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第三章 Part5

「銀座駅で、菊池を見つけたそうだ」


「!?堂々としてますね」


「こうしちゃいられない、今すぐ、菊池の捜索にあたる」


「そうですね。…あ、そうだ青山さん」


「ん?なんだいユキ君」


「あの世界の事なんですけど…」


「あの世界の事?」


「はい、あの世界の時間加速を調整してもらえませんか」


「時間加速を調整?何故」


「向こうの世界での滞在が長く続いた場合、こっちに帰ってくる時間も遅くなります。ですから、時間加速を、えーと」


「三百六十五倍ぐらいでお願いします。私達の場合は、確か六千五百七十倍だったので」


「あ、そうだ三百六十五倍だ。ありがとうサオリちゃん」


「いいえ、ユキちゃん分かりやすく困惑してたから」


「えへへ、時間加速とか正直よく分からなくて」


現在のソウルワールドでの時間加速は、時間加速一倍で、ソウルワールド内で一日、リアルワールドで一日。


ユキ達がとった時間加速は、三百六十五倍。ソウルワールド内で一年、リアルワールドで一日。


残ったアスタは、念の為、ソウルワールドの時間加速を三百六十五倍にするよう、ユキ達に伝え、ユキ達は、それを青山に伝えた。それを特別チームに教え、ソウルワールドの時間加速を三百六十五倍にしてもらい、ユキ達は、菊池の捜索にあたった。


「よし、じゃあ行こう」


「はい!」


その頃、ソウルワールドに残ったアスタとミユキは、情報収集の為、第一階層で何か異変がないか調べていた。


「…」


「特に異常はないですね。アスタさん」


「あぁ、このまま何もなく終わってくれたら助かるんだけどな」


「そうですね」


二人はそんな会話をしながら、第一階層を廻っていた。そんな中アスタは、ある事を思いつく。


「そうだ、ミユキ」


「はい?」


「ヒナが何処にいるか知ってるか?」


「ヒナさんですか?ヒナさんなら、多分あそこにいると思います」


「あそこ?案内してもらえるか?」


「はい、分かりました」


アスタにそう言い、ヒナの所まで案内するミユキ。そしてその頃ヒナは、ミユキが予想した通り、前にユキ達がヒナと再会した場所、アスタとヒナ、それにフェイが住んでいた思い出の場所、あの宿にいた。


アスタがヒナに会おうとした理由は、この世界で唯一アスタと長く一緒にいたヒナに会いたかったのもあるが、ヒナなら、この世界の異変にいち早く気づくんじゃないかと言う考えがあったからだった。


「…」


ヒナは、窓から外を見て、アスタ達が取り戻してくれた平和を噛み締め、静かに暮らしていた。


「…アスタ、もう会えないが、叶うなら、お前とずっと、一緒にいたかったな。…なんてな……!?」


ヒナが窓から外を見ていると、そこに、なんとアスタとミユキの姿が見えた。それに驚いたヒナは、急いで宿の外へと出る。


「ここですよ、アスタさん」


「ここは…ここに、ヒナが、ん?」


「ハァ、ハァ、アス、タ」


「よ!ヒナ」


「よ!って、一体どういう、それにミユキも」


「こんにちは、ヒナさん」


「あ、あぁ、久しいな、ミユキ、それにアスタ」


「…ヒナ、ここに住んでいたんだな」


「あ、あぁ、ここは、私の思い出の場所だからな」


「…そうか、ヒナの思い出に残れたなら、良かった」


「あぁ、思い出だとも、ん?」


ヒナは、アスタとミユキしかいない事に、少し違和感をもち、辺りを見渡す。


「ユキとサオリは、一緒じゃないのか?」


「あぁ、ちょっと色々あってな」


「色々?」


「あぁ」


「…まあ、ここで話すのもなんだ、部屋に来てくれ」


「あぁ、悪いな」


「なあに、気にするな」


アスタとミユキは、ヒナの部屋に行き、そこで、今回ソウルワールドに来た目的を話すことにした。


「それで、色々あったと言っていたが、二人が来たという事は…」


「また、この世界が危機に陥っている、かもしれないんだ」


「かもしれない?」


アスタは頷く。


「俺とミユキも、はっきりと分かっている訳ではないんだ。ヒナ、ここ最近で、何か違和感を感じた事はあったか?」


「違和感…そう言えば」


「何かあったのか」


「二日程前、この世界の外側から、強い魔力を感じた。最初は私も気になったが、少ししたらその反応が消えたから、気にしていなかったが、もしかしたらソレは」


「そうだな、もしかしたらソレは、俺達が今追っている、カインって言う敵かもしれない」


「カイン、それが今回の敵か」


「あぁ」


「なるほどな、ソイツを今から倒しに行くのか?」


「ヤツが、この世界の脅威になるなら」


「そうか…」


「ですが、今の所、特にコレと言った手がかりがないんです」


「何か、手がかりがあれば」


「…なら、カオリの所に行ってみてはどうだ?カオリなら姫様の所にいるし、何か知っているかもしれないぞ」


「!?その手がありましたね。行ってみましょう、アスタさん」


「そうだな、カオリさんなら、何か知っているかもしれない」


そう言うと、アスタとミユキはヒナの部屋を後にし、カオリがいるであろうミレイユ姫の城へと向かおうとした。


「ありがとなヒナ、じゃあ、俺達はこれから…」


「アスタ」


「?どしたヒナ」


「私も、一緒に行っていいか?」


「別にいいが、どうして」


「私も、何か手伝いたいんだ。なにせ、この世界の危機かもしれないのだろう?なら、手伝わせてくれ。もう足でまといは、嫌なんだ」


ヒナは、一人目のゲータを相手にした時、何もできず、ゲータにワープで飛ばされた事を悔いていた。そして、また何もせず、ただ見ているだけなのは、我慢ならなかったのだ。


「…分かった。でも、ヒナは、全然足でまといなんかじゃないぜ。俺は何度もヒナに助けられたし、支えてくれた。俺には、ヒナが必要だ」


「!?」


「だから、一緒に来てくれ。ヒナ」


「…ありがとう、アスタ」


ヒナはアスタの言葉に、思わず涙を流した。


「ミユキもそれでいいか?」


「もちろんですよ、行きましょう。ヒナさん」


「ありがとう、二人共」


こうして三人は、カオリがいるであろうミレイユ姫の城へと向かった。

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