第81話 諦め、挫け、後悔し、
円卓騎士団は未だに蚊と戦いを繰り広げている。
「ランスロット。お前の担当は右だろ。お前がいなくなった瞬間、右にいる仲間が蚊に殺られている」
「ガヴェイン。今すぐ撤退した方がいい。さもないと、俺たちは全滅する」
ランスロットの言ってることは一理あった。円卓騎士団の指揮官である蟻村、ならびにシャーロットが行方不明。だから今は撤退することが最優先される。
「仕方ない。今すぐ兵を撤退させろ。ここは退くぞ」
ガヴェイン統率のもと、撤退が開始される。円卓騎士団は一目散に撤退する。
やがて蚊の追跡を逃れ、静かに休憩をする。
「トリスタン。なぜお前は戦いをしなかった」
ガヴェインは怒りの目線をトリスタンに向け、胸元の襟を引っ張って、問いただす。
「蚊の大群の中にいる王と女王を探していた。だがそんな奴は来ていなかった。いや、影でこそこそ見ていた可能性が高い」
「それがどうした?」
「蚊の王や女王を殺せば彼らのやる気は多少収まる。現に、我々がそうだった。だから蚊の王を見つけ出して殺したかった。だが……見つからない」
トリスタンも考えていた。ガヴェインは納得し、今はゆっくりと休むことにした。
ーーその頃、蚊の巣にて
蚊の巣は竹の中に創られている。だから竹を斬るときは要注意だ。蚊の大群が出てくるかもしれないから。
蚊の巣には1千万ほどの蚊の群れが周囲を警戒している。その光景を、隠れて眺めている男がいた。
「シャーロットを返してもらうぞ」
その男は蟻村。蟻村はトカゲに乗り、蚊の群れがうじゃうじゃしている竹林を颯爽と突っ切った。
「敵が来た。迎撃せよ」
蚊の群れは蟻村に襲いかかる。蟻村は聖銃で蚊の群れを焼き払う。
「不死鳥の炎」
そして蟻村は蚊の巣である竹の中に侵入した。蚊の巣の中は真っ暗で、敵がいるかどうかも全く見えない。
蟻村はトカゲに乗って、少しずつ前に進んだ。すると当然、暗闇の中から声がした。
「挑戦者よ。よくここまで来た。だが、もう死んでもらおう。さあ出てこい。牙針蟻」
すると暗闇の中、謎の生物が蟻村の横腹を思いっきり殴った。蟻村は壁に思いっきりぶつかる。そんな蟻村に謎の生物は容赦無く殴りかかる。
「不死鳥の炎」
蟻村の不意の一撃は、竹の中を燃やし、灯りとなった。
そこで蟻村は見た。牙針蟻の姿を。自分の3倍はある身長と体格。圧倒的筋力。鎖に繋がれていたような跡。さらに、口からは鋭い牙。
「化け物かよ!」




