第三章 Part11
アスタ達がお城へ向かっている時、お城では新聖騎士団の団員と団長が、ホントにアスタがミレイユ姫を殺したのか、考えていた。
「なあおい、あのアスタってヤツ、ホントにミレイユ姫様を殺したと思うか?」
「なんだよ急に、証拠だってあるんだぜ。アイツがやったに決まってるだろ」
「でもさあ、アスタってヤツと会った時、最初は分からなかったけど、団長に止められて、何か、そこまで悪いヤツじゃないのかなって気がしたんだよ」
「……まあ確かに、あの団長が止めたからなぁ。でもよ、悪人って言うのは、だいたいが俺らを騙しにきてるもんだろ」
「そうかもしれないけどさ、冷静になって考えてみようぜ。ホントにアスタってヤツが殺したのか。だってよ、可能性だけで言えば、あの画像がフェイクって言う可能性だって」
「……フェイク画像ねえ、考えすぎじゃねえか?」
「あくまで可能性の話さ」
「仮にフェイクだとして、何でわざわざフェイク画像なんて作るんだ?あんなの、アスタを貶めるだけだろうに」
「…正直、そこは分からない」
「……団長はどうお考えなのだろうな」
「そうだな。団長なら、もしかすると」
団員達が会話している中、団長もまた、アスタについて考えていた。
「(城に来てからすぐ、メイドであるカオリ様からあの画像を見せられ、私は疑うことなく、アスタを追った。そしてアスタに会い、確信した、あの目、あれは人を殺すような目ではない。だがそう考えるなら、カオリ様から見せて頂いたあの画像が、偽物、あるいは、本物だが何か裏がある画像、と言う事になる。もしそれがホントなら、裏に何者かがいる。誰だ、誰が一体)」
「団長」
「ん、どうした」
「アスタってヤツの事なんですが」
「あぁ、その事か」
「これから、我々はどうすれば」
「…ひとまず、我々は待機だ。アスタと言う少年、彼は恐らくこの城に来るだろう。この城に来た時、アスタの行動を見て、今後の事を決める」
「分かりました」
「…」
「…団長?」
「俺はひとまず、カオリ様の所へ行ってくる、お前達はここで…」
そう言いかけたその瞬間、奥の部屋から声がした。
「その必要はありません」
「?」
奥の部屋から出てきたのは、カオリだった。
「カオリ様」
「…」
「カオリ様、貴方に聞きたい事が」
団長がカオリにアスタについて聞こうとしたその時、奥の部屋からもう一人出てきた。そうカインだ。
「あー、もうアスタの事はいいよ」
「!?」
「…」
「…何者だ、貴様」
「もう君達の出る幕は終わった」
「なに?どういう事だ」
「今、この城に向かって来ている者達がいる。数は六、この中に、恐らくだがアスタがいる。君達の役目は、アスタがどれ程の力を持っているか確かめさせる為だけの、テストの為に送ったって訳だ。剣士君はアスタに会うことが出来たのだろう、剣士君の魔力も感じる」
「さっきから何を言っている」
団長がカインに問う。
「さっきも言ったが、もう君達の役目は終わった。後は俺の番だ」
「…さては貴様、あの画像、あれは貴様が」
「あぁ、その通り、俺がやった」
「貴様、ミレイユ姫様は無事なのか!」
「あぁ、もう言ってもいいか」
「…」
「あぁ、無事だよ。俺は無駄な殺しはしない主義でね」
「そうか、言い残す事はそれだけか」
「そうだね、もうアスタも来るし、カオリも解放しよう」
そう言うとカインは、カオリにかけていた洗脳を解いた。
「…」
「!?カオリ様!」
「俺は無駄な殺しはしない。でも、俺とアスタの戦いは、邪魔しないでもらいたい」
団長はカオリを団員に預けた。
「カオリ様を」
「はい!」
「黙って我々が引き下がると思うか」
「うーん、まあ、そうくるよね」
「貴様、ミレイユ姫様はどこへやった」
「地下牢にいるよ。ここじゃ戦いに巻き込まれるからね」
「そうか、それだけ聞ければ、もう貴様に用はない!貴様を、斬る!」
団長はカインへ一直線に、剣を持って全力で向かっていた。
その頃、アスタ達はお城までもうすぐの所にいた。
「もう少しだな」




