表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/78

最終章 The Final Part2

サオリとサキが、アスタ達をソウルワールドへと呼ぼうとしていた同じ頃、アスタこと宮村雄也は、フェイ、神田京介の父親である、神田貴志と会う約束をしていた。


「…」


約束の場所へと向かう雄也。


「あ、おーい、雄也君」


雄也を見つけ、名を呼ぶ貴志。


「お待たせしました。父さん」


「…今でも、父さんと呼んでくれるのだね。雄也君」


「もちろん、貴方は、俺と京介を育ててくれた人ですから」


「…なら、私も呼び方を変えなくてはね。雄也」


「はい」


二人は、じっくりと話せる場所、喫茶店へと向かった。


そこで二人は、昔話や今の職場の話をした。


「と、今はそんな感じなんです」


「そうか、ソウルワールド、その世界の管理か」


「はい」


「…今でも、つい考えてしまう」


「…」


「京介が、雄也の隣を歩いている所を」


「父さん…」


「と、いけない。今、雄也の隣を歩いてくれているのは、結生君だったね」


「はい。結生には、ホントに感謝してもしきれないです。何せ、命の恩人ですから」


「そうだね、京介が死んでしまい、悲しんでいた君を、立ち上がらせてくれたのが、結生君だからね」


「はい」


「とっても良い子を見つけたな」


「…はい、ホントに」


「私も、京介へのお墓参りの時に、結生君が私に言葉をくれてね。お陰で私は、前を向く事ができた。ホントにあの子は、凄い子だ。でも、意外だったな」


「え?」


「いきなり雄也から会いたいと言われたから、てっきり結生君と来ると思っていたが、二人で話がしたいと言っていたからね」


「あぁ、はい」


「何か困り事か?」


「…父さん、俺と初めて会った時の事、覚えていますか?」


「あぁ、もちろん覚えてるよ。もう十六年ぐらい前かな。京介と公園に来ていた時。いきなり京介が、君を連れてきたからね」


〈今から十六年前、二〇一八年八月十五日〉


「…」


貴志がとても広い公園のベンチに座っていると、そこへ息子である京介が、一人の少年を連れてきた。


「父さん」


「ん?どうした京介。ん?その子は?」


「この子、あっちの方に一人でいたんだ」


「そうなのか、親御さんが心配するだろう、お母さんかお父さんの元へ…」


「僕、もういないんだ」


「え…」


「ママ、もう死んじゃって」


「!?」


「パパも、仕事でいなくて」


「君、名前は」


「宮村、宮村雄也」


「宮村、!?お隣さんの子じゃないか。(しかも宮村さんは、つい最近奥さんが亡くなった、旦那さんはまだいるみたいだが、子供がいたとは聞いていない。この子は、何か事情を抱えているんじゃ)」


「父さん、ゆうや君、家に呼んじゃダメ?」


「!?しかし、勝手にお隣さんの子を」


「父さん、ゆうや君とは、もう友達なの、おねがい」


「…とりあえず、宮村さんの所に行ってみるよ」


「うん、わかった」


そこで神田貴志は、宮村家を尋ねた。


「…貴方は」


「私は隣に住んでいる、神田貴志と言います。宮村さん、貴方、お子さん、いらっしゃいますよね」


「あぁ、雄也の事ですか」


「はい、今日、公園に一人で来ていました」


「そうなんですか、ご迷惑をお掛けしました」


「いえ、あの、雄也君、一人で塞ぎ込んでいました。雄也君、これからどうなさるのですか」


「あぁ、もう、私一人では育てられないので、児童養護施設に行ってもらおうかと思ってます」


「…そうですか」


「はい…」


「あの」


「はい?」


「ご提案なのですが、もしご迷惑でなければ、うちに見させて頂けないでしょうか。宮村さんのお仕事が終わるまで、うちで面倒見させて頂ければ、京介も喜ぶので」


「…では、そうしてもらえますでしょうか」


「ホントですか!」


「はい、妻を亡くし、もうダメかと思っていましたが、貴方の様な方に面倒を手伝って頂けるのは、嬉しいですし、助かります」


「…はい」


「父さん」


「!?京介、来ていたのか」


「どう、大丈夫?」


「お子さんですか?」


「はい、息子の京介です」


「そうでしたか……雄也」


「…パパ」


「雄也、今、この人と話したんだけど、パパが仕事から帰ってくるまでの間、この人の所にいてくれないか?」


「うん、友達、できた」


「そうか…では神田さん、雄也を、共にお願いします」


「はい」


そこから雄也は、主に神田家で面倒を見ることになった。そこから三年後、宮村さんは亡くなり、雄也は、完全に神田家で住まうこととなった。


そして、雄也と京介が高校生になった頃、神田貴志の妻である、神田朱里が亡くなり、二人は児童養護施設へと移った。


〈そして現在〉


「あの時は驚いたよ。京介がいきなり君を連れてきたから」


「はい、俺も覚えてます」


「でも、その時の事がどうかしたのかい?」


「…実は」


雄也は、カインとのやり取りの事を話した。


「という訳なんです」


「…君が、宮村さんの家の子ではないかもしれない?それどころか…」


「はい、俺も、考えたくはありません。でも、カインと言う男と話していると、不思議とそんな気がするんです。考えてみたら、俺、宮村家での事、ちっとも覚えていないんです。普通は、微かでも記憶があるはずなのに。なので、職場の人に、宮村家の事を調べてもらいました。すると分かったのは。宮村家では、結婚の記録は残っているが、子を産んだ記録が無かった」


「…それは、ホントなのかい」


「はい、間違いないです」


「それは、結生君には言ったのかい?」


「いえ、まだ。職場の上司と、調べてくれた人、そして父さん、貴方しか、この事は知りません。何せ、自分がこの世界の人間ではないかもしれないなんて、とても考えられる事じゃないですから」


「…でも雄也、君の事だ。悩んではいるが、結生君には、近いうちに話すつもりなんだろう?」


「…さすが父さん、お見通しですか」


「雄也、男が誰かを愛し、その人を信じると言う事は、その人を生涯守ると言う責任でもある。だから雄也、結生君の事は、決して、裏切らないようにな」


「…はい!」


貴志と雄也は、話を終え、その場を後にした。


雄也が一人帰っていると、路地裏で倒れている女性を発見した。


「!大丈夫ですか!」


「…あー、ありがとう」


「大丈夫ですか、どこか怪我は」


「あー、大丈夫、酔ってしまっていただけなので」


「…そうですか、では俺はこれで」


「待ってください」


雄也がその場を立ち去ろうとしたら、その女性に止められた。


「はい?」


「このまま、行ってしまうんですか?アスタ」


「!?」


「ふふ」


「アンタ、何者だ」


「私の名前は、スレイヤー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ