最終章 The Final Part6
ユキに向け、剣を振り下ろしたマキ。
「!」
「…」
そのマキの剣を、ユキの顔に当たりそうなギリギリの所で止めたサオリ。
「貴方は、サオリ」
「ユキちゃんは、傷つけさせませんよ」
サオリの刀が、マキの剣を振り払った。
「…サオリ、ちゃん」
「ユキちゃん、無事」
「う、うん」
「…(命令、失敗)」
マキは、最初こそユキを殺すつもりは無かったが、ユキに絶望の魔法を放った後、スレイヤーから、今後脅威になりうるであろうユキを殺すよう命令が入っていた。
〈回想〉
「…」
「(マキ、その娘、ユキを殺しなさい)」
「(はい、スレイヤー様)」
そして剣を振り下ろした。
〈現在〉
「…」
マキが放った絶望の魔法の影響がまだ残っているユキ。
「(ユキちゃんがやられるなんて、いえ、それより)」
「…」
「マキ、ユキちゃんに何をしたんですか」
「絶望させた後、スレイヤー様からの命令があったので、殺そうとしました」
「絶望、ですって」
「ええ」
「よく分かりませんが、貴方がユキちゃんを殺そうとしたのは事実なんですね。なら私は…」
「殺しますか、私を」
「いえ、貴方を捕まえて、罰を受けてもらいます」
「そうですか、でも、貴方にできますか。私を捕まえる事が」
「やってみなければ、分かりません!」
サオリはマキに向かっていき、剣を振った。
「っ!」
「…」
サオリはマキに剣を振り攻撃をしかけているが、その攻撃をマキは、余裕で防いでみせた。
「(この人、強い!)」
「(サオリ、中々に強いですが、こんなものですか)」
「っ!」
二人は距離をとる。
「…ハァ(もうあの技を使うしか)」
「……?(あの構え、神道流)」
サオリは、もうこの手しかないと、そう思い、神道流の技を決めるべく、構えた。
「(さっきまでとは比べ物にならない程の力のオーラ、そして魔力量、サオリ、この女も脅威になりえる、なら)」
「(神道流の奥義であるあの技を決めるしか、きっと勝てない、なら)」
「(私のすべきこと、それは脅威なりえる者の排除、サオリは今後脅威になる。スレイヤー様の為にも)」
「(マキ)」
「!(スレイヤー様)」
「(何をしているの、さっさと戻って来なさい)」
「(ですが、サオリが)」
「(その女も脅威だけど、今はいいわ、ひとまず戻ってきなさい)」
「…(分かりました)」
「?」
「貴方やユキさんとは、機会があれば、また戦うでしょう。ですが今は、帰らせて頂きます」
「逃げるんですか」
「いえ、命令です。それに」
「…」
「いえ、なんでもないです。では」
マキは瞬間移動により、サオリとユキの前から消えた。
「…正直、命拾い、しましたかね」
「サオリちゃん、大丈夫?」
「あ、ユキちゃんこそ、もう大丈夫?」
ユキの方へ駆け寄るサオリ。
「あ、うん、サオリちゃんが守ってくれたお陰で」
「そう、大丈夫なら良かったわ」
「うん…」
「…ひとまず、皆の所へ戻りましょう」
「うん、そうだね」
「…」
ユキとサオリは、ひとまず皆がいるお城へ戻ることにした。
「…」
「…ユキちゃん」
「ん?」
「さっき、マキが絶望って言ってたけど、一体何があったの」
「あぁ、とても嫌な光景が頭に流れてきてね」
「嫌な光景、それが絶望ってことね」
「うん」
「…」
「ありがとね、サオリちゃん」
「え」
「ボクの事を助けてくれて、後、気にかけてくれて」
「…そんなの、親友なんだから、当たり前よ」
「…それでも、ありがとう」
「もう、急にどうしたの?」
「いや、近くに心配してくれる人がいるって、良いなって思って」
「…それこそ、ユキちゃんには、もういるじゃない。アスタが」
「うん」
「そう言えば、アスタはどこにいるのかしらね」
「…」
ユキとサオリが話していると、二人はお城へ着いた。
「あ、お姉ちゃん!サオリさん!」
「ミユキ」
「お姉ちゃん、大丈夫なの」
「うん、サオリちゃんのお陰で」
「そう、なら良かった」
「…」
「皆さん、無事ですか」
「はい、サオリさん」
「私達は無事です」
「なら良かったです」
「ごめん皆、ミレイユ姫様、助けられなかった」
ユキは、マキに迫ったが、ミレイユ姫を救えなかった事を、皆に頭を下げ謝罪した。
「お姉ちゃん…」
「ユキちゃん、顔を上げて、私達は、誰も責めてないわ。奪われたのなら、取り返しましょう、ミレイユ姫様を」
「サオリちゃん」
「うん、取り戻そう、お姉ちゃん」
「私達なら、きっとできます」
「うん」
「負けっぱなしじゃ、納得できねーからな」
「ミユキ、サキちゃん、メイちゃんに、ユウヤ君も」
「助けよう、ユキちゃん」
「…うん」
ミレイユ姫を助けに行くと決意したユキ達。
「それで、作戦なんだけど」
「何か考えがあるの、ユキちゃん」
「うん、それと、皆に伝えることが」
〈その頃、スレイヤーのいる次元では〉
「…ただいま戻りました、スレイヤー様」
「ええ、よく戻ってきたわね、マキ」
「はい」
「…」
「話には聞いていましたが、ホントに貴方がいるとは、アスタさん」




