第四章 ゲーム学校編 Part5
「アスタ…何故ソイツにこだわるんだ?……まあ、今は考えなくていいか。いざとなれば、いくらでも手はある」
スラムは、何故アスタに協力者がこだわるのか、気にはなったが、スラムも自身のレベルアップを行なう為、今は考えるのを止めた。
「さて、行きますか。しばらくは狩りを楽しもう」
スラムはまた、自身のレベルアップの為、強い剣士を探しに出た。
〈その頃、第五階層の野原では〉
「よしっ!いくぞ!」
「おう!」
五人のプレイヤーが、ボスではないが、低級のモンスターと戦い、レベル上げをしていた。
「スイッチ!」
「…ハァ!」
「グルアー!」
低級モンスターの軍団を倒したプレイヤー達。
「よし、これでレベルアップだ」
「ダンジョンでなくても、レベルはやっぱり上がるもんだな」
「そうだな」
「これからどうする、今度はダンジョンに行くか?」
「そうだな、今は第五層だから、第六層に行って、ボスと戦うのもありだな」
「だな」
「俺らのレベルなら勝てるだろ」
「よし、じゃあ行こう」
プレイヤー達は、今より更にレベル上げをする為、第六階層のダンジョン内へと向かった。
そしてダンジョンに入り、ボスモンスターの前に出てくる、中級のモンスターと今度は戦っていた。
「っ!」
「ハァ!」
「グルアァ…」
「いくぞ!」
「あぁ!」
「スイッチ!」
「っ!おりゃあー!」
モンスターの相手をしていたプレイヤーが、剣に魔力を込めていたプレイヤーと交代し、剣でトドメをさした。
「グルアーー!」
「…よし」
「次はボス部屋だな」
「そうだな、行くか」
ボス部屋に着き、扉を開けるプレイヤー達。
「……」
「…!」
ボス部屋に入り、ボスモンスターを探していたプレイヤー達。そして、一人のプレイヤーが、ボスモンスターを探していると、奥に巨大な何かがいるのを確認した。
「おい!」
「?…!」
「アー・・・」
不気味な声を発した、第六階層ボスモンスター、巨大ゴーレム。
「…不気味な声だな」
「あぁ、だが不気味なのはそこだけだ。俺らなら勝てる相手だ」
「あぁ、いくぞ!」
「おう!」
プレイヤー達のリーダーが喝を入れ、気合いが入るプレイヤー達。
「…ふん!」
「アー・・・」
「っ!ハァ!」
巨大ゴーレムに、攻撃を与えていくプレイヤー達。
「ふんっ!余裕だぜ」
その後も、順調にダメージを与えていき、残りHPが半分になった時、それまでほとんど反応を示さなかった巨大ゴーレムが、身体に紫の線が駆け巡り、パワーとガードが上がった。
「おっ!」
「なんだよ、ここからってのか」
「アーーー!」
今までとはうって変わり、今度は巨大ゴーレムの方から攻撃を仕掛けてきた。
「っ!うわっ!」
「おい、うわっ!」
「この、いきなり本気ってか」
「アーー」
「上等だぜ、やってやる!」
仲間二人が攻撃を受け、残り三人の内の一人のプレイヤーが、攻撃を仕掛けた。
「アー!」
「っ!」
巨大ゴーレムの攻撃をかわし、攻撃を与えたプレイヤー。そして、それを陰から見ていたスラム。
「(へえー、やるね。このままいけば、彼らは勝てるだろうな。でも、私的には、もっとデータが欲しい、もう一体召喚するか)」
プレイヤー達の動きや技のデータがもっと欲しいと考えたスラムは、前と同じように、巨大ゴーレムを一体召喚し、彼らに向けて放った。
「ハァ、ハァ、ん?」
「なっ」
「マジかよ」
「もう一体だと」
「ちっ、やるしかねー」
二体の巨大ゴーレムが目の前にいる状況となり、プレイヤー達は不利な状況に置かれたが、それでも彼らは何とか勝とうと、知恵を絞り、戦った。その内、最初に相手をしていた巨大ゴーレムは倒したが、もう一体の巨大ゴーレムに苦戦していた。
「ハァー!」
「キーー!」
「ハァ、ハァ。あと一体」
「…あと少しだってのに」
「このままじゃ」
ピンチになってきたプレイヤー達。その様子を、スラムは見て、学習していた。
「(やるね、でも、さすがにもう一体相手じゃ、彼らは負けるかな。私以外のヤツの攻撃で死なれると、経験値が上がらない、なら、私が行こっかね)…ん?」
スラムのレベルアップ方法は、勝てない相手ならボスモンスターを召喚し、戦わせ、弱ったプレイヤーを倒し、経験値を上げるものだった。
だが、スラム以外で倒されると、そのボスモンスターの経験値は上がるが、スラム自身には、レベルが付与されない為、スラムがレベルを上げるには、自分で倒すしかなかった。
今のスラムは、前に第五階層で倒したプレイヤー達のレベルがそのまま引き継がれていた。さすがに強い剣や魔力を扱うには、まだレベルが足りなかった為、今、弱っているプレイヤー達を倒そうとした、その時、一人のプレイヤーが、倒れているプレイヤー達を助ける為、巨大ゴーレムへと向かっていった。
「(んっ)」
スラムは、未知の相手とは戦う訳にはいかない為、また身を潜めた。
「!」
「アー」
「っ!ハァー!」
そのプレイヤーは、リタだった。リタは巨大ゴーレムに、魔力を込めた剣の一撃を与え、巨大ゴーレムを倒した。
「キーーー!」
HPが少なかったとは言え、巨大ゴーレムを一撃で倒したリタを見て、プレイヤー達は驚いていた。
「マジか」
「ゴーレムを一撃で」
「大丈夫か」
「お、おう」
「おかげで助かったぜ」
「良かった」
「アンタスゲーな、あの巨大ゴーレムを一撃で倒すなんて」
「アンタ達が頑張ってくれたおかげさ」
「…」
「…それより、アンタらも見たか」
「見たって、何をだ?」
「スラムってヤツの映像だ」
「あぁ、見たぞ」
「ここに来た俺ら全員が死ねば、現実で死ぬってやつだろ?」
「あぁ」
「あれはホントなのか?」
「分からない。でも、もしホントなら、俺らは死ぬ訳にはいかない。なんとしても生きて、現実世界に帰らないと」
「…そうだな」
「アンタらに頼みがあるんだ」
「なんだ?」
「今、俺とフレンド登録をしてくれないか?そしてスラムを見つけたら、俺に知らせてくれないか」
「それは構わないが」
「まさかアンタ、スラムに挑もうってのか」
「あぁ、でも今の俺一人じゃ、勝てるか分からない。それに、俺は今人を探しているんだ。だから、急がないと」
「…とりあえず、俺とフレンド登録をしよう」
「あぁ、助かる」
リタとプレイヤー達のリーダーは、お互いにフレンド登録をした。
「なあ」
「ん?」
「アンタ、今ソロなんだよな?」
「あぁ」
「なら、俺達のパーティーに入らないか?アンタは強いし、数が多い方が、スラムを倒せるかもしれないだろ?」
「…悪い、ホントならそうするべきだけど、今俺は急いでいるから」
「…そうか」
「でも、探している人を見つけたら、考えてみるよ」
「分かった」
「じゃあ、俺はこれで」
「あ、最後に名前聞いてもいいか?」
「あぁ、そうだったな。俺はリタだ」
「リタ、リタも気をつけろよ」
「あぁ」
話を終えると、リタはエリーナを探すのと、レベルアップの為、上の階層へと向かった。
そして、それらを聞いていたスラム。
「(…危なかった、あのリタと言う少年、かなり強いな。見た所、強キャラスタートの一人ではない、だが、それでも、今の私では敵わないだろう。だが、あの連中はそうでもない、利用できる。だが今は、機会を待とう)」
リタの強さを見て、一歩引いた姿勢をとったスラム。だがスラムも、せっかく手に入れた力に知識。失わない為、スラムの経験値となりうる剣士を探しに瞬間移動で野原に向かった。
「ふぅ、とりあえず野原に来たが、ここからどうするか。ん?」
一人考え事をしていると、スラムに近づいてくるプレイヤー達。
「お、いたいた」
「お前がスラムか」
「…」
彼らの方を見るスラム。プレイヤー達は、逃がさないよう、スラムの周りを囲んだ。
「訳わかんねえゲームを考えやがって、だが、ここで終わりだ」
「お前との戦いは記録に残してやる。このキューブでな」
「…ふっ」
「あぁん?何がおかしい」
「いやいや、すまない。分かりやすい連中と思ってな。しかし、わざわざ餌の方から私の方へ来てくれるとは」
「なんだと」
「かかってくるといいよ。剣士達」
「俺達は、餌じゃねえ!」
皆が一斉に、スラムへと攻撃を仕掛けた。
「ハァ!」
「おりゃあ!」
スラムは笑みをうかべながら、剣士達の攻撃をかわし、一人の剣士から剣を奪い、その剣で、囲っていたプレイヤー達全員を斬り倒した。
「うっ!」
「かはっ!」
「うわっ!」
斬られた剣士達は、光に包まれ消滅していった。
「ふふふ、ハッハッハ」
「…悪魔だ」
キューブで記録していたプレイヤーが思わず口にした、悪魔と言う言葉。今のスラムは、確かに悪魔そのものだった。
「あとは、君だけか」
「ひいっ!」
残り一人を斬ろうとした瞬間、後ろから声が聞こえた。
「おい」
「…ん?」
声の方へ振り向くスラム。するとそこに立っていたのは、アスタだった。




