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第四章 ゲーム学校編 Part3

「…」


森の中を歩いていくアスタ。アスタは、ひとまず森から抜け、人がたくさんいると予想していた、野原や街の方へと向かっていた。


そしてもう一つ、ユキがどこにいるのか分からなかった為、ユキも探していた。


「ユキ、どこにいるんだろうな」


そうして歩いていると、アスタは森をぬけ、野原に着いた。


「…モンスターはいるけど、さすがにボスクラスはいないな」


アスタが来た野原には、スライムをはじめとする、低級のモンスターがたくさんいた。


そしてアスタは、ある事に気づく。


「と言うか、このゲームの世界。あの世界に似てるな。ソウルワールドに。……とりあえず、これからどうするか、だよな。ユキを探したいが、レベルも上げたいし、うーん、どうするか。でも、きっとユキは、俺の事を探しているかもしれない。なら、俺も探すか、このゲームを楽しむのは、それからでいい」


アスタは、せっかくのゲームを楽しみたい気持ちも当然あったが、ユキを探すことを最優先し、街へと向かった。


「…(ユキ、いないな。街にいないって事は、ダンジョンに行ったのかな…それとも野原?ユキはどこで目覚めたんだ?)…ていうかもしかして、探しているのって、俺だけか?」


アスタはユキを探していたが、中々見つからなかった。


「(ていうか、街を歩いているが、なんでNPC以外、ほとんど人がいないんだ?)もしかして、皆剣なり魔力を持ってスタートしたから、ダンジョンにいるのか?うーん、分かんねえ」


アスタが考え事をしていると、周りから声が聞こえた。


「あー、なんでだ?」


「ん?」


声に反応し、そっちの方を見るアスタ。


「この剣、どこで手に入れたんだっけ?それに、何で昔の事が思い出せないんだ?」


「?(記憶喪失?ていうかあの人、パーティー会場にいた人だよな。何で覚えてないんだ?…もしかして、いや、でも…まさかとは思うが、記憶以外の選択をしたら、外での記憶がブロックされるのか?もしそうなら、凄いなこのゲーム、他のゲームではそんな設定は恐らくないし…ユキ、大丈夫だよな)…とりあえず、探すついでに、俺もレベルを上げるか。このゲームもクリアしたいし」


アスタは、ユキを探すのが目的だが、とりあえずゲームクリアの為、アスタは、ダンジョンに向かう事にした。


一方その頃、リタはゲームクリアの為、ダンジョンでレベルを上げていた。そしてもちろん、エリーナも探していた。その理由は、エリーナとパーティーを組む為。なぜなら、リタは理解していたからだ。この世界が、リタやエリーナがハマっていたあの世界に似ている事に。それと、この世界でもPK行為、つまりは、プレイヤーがプレイヤーを、自身のレベル上げの為に、倒す行為が認められているかもしれないと言う事に。


その為、リタはレベル上げに専念していた。エリーナに会う前に、自分が倒されない為に。


「っ!ハァー!」


リタは、Sword&MagicAdventureで鍛えてきた事もあり、ダンジョンに出てくるモンスターを次々と倒していった。


「…これで、レベル十五か。…エリーナもきっと今戦ってるよな。俺も負けないよう、頑張んなきゃだよな」


リタはレベル十五まで上げ、順調に進んでいた。


「この剣だけでも、意外といけるもんだな。…でも、そろそろ強い剣も欲しいし、街に一旦戻るか」


リタは、新しい剣を買う為、一旦街に戻り、武具店へと向かった。


「へいらっしゃい」


「(NPC、まあ当然か)あの」


「なんでしょう」


「今、何か安くてオススメな剣はありますか?」


「剣ですね、少々お待ちを」


「…」


「これなんてどうです?」


「これは…」


リタは、その剣に見覚えがあった。なぜならその剣は、リタがSword&MagicAdventureをプレイして、初めて買った剣と瓜二つだったからだ。


「…(手持ち的にも良いな。それに、今高い武器を買っても、今の俺じゃ扱いきれないし、お金も足りない。よし)じゃあ、この剣をください」


「分かりました。金貨五枚です」


「良かった、ある」


リタは店員に金貨を渡した。


「はい、確かに。これでこの剣は、貴方の物です」


「はい」


リタはお店を後にした。


「さて、剣も買えたし。そろそろエリーナを探すか」


リタは、パートナーであるエリーナを探す為、ダンジョンではなく、テレポート盤がある場所へと向かった。


エリーナがいるのが、第一階層とは限らないからだ。


「よし、えーとひとまず二階層から探すか」


二を押し、起動するテレポート盤。


「…着いたかな」


リタは、第二階層へと着いた。そして、街の方へと向かった。


「それにしても、ホントに似てるな。変更している点もあるけど、ホントに、あの世界にそっくりだ。テレポート盤もあって、それに階層も二十まであったし。ていうか、このゲーム、大丈夫か?選択肢の中には強い武器か強い魔力を得てからスタートできるみたいだったし、そんな事したら、ゲームクリアなんてすぐだろうに、…何かあるのか?」


リタは、最初の選択肢の事が気になっていた。なぜなら、リタが考えた通り、最初から強キャラスタートでは、ゲームクリアなんてあっという間に成し遂げられてしまうし、成長を楽しむゲーマーとしては、それはつまらないんじゃないかと思っていたからだ。


「…最初から強キャラスタートでも、倒せない相手がいる?いやでも、いくら強キャラスタートでも、レベル上げは必須だし。それに、俺らみたいなゲーマーは、そんなのつまらないと思うだろう。運営側のミスか?でもまあ、この先行体験は、β(ベータ)テストみたいなものだし、しょうがないのかな。…俺は今の所楽しいけど、このままだと、強キャラスタート連中が、あっという間にクリアしちまうな。それだけは勘弁だな」


リタが考えている内に、第二階層の街まで着いた。


「というか、どうやってエリーナを探せば良いんだ?この広い世界じゃ、探すのも一苦労だぞ。…?あれ、ダンジョンに、入り口がある。って、それはそうか、この世界は、似てるがあの世界じゃないしな。……このまま上の階層に行っても、見つかるか分からんし、うーん、やっぱり、ダンジョンでレベル上げをしつつ、エリーナを探すか。他の連中がゲームクリアする前に、俺もレベル上げしないとだしな」


リタは、ゲームクリアを先越されない為に、ダンジョンへと向かった。


ダンジョンの中へと入ったリタは、メニューを開き、何かクエストがないか確認した。


「…ないな。ん?なんだ、コレ」


メニューを見ていると、リタは不思議な知らせがきていた事を発見する。それは、残りのプレイヤーの数の知らせだった。


「…残り人数、八十二人。十八人も減ってる。モンスターに負けたのか?」


リタがメニューを見ていると、メニューにある動画が送られてきた。


「ん、また知らせか?今度は一体…」


その動画を再生するリタ。


「プレイヤーの皆さん、聞こえていますか」


「誰だ、このNPC」


「私の名前は、SM0756。一人のNPCであり、今この世界を管理している者です。私の事は、スラムとも呼んでください。私は、この世界へと来た皆さんにお知らせをする為に、この動画を送っています」


「この世界、管理?」


動画を送っている、SM0756という、銀髪に青い眼をした美少女NPC、通称スラムは、プレイヤー全員のメニューに向けて、ある知らせを伝えた。


「気づいている人もいるかと思いますが、今この世界に存在しているプレイヤーは、全員で八十二名です。そう十八名ものプレイヤーが、モンスターに敗れ、この世界から退場しています。そして、大事なのはここから」


「…」


「この世界にまだ存在している、全プレイヤーが、モンスターに敗れ、この世界から退場した時」


「…」


「貴方達のホントの命も、共に消滅します」


「!?」


あまりの言葉に、驚くリタ。


「私の力は、ある一人の協力者のお陰で、NPCの枠を超え、リアルワールドへと攻撃が可能となりました。全プレイヤーが敗れた時、私はこの力を使い、アナタ方が被っている特殊なヘッドギアに電気を流し込み、生命活動を停止させます」


「!?あのヘッドギアに細工が」


「アナタ方が解放される方法は、二つ。一つは、この世界でただ一人生き残り、皆を解放するよう願う。もう一つ、このゲームのラスボスである私を倒すこと、それがアナタ方が助かる唯一の方法です」


「…助かるには、最後の一人になるか、コイツを倒すか、か」


「私は第二十階層の奥の扉の部屋か、そこら辺を歩いています。私を倒したい方は、容赦なく私を倒しに来てください。私もこの力を試したいので。以上で、私からの話は終わりです。プレイヤーの皆さん、どうか私を楽しませてください」


スラムはそう言い残し、動画は終わった。


「…」


リタは、目の前の状況が信じられずにいた。何せ、生き残らなければ、自分のアバターはおろか、ホントの命も消えてしまうからだ。


「ハァ、ハァ、ハァ。…これは、現実。ただのゲームじゃない」


リタは膝から崩れ落ちる。


「……スラムが言っていた言葉がホントなら、俺は…んっ、生き残ってやる、何としても!」


リタは、何がなんでも、この世界で生き残ると決意し、立ち上がった。


そんなリタの近くに、剣を持ったゴブリン達が迫ってきた。


「グルグル」


「……!」


リタは背中の剣をとり、剣に魔力を込め。ゴブリン達を倒す為、向かっていった。


「ハァーアー!」

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