表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/78

第四章 ゲーム学校編 Part7

街へと向かったアスタは、まずマントを買い、フードで顔を隠し、バレずにレベル上げをする為、ひとまずダンジョンへと向かった。


「(ひとまず、ダンジョンでレベル上げをするか)」


〈その頃、ダンジョンでは〉


「なあ」


「あん?」


「スラムってヤツ見たか?」


「いや、見てねーな」


「そうか」


「早くアイツを見つけて倒さーねと、元の世界に帰れねーよ」


「でもよ、逆に言えば、アイツを倒さないか、倒されない限りは、この世界をずっと楽しめるんだぜ」


「いや、それはそうだけどよお。もし全員やられたら、俺達死ぬんだぞ」


「そうだよ、楽しむなんて言ってる場合じゃないって」


「そんなの、テキトーに誰かが倒してくれるだろ」


「そうだそうだ、俺達はその間、このゲームを楽しむまでさ」


「そんな…」


プレイヤー達の中には、デスゲーム化したこの世界で、スラムを倒し、帰りたいと望む者もいれば、この世界で暮らしていたいと望む者もいた。


そんな中、ヤツが現れる。


「つーか、スラムなんてどこにもいねーし、きっと第二十階層にずっといるんだよ。なら、誰かがそこに行ってスラムを倒すまで、俺達はのんびりと…」


「それは困るな」


「!?」


一同は、声の主の方へと振り返る。


「君達には、静かにこの世界に留まるより、私に挑みに来てもらわなくちゃ。私がつまらない」


「お前、スラムか」


「あぁ、いかにも」


「…」


「へえー、アンタがスラムか。映像で見た通り、随分と可愛いじゃねーか。こんなヤツがラスボスねえ」


「おもしれぇ、どれ程の実力か、見せてもらおうじゃねーか」


「ふふ、そう、その意気だ。私と楽しもうじゃないか」


プレイヤーである剣士達は、武器を持ち、構えた。当然スラムも、戦う為剣を召喚し、構えた。


「おらー!」


「いくぞー!」


「ハアー!」


「ふっ」


剣士達は、スラムへと向かっていった。


「ふっ!」


「ハッ!」


「オラッ!」


「ふふ」


スラムは、そんな剣士達の攻撃を全てかわしてみせた。アスタの素早い動きと重い一撃を見て、それを身体が覚えていた為、その場にいた剣士達の動きが、スラムにはとても遅く、軽い攻撃に感じていた。


「っ!やるじゃねーか」


「っ、すべてかわして見せるとはな」


「だが、囲っちまえば」


「終わりだぁー!」


剣士達は、スラムを中心に囲み、一斉に攻撃を仕掛けた。


「ふっ」


スラムが取った行動は、剣に魔力を込め、その剣を囲っていたプレイヤー全員に当てる為、回り、剣士達に重いダメージを与えた。


「うわっ!」


「っ!」


「くはっ!」


「…なるほど、これが戦いか」


スラムは、アスタと戦った経験が、その場で生かされていた。そして、真に戦いと言うものを覚えた。


「あと二分か」


「くそ、まだ終わってねーぞ!」


「ん?」


スラムは後ろを見て、まだ戦える剣士達を見つめ、その剣士達の攻撃をかわし、遂には、倒し、そのプレイヤー達は消滅してしまう。


「ふっ!」


「あ…」


「ふん」


「!なんだよ、コイツ」


「強すぎないか」


「あれ、戦意喪失か?」


「…」


戦いに参加できなかった剣士達は、スラムのあまりの強さに絶望し、震えた。


「あ…」


「こんなヤツ、誰が勝てるんだよ」


「…アスタと違って、君達は度胸がないな」


「アスタ?」


「ああ、お、時間か。君達に、一つのクエストを出そう」


「クエスト?」


「クエストだと」


「ああ、今から二十四時間。このプレイヤーを倒した者に、報奨金として、金貨千枚を与えよう」


「き」


「金貨千枚!?」


金貨千枚と言う言葉を聞いて、驚く剣士もとい、プレイヤー達。


「プレイヤー名はアスタ」


一人のプレイヤーが、報奨金をかけられたプレイヤーの名前を確認する。


「コイツを倒せば、金貨千枚」


「じゃあ、私は一旦失礼する。せいぜい頑張りたまえ」


スラムはそう言い残し、瞬間移動で消えた。


「おい、どうする」


「そんなの決まってんだろ」


「金貨千枚なんて大金、逃さない手はないぜ」


「ああ、コイツ一人を倒すだけで、くう、たまんねーな」


「待てよ、今俺達プレイヤーが争ってる場合じゃないだろ」


「そうだ、こんなクエストなんて無視して、スラムを倒しに…」


「倒す?本気で言ってんのか」


「…」


「今俺達がスラムに挑んでも、敵う訳ねーだろ」


「でも、俺達と同じプレイヤーだぞ、仲間を倒すなんて」


「仲間ねえ」


「なんだよ」


「仲間つっても、俺はコイツの知り合いでもなんでもない」


「その通りだ。今スラムに挑んでも、無駄死にするだけ、それなら金貨を獲得して、武器を買ったり強化したり、色々手はある」


「でも、ここで仲間が減るのは」


「別に、受けたくねーなら、ずっとそうしてな。俺はこのクエスト受けるぜ」


「俺もだ」


「俺も」


「俺もやるぞ」


プレイヤー達は、スラムより、アスタを倒すことに目的を変えた。


その場にいたプレイヤーのほとんどが、スラムが出した討伐クエストを、受けると言い出していた。


もちろん、気が乗らないプレイヤーも、当然いた。


そして、たまたま通りかかり、その情報を聞いてしまったアスタ。


「(マズイな、ダンジョンは危険か。なら、街か野原にでも行って、隠れてるか)」


アスタは瞬間移動で、一旦街に戻った。


「…」


アスタは、街に戻ったものの、これからどうするか考えていた。


「(レベル上げをしたいが、今ダンジョンに行けば、簡単に見つかる。て言うか、クエストは今出されたから、街にいるのも危険だな)」


アスタは、人がいないであろう野原に瞬間移動しようとした瞬間、後ろから声をかけられる。


「おい、アンタ」


「…ん」


「コイツ知らねーか」


そのプレイヤーが見せてきた画像は、アスタだった。


「知らないな」


アスタは当然、知らないと答えた。


「そうか、てかアンタ、何で顔隠してるんだ?」


「あー、ちょっとな」


「…」


「じゃあ、俺はこれで」


「待った」


止められるアスタ。


「なんだよ」


「アンタ、まさかとは思うが。顔を見せてくれないか?」


「…」


顔を見せてくれと、迫ってきたプレイヤー。アスタが出した答え、それは。


「っ!」


逃げることだった。


「あっ、まった!」


そのアスタを追いかけるプレイヤー達。


「…(何で追ってくるんだよ、めんどくさくなったな)」


アスタは捕まる訳にはいかない為、瞬間移動で野原へと向かった。


「…ここにいれば、安全だよな」


ふと安心してるアスタ。だが、そんなアスタを、瞬間移動で追いかけてきたプレイヤー達。


「!?」


「…逃げるって事は」


「…」


「お前がアスタか」


「…だったらどうする」


「悪いが、斬らせてもらう」


「…こうなるしかないのか」


アスタも、生き残る為背中の鞘から剣を取り、構えた。


「ほお、やろうってか」


「その方が燃えるってもんだ」


「…」


「…時間が限られているんでな。行くぞ!」


「っ!」


「ハアー!」


「…」


アスタに攻撃を仕掛ける四人のプレイヤー達。


アスタは、そんなプレイヤー達の攻撃を剣で防いだり、攻撃をかわして対処していた。


「っ!」


「…避けてるだけか」


「それじゃあ終わらねーぞ」


「っ!」


その攻撃の現場を、他のプレイヤーも目撃し、プレイヤー達に加担した。


「おりゃあー!」


「っ(マズイな、人が集まってくる)」


アスタは、プレイヤー達を、戦いこそするが、自分からは攻撃をしなかった。


なぜなら、この世界において、プレイヤーは貴重だからだ。何せ、スラム一人はともかく、このゲーム本来のラスボスであるタイダンハーツを倒す為にも、プレイヤーをこれ以上減らす訳にはいかないのだ。


「っ!ハァ!」


「…コイツ、強いな」


「格好は初心者なのに、剣の戦い方は上手い」


「まるで本物の剣士だ」


「っ!聞いてくれ!」


アスタは、プレイヤーに問いかける。


「なんだ、こんな時に!」


「今俺達が争うのは良くない。スラムの狙いは、この世界のプレイヤーを減らす事だ。それは、この世界の本来のラスボスであるタイダンハーツの攻略をさせない為なんだ!」


「なに訳が分かんない事を」


「ホントなんだ!」


「そんな事言って、お前が死にたくないからだろ!」


「っ!」


アスタは戦いながらも、必死に話すが、思いは通じなかった。


「(ダメか、ならどうすれば)」


「おりゃあ!」


「っ!」


アスタは宙へ飛ばされる。そして落ちてきた所を仕留めようとしているプレイヤー。


「後ろががら空きだぞ!」


「っ!ふっ!」


アスタは宙に浮き、落ちながらも、剣の攻撃を身体全身を使いかわした。


「っ!これをかわすのかよ」


「…」


「やるな、さすが金貨千枚に値する男だ」


「…」


アスタは必死にプレイヤー達の攻撃をかわしていった。そしてある事に気づく、それはプレイヤー達と戦っていると、経験値がどんどん上がっていく事だった。


「…(レベルが上がっている)」


「これでどうだ!」


一人のプレイヤーが、巨大な気玉を創り、アスタに放った。


「っ!」


アスタに当たった気玉は爆発した。そして、そんなアスタ達が争っていた十分前、ダンジョンでは、リタがレベル上げと、エリーナを探す為、動いていた。


「ハァ!」


「グルァ!」


リタは、順調にレベル上げを行なっていた。


「よし、これで、レベル五十。この調子だな」


クエストが出る前、リタはソロでモンスター達と戦っていた。


「さて、次の階層に」


リタが次の階層に行こうとしていた時、後ろから、モンスターが迫ってきた。


「カアー!」


「!?」


「カアー!」


そのモンスターの攻撃をなんとかかわしたリタ。


「あぶねっ!」


「クルゥ」


だが、そのモンスターの攻撃をかわしたのは、良かったものの、更に後ろからモンスターの攻撃が、リタに迫っていた。


「!?やべ!」


ピンチになったリタ。だがそんな中、一人の少女に救われた。


「ハアー!」


マントを羽織っていたその少女は、リタの後ろにいたモンスターの一体に向け、攻撃した。そして。


「っ、スイッチ!」


その言葉と共に、もう一人のマントを羽織った少女が飛び出て、剣に魔力を込め、モンスターを倒した。


「ハアー!」


「カアー!」


「…っ、ハアー!」


リタも、残り一体のモンスターを倒した。そして、その二体のモンスターは消滅した。


「ふう、助かったよ。ありがとう」


「いえいえ、そっちこそ無事で良かったわ。リタ」


「ん?何で俺の名前を、ってその声」


一人の少女は、フードをとった。


「!?エリーナ」


「やっと会えたね。リタ」


そうその少女は、リタの幼なじみであるエリーナだった。


「良かった。エリーナが無事で」


「ええ、私も、リタが無事で良かった」


「ああ、ん?」


「どうしたの?」


「エリーナ、その人は?」


「ああ、この人は、今の私パーティーメンバーの」


もう一人の少女も、フードをとった。


「こんにちは、ボクの名前はユキ。よろしくね」


もう一人の少女は、ユキだった。


「ああ、よろしく」


リタとユキは、握手を交わした。


「エリーナ、ユキさんとはどこで」


「私がダンジョンでレベル上げをしてて、危なくなった所に、ユキさんが助けてくれたの」


「そうだったのか、ありがとう、ユキさん」


「ううん、ボクは大したことはしてないよ」


「…それでも、ありがとう。…それはそうとエリーナ」


「ん?」


「見たか?」


「ああ、スラムの事ね」


「ああ、あの映像、どう思う」


「…リタはどう考えてるの?」


「正直信じ難い、でも、もしホントなら、生き残らなきゃいけない。俺はホントだと思ってる」


「そう、私も同じ考えよ」


「エリーナもか。ひょっとしてユキさんも?」


「うん、気になる所はあるけど、ボクもホントだと思ってる」


「そうか」


「…それより、リタ君」


「ん?」


「ボク、人を探してて」


「人?」


「うん、とても大事な人なの。名前はアスタ」


「アスタ」


「知らないかな」


「悪い、俺は知らない」


「そっか」


「リタ、レベル上げも今は大事だけど、ユキさんが探している人を、一緒に探してくれない?」


「ああ、それは別に構わない」


「ありがとう。アスタさんって人、ユキさんにとっては、とても大事な人みたいなの。それに」


「それに?」


「それに、凄く強いって」


「強いのか」


「うん、ひとまず、パーティーを組みましょ、リタ」


「ああ、俺もそうしたかった」


リタは、エリーナとユキ二人のパーティーに所属した。


「よし、これで大丈夫。アスタさんか、何か手がかりがあれば、ん?」


「?どうしたのリタ」


「いや、何かお知らせがきてる」


「お知らせ?」


「ああ」


「見せて」


「ボクも見せてもらえない?」


「ああ」


リタはメニューにあるお知らせを押した。するとそこには、スラムからのクエストが載っていた。


「クエスト?」


「なんだろう」


「えーと、このプレイヤーを倒した者に、報奨金として、金貨、千枚!?」


「金貨千枚って、凄い額ね」


「それで、そのプレイヤーって、…!?」


「!?」


リタ達は驚いた、何故ならそのプレイヤーがアスタだったからだ。


「ユキさん、もしかしてこの人が」


「うん、アスタだ」


「何で、いや、それより」


「ええ、今すぐアスタさんを探しましょ。アスタさんを保護する為に」


「ああ、ひとまずダンジョンを出よう」


「そうね」


アスタを探す為、ひとまず第一階層に行き、ダンジョンから出るリタ達。


「…」


リタ達が外へ出ると、周りからの声が聞こえた。


「(アスタ、無事でいてね)」


心配するユキ。


「おいおい、聞いたかよ」


リタ達の近くで話していたプレイヤー達。


「アスタってヤツを倒した者に、金貨千枚って話」


「ああ、金貨千枚はヤバイよな」


「ソイツはどこにいるんだ?」


「なんでも、今向こうの野原で戦っているらしいぞ」


「!?」


それを聞いたリタ達。


「アスタ…」


「行こう、エリーナ、ユキさん」


「ええ」


「うん」


リタ達は、アスタがいるであろう野原に向かった。


〈その頃アスタの方は〉


「やったか」


「…」


爆発に巻き込まれたが、なんとか無事だったアスタ。


土煙から姿を現した。


「くっ、やるな」


「…(やべーな、このまま戦い続けたら、スラムはおろか、タイダンハーツも倒せない。HPも少なくなってきた。どうする)」


「だが、これで終わりだぁ!」


「…」


アスタが斬られる、そう思った瞬間、一人の少女が、剣を持ち、攻撃を防いで、アスタを救った。


「ん?誰だ」


「…!?ユキ…」


そう、アスタのピンチを救ったのは、ユキだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ