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双璧の槍 ―笹と亀―  作者: beens
第四章 錆びゆく刃、疼く魂

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間話 大坂城の女たち

 大坂城、奥御殿。

 淀殿に仕える侍女・お初は、城内の異様な熱気に当てられ、めまいを覚えていた。

 ここ数日、城には毎日数百人もの浪人たちが流れ込んでくる。

 みな、顔つきが怖い。目は血走り、全身から殺気を漂わせている。

「お聞きになりまして? 今日、あの方が入城されたとか」

「ええ、後藤又兵衛様でしょう? なんでも、銀色の甲冑が後光のように輝いていたとか」

 侍女たちの噂話に花が咲く。

 滅びゆく豊臣家に集まる、時代の徒花あだばなたち。彼らは死に場所を求めてやってくるのようにも見えたが、その輝きはあまりに美しかった。

 そんな中、お初は奇妙な老人を見かけた。

 城門の隅で、警備の兵に誰何すいかされている。

「だからよ、俺は可児才蔵だと言ってるだろうが」

「嘘をつけ! 才蔵様は広島で隠居されているはず! そんな薄汚れたじじいが!」

 老人は困ったように頭をかき、懐から枯れた笹の葉を取り出した。

「困ったねえ。……じゃあ、これでどうだ?」

 瞬間、老人の気配が変わった。

 彼が持っていた槍の石突きで、地面をトンと突いただけで、周囲の屈強な兵たちがビリビリと震え上がったのだ。

 お初は見た。

 その老人の目が、城の奥、本丸の方角をじっと見つめているのを。

 そこには、すでに入城していた後藤又兵衛の姿があったはずだ。

(……ああ、役者が揃ったのだわ)

 お初は、震える手で胸を押さえた。

 この城は燃える。だが、その炎はきっと、歴史上最も美しい炎になるだろうと予感していた。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

読者の皆様の応援のおかげで、ここまで書き進めることができています。

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