表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双璧の槍 ―笹と亀―  作者: beens
第六章 双璧、霧に散る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/25

第1話 道明寺、修羅の道

 慶長二十年五月六日、早朝。

 河内国、道明寺。

 視界を遮る濃霧の中、地鳴りのような轟音が響いていた。伊達政宗が誇る「騎馬鉄砲隊」のひづめの音である。

 対する後藤隊は、わずか二千八百。敵はその十倍。

 だが、霧の中から現れた二つの影を見た時、伊達軍の先鋒は思わず足を止めた。

「……ありゃあ、人間か?」

 先頭を行くのは、銀色の甲冑を纏った後藤又兵衛。

 そしてその横には、ボロボロの具足に笹を差した可児才蔵。

 二人は馬にも乗らず、徒歩で、しかし疾風のような速さで突っ込んできた。

「どけえッ! 雑魚に用はねえ!」

 才蔵の十文字槍が旋回する。

 それは武術というより、天災に近かった。触れた者の手足を弾き飛ばし、兜ごと頭蓋を砕く。才蔵が通った跡には、血の道ができる。

「才蔵、突出するな! ……左だ!」

 又兵衛の声が響く。才蔵の死角から迫る敵兵の喉元を、又兵衛の槍が正確無比に貫く。

 「動」の破壊力と、「静」の精密射撃。

 二つの槍は互いを補完し合い、巨大な一つの生き物となって敵陣を食い荒らしていく。

「カッカッ! どうした又兵衛、息が上がってるぞ!」

「貴殿こそ、腰が引けているぞ!」

 二人は笑っていた。

 四方を敵に囲まれ、死が確実な状況下で、彼らは人生で最も充実した時間を生きていた。

 京の竹林で始まった因縁が、この修羅場で昇華されていく。

更新通知を受け取りたい方は、ぜひブックマークをお願いします!

「続きが気になる」「面白い」と思っていただけたら、下の☆☆☆☆☆から評価をいただけると、執筆の大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ