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インセクト・ウォー  作者: 総督琉
南部進軍編
82/136

第82話 不条理な世界だから、この世界を壊しにきた

 蟻村はその牙針蟻に不死鳥の炎フェニックス・ヘルフレイムを連発するが、牙針蟻には全く効かない。


「嘘だろ」と言ってる合間にも、炎は竹を燃やしていく。


 ーーヤバい。このままでは。


 蟻村は焦っていた。それでも牙針蟻は攻撃を止めはしない。そんな時、上の方から、


「剣蟻の女王は捨てて構わん。今はこの竹林から脱出することが最優先だ」


 蚊の王とその配下たちは颯爽と竹の中から飛び出した。


 ーーシャーロット。そこにいるのか?


 蟻村はトカゲに乗って、階段を登り、急いでシャーロットのもとへ向かった。だがその背後から牙針蟻はついてくる。


「これでも食らって倒れとけ。不死鳥の爆炎フェニックス・フレイムバーン


 爆炎が牙針蟻を吹き飛ばす。


「しばらく寝てろ」


 蟻村は火の手が差し迫る竹の中、シャーロットのもとに一目散に向かった。そしてシャーロットを見つけた。シャーロットはボロボロで、手を縛っていた縄も燃えている。


「シャーロット。大丈夫だったか?」


「蟻村……!? どうしてボロボロになってまで、こんなところに来たの?」


 確かに蟻村は殴られ、傷まみれだった。だけど、シャーロットのことばかり思うと、自然と痛みは感じていなかった。


「シャーロット。僕は、こんな不条理な世界だから、この世界を壊しにきたんだ。だから……」


 蟻村はシャーロットをお姫様抱っこし、トカゲに乗り込んだ。


「逃げるぞ」


 トカゲは10メートルはあろうかという高さから飛び降りた。蟻村でさえ、その行動を理解できなかったらしく、その瞬間に二人は死を覚悟した。

 トカゲはこの高さなら問題無く飛べる。二人は地面に着地した瞬間、ホッとした。だが後ろから牙針蟻が襲ってくる。


「シャーロット。前の方に乗ってろ。落ちたら危ないからな」


 蟻村はトカゲのしっぽの生え際に乗り、牙針蟻に銃弾を何発もお見舞いする。だが全く効かない。


「蟻村。牙針蟻には大きな弱点があるの。それが……」


 シャーロットは蟻村の握っていた銃を蟻村の手の上から握り、牙針蟻の額を射撃する。牙針蟻のスピードは少し緩んだ。


「あと一撃。いくよ。蟻村」


「ああ」


「「不死鳥の一撃フェニックス・ワンショット」」


 牙針蟻は額に風穴を空けられ、そのまま倒れた。蟻村とシャーロットは笑顔でハイタッチを交わす。


「やったな」


「蟻村のお陰だよ。助けにくてくれて、ありがとね」

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