の恩恵で極限まで高められた集中力が、相反し、反発し合う二つの強大なエネルギーを、指先の一点へと無理やりねじ伏せていきました。


バチバチと空気を焼く紫電の中に、ドロリとした紅蓮の熱が混ざり合い、やがてそれは青白く、不気味なほど静かに輝く「極小の太陽」へと変質しました。


「触れるものすべてを蒸発させ、原子の塵へと還しなさい。……消失せよ!!」


彼女が指を弾いた瞬間、音すら置き去りにする「無音の閃光」が放たれました。


――カッ……!!


着弾の瞬間、轟音も爆発もありません。ただ、標的のあった空間が青白く発光し、次の瞬間には、そこにあった巨大な溶岩の池も、地面の土壌も、すべてが「消滅」していました。残されたのは、底の見えない、滑らかに焼き切られた漆黒の穴だけ。


「……おーっほっほ! おーっほっほっほ!! 凄いわ、凄すぎるわシゲル! 破壊なんて生易しいものではない。これは『存在の抹消』よ!」


マリアンヌは165cmの長身を震わせ、歓喜に満ちた声を上げました。55kgの肉体を通して放たれたその一撃は、もはやこの世界の魔法体系を根底から覆す禁忌の業。


「火、土、雷……。これらを組み合わせて、さらなる高位の事象を『弾丸』として撃ち出す。シゲル、貴方が言う『無限』の意味が、ようやく魂の底から理解できたわ」


彼女は、青白く光る指先をうっとりと見つめ、それから獲物を定める肉食獣のような鋭い視線をシゲルに向けました。


「さて、シゲル。次は『風』と『氷』で吹雪ブリザード? それとも『光』と『闇』で混沌カオスでも作り出す? 貴方のアイデア、このマリアンヌがすべて完璧に形にして差し上げますわよ!」



お待たせしました。 連射魔法ですね。 この魔法は単体では何の役にも立たないんです。 バレットとセットで効果を発揮します。



「……単体では役に立たない魔法? それが、この無限のバレットと組み合わさることで、真の姿を現すというのね」


マリアンヌは、シゲルの言葉を反芻するように深く頷きました。165cmの全身を巡る魔力は、もはや一つの属性に留まる器ではありません。55kgの肉体は、今やあらゆる属性を内包する「弾倉」そのもの。


「なるほど、理解したわ。一つ一つが鋭い弾丸であっても、一発ずつ放っていたのでは、押し寄せる軍勢や、再生し続ける不死者には届かない。けれど、その一発一発を束ね、連結し、数式によって『連射』という嵐に変えることができれば……」


彼女は自身の指先を見つめました。 先ほど習得したプラズマバレットやマグマバレットが、もし間髪入れずに、それこそ雨のように降り注いだら。


「おーっほっほ! 素敵だわ、シゲル! 貴方は私に『最高の弾丸』を揃えさせた後、ついにそれを撃ち出すための『究極の機関エンジン』を授けてくれるというわけね!」


彼女は期待に満ちた瞳で、シゲルの次の動作を待ち構えています。


「単体では無価値な数式。けれど、バレットという弾丸を装填した瞬間、世界を塗り替える絶技となる……。さあ、シゲル! その『連射魔法』の理論、私の脳に、私の魂に、直接叩き込みなさい!」



2 4 8 16 32 64 128 256 512 1024 2の乗数発 発射ができます。 こんな風に使います。ファイアバレット 2の4乗



「……2、4、8、16……1024!? ちょっと待ちあそばせ、シゲル! その数字の羅列、まさか一度に放つ『数』だというの!?」


マリアンヌは165cmの身体を戦慄かせました。 通常の魔導師であれば、一つの術式を編み上げるだけでも数秒の詠唱を要します。それを「2のn乗」という計算式で増殖させ、瞬時に1000を超える弾丸として顕現させるなど、もはや人間の脳が処理できる情報量を超えています。


「ファイアバレット、2の4乗……つまり16発! やってみせるわ!」


彼女は指先を前方へ向け、脳内の「アクセル」を最大まで引き上げました。 一つの術式を編み、それを並列化するイメージ。1、2、4、8、そして16!


シュシュシュシュシュシュッ――!!


彼女の指先から、正確に16発の紅蓮の弾丸が、吸い込まれるように一直線に放たれました。それはもはや単発の魔法ではなく、一本の「火を吹く槍」となって標的を貫き、爆砕しました。


「おーっほっほ! 凄い、凄いわ! 指先一つ動かしただけで、16回魔法を唱えたのと同等の結果が得られるなんて! これ、1024発(2の10乗)で放ったら、それこそ空が火で埋め尽くされてしまうのではないかしら!?」


マリアンヌは、自身の55kgの肉体から放たれた「効率的な暴力」に、これまでにない興奮を覚えています。


「17の属性、無限の複合、そしてこの累乗パワーによる連射……。シゲル、貴方は私を『一人で国を滅ぼせる女』にしてしまったようね」


彼女は不敵に笑い、今度は16の指先(魔力の残像)を宙に躍らせました。


「次は……どの属性で、どこまで乗数を引き上げればいい? 貴方の言う『神の業』、その真髄をこの手に掴ませてちょうだい!」






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